参議院 消費者問題に関する特別委員会 第6号

○委員長(山本博司君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四月十一日、大野元裕君が委員を辞任され、その補欠として水戸将史君が選任されました。
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○委員長(山本博司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、政府参考人として、理事会協議のとおり、消費者庁次長松田敏明君外一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本博司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山本博司君) 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次発言願います。
○委員長(山本博司君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、森田高君が委員を辞任され、その補欠として浜田和幸君が選任をされました。
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○委員長(山本博司君) 他に発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について二之湯君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。二之湯智君。
○二之湯智君 私は、ただいま議題となっております特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会及び公明党を代表して、修正の動議を提出いたします。
 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
 まず、その趣旨について御説明申し上げます。
 近年、訪問購入に係る取引による消費者被害が急増しており、その被害を未然に防止するために本法律案は提出されました。速やかに法制上の措置が必要との認識は共有するところでありますが、被害の実態を踏まえますと、消費者にとってより実効性の高い措置を講ずる必要があり、本修正案を提出するものであります。
 修正案の内容の概要は、次のとおりであります。
 第一に、政令で定める指定物品に限定されております訪問購入の規制の対象となる物品につきまして、原則として、全ての物品を対象とすることといたしております。
 第二に、購入業者は、訪問購入に係る売買契約の締結についての勧誘の要請をしていない者に対し、営業所等以外の場所において、当該売買契約の締結について勧誘をし、又は勧誘を受ける意思の有無を確認してはならないこととするとともに、購入業者は、訪問購入をしようとするときは、その勧誘に先立って、その相手方に対し、勧誘を受ける意思があることを確認しないで勧誘をしてはならないこととする、いわゆる不招請勧誘の禁止等に関する規定を新設することといたしております。
 第三に、購入業者は、売買契約の相手方から物品の引渡しを受けた後、第三者に当該物品を引き渡したときは、いわゆるクーリングオフ期間を経過した場合を除き、その旨及びその引渡しに関する事項を、遅滞なく、その売買契約の相手方に対し通知しなければならないことといたしております。
 第四に、購入業者は、売買契約の相手方から物品の引渡しを受けた後、クーリングオフ期間中に第三者に当該物品を引き渡すときは、当該物品に係る売買契約に関し、クーリングオフをされることがある等の旨を、その第三者に対し通知しなければならないことといたしております。
 第五に、附則において、政府は、訪問購入に係る売買契約の申込者等がクーリングオフをした場合において、当該申込者等が物品の占有を確実に回復し又は保持することができるようにするための制度について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする規定を新設するとともに、施行後五年を経過した場合とされております見直しの時期を、三年とすることといたしております。
 以上が修正案の趣旨及び内容の概要であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(山本博司君) これより原案及び修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、二之湯君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山本博司君) 全会一致と認めます。よって、二之湯君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山本博司君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 この際、末松君から発言を求められておりますので、これを許します。末松信介君。
○末松信介君 私は、ただいま可決されました特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一、本改正の趣旨及び内容について、消費者及び事業者等に対し十分な周知徹底を図ること。特に、訪問購入に係るトラブルの相談件数の多い高齢者に対し、分かりやすいガイドラインの作成、説明会の実施等周知、啓発活動を行い、消費者被害の未然防止に万全を期すこと。
 二、本改正の実効性を確保するため、必要な体制の整備を行うとともに、不招請勧誘の禁止及び物品の引渡しの拒絶等の規定の内容を通達等により明確化すること。また、関係省庁、地方自治体、警察及び消費者団体等の一層の連携強化を図り、購入業者に対する業務の是正又は改善の指示等の措置を厳正かつ機動的に講ずること。
 三、消費者被害の未然防止のためには住民に身近な地方消費者行政の充実が必要であることに鑑み、都道府県における本法の執行体制の強化を始めとした地方消費者行政に対する国の支援を早急に講ずること。また、本法に基づく差止請求訴訟を担う適格消費者団体への支援についても適切な措置を講ずること。
 四、訪問購入に係る規制の対象とならない物品及び不招請勧誘の禁止の規定の適用除外となる取引の態様を政令で定めるに当たっては、規制の隙間が生じないようにするとともに、消費者委員会の意見を十分に尊重すること。また、本法の施行状況を十分に踏まえ、適宜適切な見直しを行うこと。
 五、訪問購入に係るトラブルの相談件数のうち、電話勧誘によるものが一定割合を占める状況に鑑み、本法の施行状況の検討と併せて、訪問購入に係る不招請の電話勧誘を禁止することの要否について検討を行い、必要な措置を講ずること。
 六、商品、役務及び取引形態等の多様化及び複雑化に伴い、今後も規制の隙間を狙う新しい商法による消費者被害が発生するおそれがあることを踏まえ、消費者被害の未然防止のための制度全般にわたり、点検及び必要な見直しを行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(山本博司君) ただいま末松君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山本博司君) 全会一致と認めます。よって、末松君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、松原内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。松原内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(松原仁君) ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと思います。
○委員長(山本博司君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本博司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山本博司君) 次に、消費者教育の推進に関する法律案及び消費者基本法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案について、発議者島尻安伊子さんから趣旨説明を聴取いたします。島尻安伊子さん。
○委員以外の議員(島尻安伊子君) ただいま議題となりました消費者教育の推進に関する法律案及び消費者基本法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 まず、消費者教育の推進に関する法律案について御説明申し上げます。
 消費者基本法第七条第一項において、消費者には、消費生活に関する必要な知識の修得や必要な情報の収集等自主的かつ合理的に行動することが求められておりますが、こうした消費者の自立を支援するとともに、消費者被害の予防に資する有効な取組であるのが消費者教育です。
 同じく、消費者基本法第十七条には、国の講ずべき施策の一つとして消費者教育の充実が明記されておりますが、学校教育では十分な授業時間が確保できておらず、また、高齢者を始めとする成人を対象とした社会教育についても効果的な取組がなされていないことなどがこれまでにも指摘されてきたところであります。
 消費者教育につきましては、平成二十一年の消費者庁設置関連三法案の国会審議においても議論がなされており、衆議院では、消費者安全法に定める国及び地方公共団体の責務に消費生活に関する教育活動を追加する等の修正が行われました。
 参議院では、当委員会において、消費者教育について参考人質疑を行ったほか、消費者庁設置関連三法案に対する附帯決議において、消費者庁が消費者教育推進の司令塔機能を果たすことや、消費者教育に関する法制の整備について検討を行うこと等を明記いたしました。
 なお、消費者教育に関する法制の整備については、平成二十二年三月に閣議決定された消費者基本計画にも盛り込まれております。
 また、東日本大震災の際に、消費者による食料品やガソリンなどの買い急ぎや買いだめが行われ、主に首都圏において生活関連物資が品薄状態となる事態が発生したことは記憶に新しいところです。
 こうした非常時に、消費者が必要な情報を得て、自主的かつ合理的に行動するためにも、消費者教育を充実させることは急務の課題であると言えます。
 消費者教育の推進に関する法律案は、ただいま申し上げました経緯、また、消費者教育が、消費者と事業者との間の情報の質、量及び交渉力の格差等に起因する消費者被害を防止するとともに、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるようその自立を支援する上で重要であることに鑑み、消費者教育の機会が提供されることが消費者の権利であることを踏まえ、消費者教育を総合的かつ一体的に推進するために必要な事項を定めようとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、消費者教育及び消費者市民社会について定義することとしております。
 第二に、消費者教育について七つの基本理念を定めることとしております。
 第三に、消費者教育の推進のための国及び地方公共団体の責務並びに消費者団体、事業者及び事業者団体の努力について定めることとしております。また、政府に対し必要な財政上の措置等を講ずることを義務付けるとともに、地方公共団体は必要な財政上の措置等を講ずるよう努めなければならないこととしております。
 第四に、政府は消費者教育の推進に関する基本的な方針を閣議決定すること、また、地方公共団体は、この基本方針を踏まえ、消費者教育推進計画を定めるよう努めなければならないこととしております。
 第五に、学校、大学等、地域における消費者教育の推進及び事業者等による消費者教育の支援等について定めることとしております。
 第六に、消費者庁の審議会等として、消費者、事業者及び教育関係者、消費者団体、事業者団体その他の関係団体の代表者、学識経験者並びに関係行政機関等の職員で組織する消費者教育推進会議を置くとともに、地方公共団体は消費者教育推進地域協議会を組織するよう努めなければならないこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 また、附則において、法施行後五年を目途として、この法律の施行状況について検討を加え、必要があると認めるときは見直しを行うこととしております。
 次に、消費者基本法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 本法律案は、政府から国会に対し、毎年、政府が講じた消費者政策の実施の状況を報告しなければならないことを定めようとするものであり、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が両法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(山本博司君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○松田公太君 松田公太です。
 みんなの党を代表しまして、消費者教育の推進に関する法律案に反対の討論を行わせていただきます。
 なお、もう一方の消費者基本法の一部を改正する法律案には賛成の立場であることをあらかじめ申し上げたいと思います。
 私どもは、消費者教育の重要性それ自体を否定するものではありません。しかし、今回の法案は、みんなの党として掲げる理念の一つ、地方のことは地方で、つまり地域主権型道州制の考え方と相入れないものでございます。
 我々は、教育における国の役割は最低限の設定にとどめ、各地域の実情に合わせた教育を行ってもらいたいと思っております。それが個性的な人材の育成と活性化につながると信じているからです。
 例えば、一律に英語教育や金融教育の増加を主張する見識者や政治家も少なくはありませんが、それも地域によって必要性が違うと思っております。国際都市を目指すエリアであればその優先順位は高いかもしれませんが、地方であれば、わざわざほかの授業を削ってまで英語の授業を増やす必要性がないかもしれません。若しくは、アジアに近い九州では、英語よりも中国語の時間を増やし、アジアの拠点づくりを進めたいと思っているかもしれません。
 消費者教育でも同様だと思うのです。ところが、今回の法案は、地域主導よりも中央集権的な発想を増幅させるものだと私どもは感じております。
 もう一つの反対の理由は、教育現場の問題です。
 このように一方的に次から次へと学校の負担を増やすようなやり方は見直さなくてはいけません。現場にだけ大きなしわ寄せを強いているのが現状なのです。もう既に、報告書やレポート作業だけで身動きが取れないという意見が数多く聞かれます。
 単純にカリキュラムを増やせばよい的な発想には問題があります。学校でこの消費者教育を行っていくのであれば、国語なのか算数なのか理科なのか社会なのか、何かしら減らさなくてはいけないでしょう。しかし、そのような基礎教育を減らすことは更に学力低下を招くことにもなりかねないため、難しいのが現状です。やはり、今このような内容を国として一律に押し付けるのは控えるべきだと思っております。
 以上、私の反対討論とさせていただきました。
 ありがとうございます。
○委員長(山本博司君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、消費者教育の推進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山本博司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、消費者基本法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(山本博司君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本博司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(山本博司君) 次に、消費者問題に関しての総合的な対策樹立に関する調査を議題とし、消費者安全法第十三条第四項の規定に基づく消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。松原内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(松原仁君) 第百八十回国会消費者安全法第十三条第四項の規定に基づく消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告。
 消費者安全法第十三条第四項に基づき平成二十四年六月に国会に提出しました消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめの結果報告につきまして、御説明申し上げます。
 消費者安全法では、消費者の安全の確保に資するよう、消費者事故等に関する情報を消費者庁において一元的に集約し、分析し、その結果を取りまとめることとされております。
 今回の報告は第五回目となり、平成二十三年十月一日から平成二十四年三月三十一日までに消費者庁に通知された情報等を取りまとめたものです。
 第一に、法第十二条第一項に基づいて通知された重大事故等は七百七十件です。このうち、事故内容では火災事故が最も多く五百九十七件であります。
 第二に、法第十二条第二項に基づいて通知された消費者事故等は六千三百六十七件であります。
 消費者庁においては、これらの通知された情報等を基に様々な措置を行っております。通知された重大事故等を定期的に公表するとともに、消費者安全法第十五条第一項に基づき消費者への注意喚起を行っています。また、特定商取引法や景品表示法に基づく行政処分、消費者事故等の防止に係る関係機関等に対しての対応の要求等を行っています。
 なお、報告書中の参考資料のうち、管理番号等の一部に誤記がありました。本来あってはならないことで誠に恐縮でございますが、正誤で対応させていただきたく、よろしくお願い申し上げます。
 以上が第五回の本報告の概要でございますが、消費者庁として各機関と協力関係を一層強化し、より適切な注意喚起や着実な法執行を進めてまいります。また、消費者被害の発生又は拡大の一層の防止を図るため、生命又は身体の被害に係る消費者事故等に関する事故調査機関を設置し必要な権限等について定めるとともに、重大な財産被害を生じさせた事業者に対する措置等を定めることを内容とする消費者安全法の一部を改正する法律案を今国会に提出しております。
 今後とも、消費者安全法の目的である消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に取り組んでまいる所存です。
 以上です。
○委員長(山本博司君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十八分散会