30日夕方 江東区新木場にある東京メトロ総合研修訓練センターへ。視覚障がい者の歩行誘導サービス「shikAIプロジェクト」の実地の実証実験を視察しました。

駅ホームでの痛ましい転落事故が報道されていますが、全国31万人の視覚障がい者への支援の為のサービスのプロジェクトです。
「shikAIプロジェクト」を推進しているプログレス・テクノロジー(株)小西祐一社長の案内で実施。

小西社長とは2017年12月に国会事務所でお会いしプロジェクトの説明を伺い、今回の視察になりました。(その時のブログ)

「駅ホーム等での安心・安全の実現へ!」視覚障がい者の歩行支援の実証事業「shikAI プロジェクト」(東京都)

国会事務所に(株)徳島データーサービス 濱尾 重忠社長の紹介でプログレス・テクノロジーズ(株)代表取締役会長 小西 祐一氏が来訪。濱尾社長も徳島から上京。(20日…

国立大学法人 筑波技術大学 坂尻正次教授(工学博士)や東京地下鉄(株)小坂取締役らも同席。実施者は筑波大学の学生松尾さん(「全盲」らの協力です。

東京メトロ総合研修「訓練センターは、実際の列車が走行する駅やトンネル・指令所など現場を再現した設備を活用した研修訓練センターで、今回が7回目の実証実験でした。

1. QRコードを使ったナビゲーションシステム
・地点Aから地点Bへの移動を支援

今回は電車から降りたホームからスタート。階段を上り、改札口を通り出口までの移動です。
階段では、ORコードの情報で「左側の手すりに沿って階段を上がってください。」さらに「直進3メートル」「右折、メートル前進」など音声でナビします。
改札の通過後は、「点字ヴロックの左にそって、直進2メートル進む」・・・「出口に到着しました」などナビゲーションで目的地に無事移動。

当初は「ビーコン」と呼ばれる機器(特殊な音波を発してユーザーの位置情報を検出する)を駅に配置するシステムでスタートしましたが、コスト面や信頼性の精度からQRコードによる方法に替えたそうです。精度も高く、コスト面でもかからない為、現実味が一段と高まった実証実験でした。

2. マシンビジョンによるサーチ機能のテスト(物体認識と距離情報を取得するシステム)
AIを使い駅構内の主要な構造物ランドマーク(改札、階段、エレベーター、エスカレータ、券売機など)を見つける
(プラットフォームの端の発見とその対象物までの距離情報取得を支援する)

開発者のNIKOLAS氏・アィン氏から説明を受け、松尾さんがスマートフォンとウエアブルデバイス(メガネにカメラ(環境撮影)・骨伝道(音声による情報伝達)の機器装着)
を活用し実施。約40万枚画像を記憶させAIを使いエレベーター、改札など検知認識します。これも今後活用できると体感しました。

3. パーソナルアシスタントによる遠隔ガイド
・移動中に困難が生じた場合を想定し、システムやAIではなく人間が遠隔ガイドにより誘導する。
無人駅、人口減少による補助者の減少などに対応。
   
地方の無人駅など遠隔ガイドでの誘導は今後大きく期待されるサービスになると思います。

今回の実証実験では、具体的に実行可能なレベルまで達している事を痛感。今後国交省、総務省などと連携しながら前へ進めてまいります。
今国会でバリアフリー法改正が審議されますが、本日の実証実験のようなソフト面での支援についても今後取組んでまいります。本日は大変にありがとうございました。
関係者の皆さまに感謝いたします。