参議院 本会議 第17号

○山本博司君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、消費者問題に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案は、相手方を訪問して物品を購入する取引に伴う被害が増加している状況に鑑み、その取引を公正なものとし、取引の相手方の利益の保護を図るため、物品の訪問購入を行う購入業者について、不当な勧誘行為の禁止等の規制を設けるとともに、取引の相手方による契約の申込みの撤回を認める等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、訪問購入の規制対象物品の範囲、本法律案による消費者被害の未然防止の効果、訪問購入の規制内容の周知徹底等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了した後、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会及び公明党を代表して二之湯理事より、訪問購入の規制対象物品の非限定化、勧誘の要請をしていない者に対する勧誘の禁止、購入業者から第三者への物品の引渡しについての売買契約の相手方に対する通知等を内容とする修正案が提出されました。
 採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、本法律案は修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し六項目から成る附帯決議を行いました。
 次に、消費者教育の推進に関する法律案は、消費者教育が、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差等に起因する消費者被害を防止するとともに、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるようその自立を支援する上で重要であることに鑑み、消費者教育の機会が提供されることが消費者の権利であることを踏まえ、消費者教育を総合的かつ一体的に推進し、もって国民の消費生活の安定及び向上に寄与するため、消費者教育の推進に関し必要な事項を定めようとするものであります。
 次に、消費者基本法の一部を改正する法律案は、政府から国会に対し、毎年、政府が講じた消費者政策の実施の状況を報告しなければならないことを定めようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、発議者島尻安伊子君より趣旨説明を聴取した後、討論に入りましたところ、みんなの党を代表して松田委員より消費者教育の推進に関する法律案に反対の旨の意見が述べられました。
 次いで、順次採決の結果、消費者教育の推進に関する法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定し、消費者基本法の一部を改正する法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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