2日午前、目黒区役所にて公明党目黒区議団と「目黒区手をつなぐ親の会」との政策要望懇談会に出席。主催は5人の公明党区議団((川原のぶあき・佐藤ゆたか・関けんいち・武藤まさひろ・はまようこ)。
参加者は目黒区手をつなぐ親の会 白石美加会長、小野田由夏副会長(教育部代表)、岩男加代副会長(教育部代表)。
【目黒区手をつなぐ親の会】
昭和33年(1958年)に創設された60年以上の歴史のある知的障がい児者の家族と支援者の会です。当初、目黒区立碑小学校・第八中学校特殊学級(現特別支援学級)の親を中心に学級担任も含めて発足準備が始まり、会員90名でスタートしました。
以来、一貫して、誰もが地域で安心して暮らせる共生社会の実現を目指し、行政や個人・団体の方々より、たくさんのご支援をいただきながら活動を続けています。2024年度の会員は約290名。
私も親の会30年以上の会員です。先日も白石会長とは、こぶしえん夏祭りでお会いしました。11月東京で開催される全国手をつなぐ育成会連合会全国大会では、白石会長が分科会で発表される予定と聞いています。
下記6項目の要望について伺い、意見交換しました。
1. 宿泊型自立訓練施設の整備要望
2.相談支援専門員不足について
3.移動支援ガイドヘルパー不足への対応
4.個別避難計画の作成に関して
5.放課後等デイサービス(放デイ)の不足解消に向けて
6.その他(国・都への要望)
目黒区の地域事情などどの項目も切実で大事な内容です。障がいのある方が地域生活を継続するために必要な宿泊型自立訓練施設や外出などの移動支援。災害時の対策。支援する人たちの確保・育成・処遇等々。
伺った要望について、国・都・区の連携で進めてまいります。ありがとうございました。
目黒区の要望の一部と国・都の要望内容を参考に記載致します。
【目黒区への要望】
1.宿泊型自立訓練施設の整備要望
(現状と課題)
障害のある方が地域で自立して暮らすには「住まいの確保」が不可欠 区内のグループホームは依然として不足 増設ペース:1~2年に 1 か所程度 親の高齢化により、家庭での支援力が低下 親元以外での生活経験がない方が多く、生活の変化に対応できない
(宿泊型訓練の必要性)
知的障害のある方は「体験を通じた学び」が重要
家庭での支援が可能な時期に宿泊訓練を行うことで
・本人の生活スキル向上 ・家族の心理的準備 ・将来的な負担軽減につながる
(提案内容)
宿泊型自立訓練施設の設置(2年間程度)
・生活スキルの習得 ・暮らしの具体的なイメージ形成 ・多様な住まいの選択肢の拡大(既存型グループホーム・アパート型・親の遺した家での生活継続・一人暮らしなど)
(利用対象)
一般就労者だけでなく、 就労継続支援 B 型事業所利用者・生活介護事業所利用者も対象に
↓
都外施設への入所を余儀なくされていた重度障害者も 地域での生活継続が可能に
(課題)
運営事業所(人材)、物件(用地※)の確保
※用地案:東京都目黒区清水池教職員住宅跡地、鷹番小学校の建替時に校内に移転する近隣 の区有施設跡地(鷹番住区センター・鷹番学童保育クラブ)
(参考) 宿泊型自立訓練
障害者につき、居室その他の設備を利用させるとともに、家事等の日常生活能力を向上さ せるための支援、生活等に関する相談及び助言その他の必要な支援を行います。
【対象者】
自立訓練(生活訓練)の対象者のうち、日中、一般就労や障害福祉サービスを利用してい る者等であって、地域移行に向けて一定期間、居住の場を提供して帰宅後における生活能力 等の維持・向上のための訓練その他の支援が必要な障害者
(厚生労働省 web サイト 障害福祉サービスについて 障害福祉サービスの内容 より)
都内宿泊型自立訓練施設
●世田谷区立知的障害者生活寮松原けやき寮 世田谷区独自事業 知的障害者生活寮 運営主体(社福)せたがや樫の木会
https://www.kasinokikai.net/.../%E6%9D%BE%E5%8E%9F%E3%81...
〇(社福)東京都手をつなぐ育成会 大田通勤寮
https://ohta.ikuseikai-tky.or.jp/index.html
○(社福)東京都手をつなぐ育成会 豊島通勤寮
https://t-toshima.ikuseikai-tky.or.jp
6.その他( 国・都への要望)
(1)相談支援専門員への処遇改善加算適用に関する要望
令和6年度の報酬改定では相談支援専門員は処遇改善加算の対象外でしたが、次回の報酬改定では対象にしてください。
(2)放課後等デイサービスについて
1. 放デイ基本報酬と定員に関する要望
(現状の制度)
・放デイの基本報酬は定員によって変動 ・放デイの定員は多くが 10 名 ・一部事業所のみが 20 名定員で運営(例:目黒区では「びりぃぶ」のみ)
・20 名定員の事業所は基本報酬が低く設定されている
(制度上の課題)
・20 名定員の事業所は、10 名定員より基本報酬が低い※
・スタッフ配置基準が 10 名と 20 名で大きく変わらない・実際には 20 名定員で安全な支援を行うには基準以上のスタッフ配置が必要 ・報酬が低いため、人件費が圧迫され、昇給も困難 ・経営的に余裕がなく、事業継続が危ぶまれる状況
※10 名定員の事業所が定員を超えると減算対象になるが、20 名定員では定員超過 のリスクが少ない。そのため、制度上「報酬を抑えても問題ない」と見なされて いる可能性あり
(要望)
制度の見直しをお願いします:
・定員に応じた報酬体系の再設計(20 名定員でも適正な報酬を)・実態に合わせた柔軟なスタッフ配置と報酬の連動
2. 通所自立支援加算に関する要望
(加算の概要)
・令和 6 年度報酬改定で新設
・放課後等デイサービスにおいて、児童が自立して通所できるよう職員が付き添い 支援する場合に算定可能
・対象:学校・居宅等と事業所間の移動支援
・内容:危険察知、公共交通機関の利用、マナー、緊急時対応などの習得支援
(加算の意義)
・将来の自立に向けた重要な支援 ・実生活に直結するスキルの習得 ・保護者の不安軽減にもつながる ・地域で安心して暮らす力を育む
課題①:算定期間の制限
・支援開始から 90 日間が算定上限 ・習得には個人差があり、90 日では不十分なケースが多い ・なぜ 90 日なのか、根拠が不明 ・支援の継続性が途切れる懸念
課題②:交通費の負担
・同行職員の交通費は事業所負担 ・利用者に請求不可 ・加算額を上回る交通費が発生することも ・結果的に事業所の赤字負担となるケースが多い
(要望) 制度の改善をお願いします:
・算定期間の延長(例:個別状況に応じた柔軟な設定) ・交通費補助の導入、または加算額の見直し ・実態に即した制度設計で、継続的な支援を可能に
【都への要望】
(1) 愛の手帳 3・4 度の方への医療費助成に関する要望
(現状の課題)
・愛の手帳 3・4 度(中軽度)の方は医療費助成の対象外 ・収入が障害基礎年金と工賃のみの方も多く、生活に余裕がない
・医療費の自己負担が重く、受診控えや治療中断につながる恐れ
(中軽度の方の実情 )
・継続的な医療支援が必要な方が多い ・都平均工賃実績平均 16,320 円(令和 4 年度末) ・障害基礎年金(2 級)831,700 円(69,308 円/月)
・一般企業就労者の大半が非正規雇用 ・医療費の負担が生活を圧迫
(要望)
必要な医療を安心して受けられるよう、収入が一定基準以下の愛の手帳 3・4 度の方への 医療費助成をお願いします。
(2)目黒区内への都立特別支援学校(知的・小中高普通科)設置要望
(現状と課題)
・児童・生徒の増加による特別支援学校の過密化 ・区内には都立の特別支援学校が未設置 ・通学の負担が大きい
・教育と福祉の連携が取りづらい ・区立学校の小中学生は支援学校の児童生徒と交流機会がほとんどない ・学校間交流(区立学校と支援学校)が皆無
(効果)
・地域福祉・ (特別支援)教育の質向上につながる ・地域とのつながりや将来の地域での自立生活にも効果的 ・障害者がより身近になることで、
・将来の福祉人材の増加の可能性 ‐災害時の共助がスムーズに
(要望)
目黒区内へ都立特別支援学校(知的・小中高普通科)を設置してください。