3期18年福祉に尽力 公明・山本博司(八幡浜出身)政界引退/愛媛新聞
3期18年福祉に尽力 公明・山本博司(八幡浜出身)政界引退
厚生労働副大臣や公明党参議院国会対策委員長を歴任した。山本博司氏(70歳 八幡浜出身)が7月に参議院議員の任期満了を迎えて政界を引退した。
福祉や離島振興、愛媛県のインフラ整備といった3期18年にわたる活動の成果や、今後の党や政治の思いを聞いた。
-政治活動の成果は
党内で中四国を担当し、現場第一主義、人間主義を信条に歩んできた。障害のある娘の存在もあって、障害福祉分野に注力。
18年で数千の施設を訪ねて制度のはざまで支援を受けられない人々の声を国会に届け、超党派の議員連盟をつくって、障害者基本法、障害者差別解消法など29本の法整備に関わった。支援や予算が大きく拡充された。
離島振興など地方創生にも力を注いだ。18年で115の島を巡り、急速に進む人口減少や少子高齢化に向き合い、IBMでの勤務経験を生かして、遠隔医療やドローン活用など政策を進め、地方全体への波及を目指した。
愛媛のインフラ整備の遅れを是正すべく、国との橋渡し役を務め、高速道路の未整備間の解消を知事や市長とともに国土交通大臣へ訴えた。
西日本豪雨では、被災中小企業を支援する「グループ補助金」の改善を働きかけて実現できた。
2020年に厚労副大臣に就任し、翌年にはワクチン接種担当副大臣を兼務した。
本当に大変だったが、1日100万回接種体制を構築できた。併せてヤングケアラーの課題にどうしても取り組みたかったので、政府内にプロジェクトチームを設置し、社会的認知とチェーン拡大につなげた。
-今の政治をどう捉えているか
2007年に初当選した際は、参議院で与党が少数となり、いわゆる「ねじれ国会」の始まり。2009年に政権交代があり3年3ヶ月の野党生活を経験した。
2012年に与党に戻り、そして今は衆参両院で少数与党。こうした経験を通じて痛感するのは政治の安定の大切さだ。不安定だと大胆な改革や長期的取り組みや難しい。公明は、参院選の結果を真摯に受け止め変わらないといけない。
福祉教育、平和とい党原点「大衆とともに」という精神に立ち返り、自民党との関係がこのままでいいのかどうかも含めて議論する必要がある。
-今後の予定は
任期中は1日も休まず活動した。まずは家族との時間を大切にしたい。
福祉や離島・過疎振興に関わり恩返しを続けたい。
愛媛新聞 2025年8月5日 掲載