21日、文部科学省事業「共に学び、生きる共生社会コンファレンス」に参加。障がい者の生涯学習を支援する取組みや支援機器等に関する情報が展示されている「情報拠点ブース」を見学。

VRゴーグルを装着。自閉症の子どもが見える世界を体験する「自閉症VR体験」を体感しました。

香川大学 教育学部 特別支援教育教授 の坂井 聡先生が担当です。坂井先生は,自閉症スペクトラムなどの発達障害や、知的障害がある人のコミュ ニケーションや支援技術に関する研究をされています。障がいのある学生を支援する窓口として香川大学には「バリアフリー支援室」が設置されており、坂井先生はバリアフリー支援室長も務められ、特別支援教育──とりわけ障がい児の教育方法や障がい児のコミュニケーション指導をご専門とされています。また香川大学教育学部附属幼稚園 園長や香川大学教育学部附属坂出小学校 校長も兼任されています。

VRゴーグルを装着して体験したのは、自閉症の少年の日常風景です。母親に連れられてショッピングモールにやって来た少年……。しかし母親が用事を済ませるのを待つ最中、突然パニックに陥ってしまいます。何故かというと。

それは少年が“感覚過敏”を引き起こしたから。自閉症とは先天的原因により「対人関係の特異性」「コミュニケーションの質的障がい」「イマジネーションの質的障がい」等の特徴があらわれる障がいとして知られていますが、加えて視覚・聴覚などの感覚が人よりも過敏になることがあります。すなわちVRのなかの少年は、モールのなかに響く誰かの足音、物を落とす音、さらには照明の光……等々の刺激をとても耐え難い「強い光」「大きな音」だと感じてしまっているのです。

「自閉症VR体験」により、自閉症の理解が大きく進みます。教師や社会の方々に自閉症の理解促進へ、こうした体験を研修などで活用促進に応援したいと思います。大変貴重な体験を積む共生社会コンファレンスとなりました。

ありがとうございました。

【坂井先生プロフィール】

香川大学教育学部卒。金沢大学大学院教育学研究科修了。香川県内の特別支援学校等にて教鞭をとったのち、2005年香川大学教育学部助教授、2013年同教授に就任。2016年より香川大学バリアフリー支援室室長兼任。本年4月より、香川大学教育学部付属坂出小学校校長、同付属幼稚園園長に就任。1997年自閉症のコミュニケーション指導で辻村奨励賞受賞。2017年、2018年、インクルーシブ教育充実のためのICT活用プロジェクトでIAUD国際デザイン賞金賞2年連続受賞。主な著書に『自閉症や知的障害をもつ人とのコミュニケーションのための10のアイデア』など。言語聴覚士、公認心理師、自閉症スペクトラム支援士エキスパート。特別支援教育士SV。

坂井先生と

自閉症VR体験1

自閉症VR体験2

自閉症VR体験