15日午後、東京都世田谷区にある国立成育医療研究センターにて「もみじの家」竣工記念式典に出席し、来賓としてお祝いの挨拶をいたしました。

国立成育医療センターは小児・周産期医療を担うわが国最大の医療研究センターで日本全体の小児総合医療施設のまとめ役(ナショナルセンター)です。医療的ケアを必要とする、子どもと家族が過ごせる家「もみじの家」が完成し、オープンとなりました。素晴らしい事です。

在宅の常時医療ケアが必要な子どもの数は、全国で約20万人を超え、常時医療的ケアが必要な重症の子どもは全国で約2万5175人(平成25年文科省調査)とされています。内、人工呼吸器使用者数は1270人。子どもとその家族の負担は24時間365日続き、地域の中で孤立してしまう事も少なくありません。助かる“いのち”が増えた一方で、最先端の医療をもってしても救えない“いのち”があります。家族と共に過ごしたい、様々な経験を重ねて自分らしく過ごしたいーそういう願いも叶えられないまま、最後の日々を病院で過ごす子どもをいます。

たとえ病気による制約がどれだけあろうとも、重い病気を持つ子どもには、遊んだり学んだりできる“子どもらしいひととき”が、家族には“くつろぎと休息のひととき”が求められています。国立成育医療研究センターは、重い病気を抱え自宅でケアを受けている子どもと家族が、穏やかなひとときを過ごすことのできる施設「もみじの家」を運営するプロジェクトを立ち上げ、本日「もみじの家」をオープンする事となりました。

式典では、五十嵐理事長の式辞の後、来賓挨拶。「もみじの家」の寄付等に尽力された日英赤十字ヴォランチアー喜谷昌代氏・日本財団 尾形理事長らと共に挨拶。

式典の後、「もみじの家」の内覧会。多くの方々と交流を深める事となりました。

【施設・設備の概要】

鉄筋2階建て、延べ面積約1700㎡。 (施設整備経費 約7億8800万円は全額寄付)
1階は居室11床及びリビング・ダイニングスペース。(難病の子どもの医療的ケア、終末期の子どもや余命の短い新生児と家族の支援の場です。)
2階はプレイルーム、学習室、多目的室、談話室。(子どもの豊かな学びや遊びの場、家族支援・地域支援の場)

【支援サービス】

・支援サービスは子どもの定員11人程度(3人部屋2室及び個室5室)の独立した施設(家)を整備し、24時間の医療ケアと子どものニーズに応じた様々な遊びや活動、交流の機会を通して、子どもの成長や発達を支援。

・1人の子どもあたり1回6泊7日以内、年間20日間程度までの利用を想定。

*サービスを受ける登録者がすでに75人を超えているそうです。

【スタッフ等】

・多様な職種スタッフを配置し、センターの病院・研究所及び他機関などと連携を図る。
看護師(15名)・介護福祉士・医師・保育士教育の専門家・リハビリテーション専門家・ソーシャルワーカー・遊びや料理の専門家、子どもの日中活動支援者、各分野の学生等に実習生の受け入れなど 合計24名(オープン時) ほかボランティア
「もみじの家」の事業が重い病気を持つ子どもと家族に対する新たな支援モデルを研究開発し、公的支援制度の提言も含め、新しい支援の仕組みが全国に広められるように見守り、支援してまいります。