国対役員会の後、国会会期末の委員会が開催された。

厚労委員会では請願の採択が行なわれ、請願のあった難病の「膵嚢胞線維症の治療環境を実現することに関する請願」が採択をされた。


科学技術委員会(山口代表を中心に多くの議員も参加)


その後、災害対策特別委員会・両議院団会議と続く。午後からは農水部会・科学技術委員会で、事業仕分けについて関係者からヒアリングを受ける。


渡辺教授・野依博士・小谷教授(左から)


事業仕分けで凍結・削減となった科学技術関連予算について、ノーベル賞受賞者の野依良治理化学研究所理事長から「科学技術は我が国の生命線」から説明があり、意見交換を進めた。


野依博士


『主要国の科学技術関係予算の推移は2000年を100とした場合、日本は109に対して、中国は436と4倍、韓国は289、EU-15は213。今までも厳しいのにさらに平成22年度が大幅減額された。
また米国における科学技術分野の博士号取得者の国籍は中国は4280名、韓国も1219名。しかし日本は222名と一番少ない。科学技術は国力の源泉で、政府投資の拡充は不可欠。』とデータを基に分析。
また『無駄なく事業を進める事は当然だが、コストと将来の投資は区別すべき。資源なき我が国において、世界水準から抜きん出た科学技術の開発なくして未来はない。日本の競争力の維持・強化にむけて、長期的展望にたつ一貫した国家戦略が必要』と訴えられた。


野依博士から貴重な提言を伺う


その後、東北大学大学院数学専攻の小谷元子教授から「飛躍的発展を支える多様な土壌 若手・女性・国際化支援に係って」東北大学渡辺教授からは「科学技術予算が日本の未来を作る」と題し、事業仕分けの予算縮減の影響と提言を伺う。


小谷元子教授


小谷・渡辺両教授は今回の事業仕分けの縮減について
『1.若手研究育成(特別研究員)(縮減9) 2.女性研究者支援システム改革(縮減)
 3.運営交付金の見直し 4.大学の先端的取組み支援の縮減
 5.大学奨学金の見直し』が大変な状況になる事を指摘された。

小谷教授からは『教育は次世代の財産。研究は予測可能な問題に対応できる知恵の集積』として国の支援の必要性を話された。

愛媛出身の渡辺教授は『ムダと言うこと、費用対効果等という言葉が、教育、科学技術ということに当てはまる事なのか』と事業仕分けを批判。『ボトムアップという研究者のコンセプトを保障することが未来を作る』と主張される。

中身の濃い1時間30分。最後に山口代表が挨拶。「事業仕分けの凍結や縮減を断じて許さず、科学技術関連予算に関して拡充する」決意を述べる。