離島の定住促進へ/防災・子育て支援充実/記者会見で山口代表

(公明が離島振興ビジョンを発表)離島の定住促進へ/防災・子育て支援充実/記者会見で山口代表

■奄振法、小笠原法の期限延長

 公明党の山口那津男代表は4日、国会内で記者会見し、党離島振興対策本部(本部長=山本博司参院議員)が取りまとめた「離島振興ビジョン2023」を発表した。2024年3月末で期限切れとなる奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)と小笠原諸島振興開発特別措置法(小笠原法)の5年間延長などが柱。党対策本部の山本本部長、吉田宣弘事務局長(衆院議員)が同席した。

 ビジョンでは、奄振法と小笠原法について、住民の定住や産業振興の法的基盤として重要な役割を果たしてきたとした上で、法改正により、必要な支援策のさらなる強化・継続、予算確保を求めている。

 奄振法については、奄美群島の島民が生活圏域として沖縄県の医療機関や商業施設などを利用している実態を踏まえ、沖縄との連携強化を法律に盛り込むよう提唱。両地域間の人流・物流の活性化に向け、航路・航空路での運賃軽減、農林水産物の輸送コスト支援、観光客の誘致などを進めるため、「奄美群島振興交付金」の活用を訴えている。

 加えて、空き家を移住希望者向け住宅に活用するなど移住・定住対策の積極的な展開を要請。小規模保育やグループホームの整備など子育て、福祉施策の充実も促している。

 一方、小笠原法については、本土と小笠原間を結ぶ航空路の開設に向けた取り組みの着実な実施を掲げた。また、自然災害に備えた港湾など重要インフラ整備をはじめとした防災対策や、老朽化した公共施設の更新、簡易水道の整備を要望。

 このほか、スクールソーシャルワーカーの常駐など子育て支援の充実も求めている。

 山口代表は、奄美群島や小笠原諸島への今後の支援のあり方について、党離島振興対策本部が5月に奄美群島を訪問したり、小笠原の村長らから声を聴いたりするなど「各地を巡り、関係者にヒアリングを重ねて調査を続けてきた」と強調。その上で、今後、党として政府に申し入れを行う方針を示した。

2023年07月05日 公明新聞 1面