<これまでの活動記録>

完成した新住居を視察する山本(博)氏(左)ら
 公明党の山本博司参院議員と竹内俊彦・高松市議は5日、香川県高松市庵治町の大島にあるハンセン病国立療養所「大島青松園」を訪問した。同園では現在、入居者らが要望してきた新たな居住地の整備工事が着々と進行。自治会の森和男会長や、盲人会の磯野常二会長から、同園の整備に尽力してきた山本氏に対する感謝と喜びの声が寄せられた。

 大島青松園は、1909年に国立のハンセン病療養所として設立され、今年で100周年。現在の入居者119人の平均年齢は79・5歳。国立療養所は全国的な入居者減少に伴う職員や医師の定数削減で施設維持が課題になっている。

 しかし、同園では、2004年に発生した高潮被害で多くの住居が浸水した問題もあり、将来的に存続させるため新たな居住地の整備計画の実施を国に対して要請していた。

 ところが、山の斜面を切り崩し平地化するだけで約1億円もの多額な費用が掛かることなどから、管轄の厚生労働省は難色を示した。そこで森会長らは、08年3月に同園を訪問した山本氏に対し、「入居者の多くがここで生涯を終えたいと思っている。ぜひとも安心して暮らせる環境整備をお願いしたい」と要望していた。

 このような現場の切実な声を聞いた山本氏は、翌4月に開催された党のハンセン病対策検討プロジェクトチームと全国療養所入居者協議会との意見交換会に出席。また、同年12月の参院厚生労働委員会では、同園の窮状を伝えるとともに「居住者が平穏な生活を送れるようバックアップを」と要望するなど、療養所の存続に向け粘り強く尽力してきた。

 その結果、昨年12月より第4期にわたる整備工事がスタート。第1期工事として新住居棟(夫婦寮5室、独身寮4室)の第1号が完成。今後は新住居棟の増設とともに、緊急搬送用のヘリポートも整備され、2012年度中にすべての整備工事が完了する予定。

 新住居を視察した山本氏らに対し、森会長は、「まるでホテルかマンションのようにきれいになった。本当にうれしい」と感謝するとともに、今後の課題として、「職員数削減による医療や介護の低下が不安。今の水準を維持してほしいのが入居者の一番の願いだ」と要望。これに対し、山本氏は、「国、県、市と連携してしっかりと取り組みたい」と答えた。

 (2009年10月23日付 公明新聞より転載)