参議院 総務委員会 第7号 令和3年3月25日

○吉田忠智君 官房長が言われたように、検証委員会はもちろんそういう許認可の中身について詳しい方がおられるわけじゃありませんから、その第三者委員会の結果を踏まえて、また総務省の中で、あるいは外部の皆さんの意見も聞いて、このいわゆる許認可の在り方も含めてしっかり検討していかなければならない。この総務委員会においてもそれが大変重要な課題になると思っております。
 いずれにしても、検証委員会がしっかりその役割を果たせるように、しっかりした報告を出されて、二度とこのようなことが起きないように、再発防止につながるように、是非またしっかり総務省としても、大臣を先頭に情報提供しっかりして対応していただきたいと思います。
 もうこればかりやっているわけにいきませんので、次に参ります。
 次に、新型コロナウイルス対策について何点か質問いたします。
 この新型コロナウイルスの感染拡大、去年から感染拡大が進んでまいりまして、私が一貫してやっぱり疑問に思うのはPCR検査数の少なさですね。これは皆さんそう思われているんじゃないかと思います。
 数だけの問題じゃないと言われればそうかもしれませんけど、私が調べた資料でも、諸外国に比べて極めて少ない。OECD諸国三十六か国中三十五位。昨年、経済協力開発機構、OECDが加盟国三十六か国を対象にして人口千人当たり何人がPCR検査を受けたかを比較したグラフでは、日本の検査数は千人当たり僅か一・八人、下から二番目。メキシコの〇・四人に次ぐ少なさということになっています。
 OECDの報告書は、新型コロナウイルスの第二波の流行が発生するリスクを減らすため、感染者と接触した全ての人の七〇から九〇%を追跡し、検査で感染が確認されたら隔離する必要がある、これには大幅な検査の増加が必要になるだろう、新たなロックダウン、都市封鎖がもたらす影響と比べれば検査の大幅増加に伴う課題とコストの方がはるかに少ない、OECDも報告書で述べております。
 そこで、改めて厚生労働省に質問いたしますが、日本のPCR検査が諸外国に比べて検査の件数が少ないのではないか、まさに少ないんですね、私が申し上げた。検査数の推移をまずお答えいただいて、今後、変異株が増えていくということも想定されて心配されますけれども、厚生労働省として、このことをどう思い、またどのような状況か説明していただいて、今後この検査の充実に向けてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(山本博司君) ありがとうございます。
 今御指摘ございましたけれども、我が国と他国で感染状況等が異なることがございます。日本の感染状況とアメリカを見ますと約六十五倍の感染状況があるということからも、このPCR検査数の比較で一概に評価するということがなかなか難しいものと考えている次第でございます。
 その上で、新型コロナウイルスの検査につきましては、感染が疑われる方など検査が必要と判断される者がより迅速にスムーズに検査を受けられるようにするとともに、感染拡大を防止する必要がある場合には広く検査を受けられるようにすることが大変重要であると考えている次第でございます。
 こうした考えに基づきまして、補正予算、予備費等も活用しながら、保健所に加えて、検体採取のための機関として地域外来・検査センターへの業務の委託等に関する支援であるとか、また、地方衛生研究所に限らず、検査分析能力の拡充のために、民間検査機関や医療機関等にPCR検査機器等の設備の補助、こうしたことに取り組みまして検査体制の充実に努めている次第でございます。こうした取組の結果、我が国の一日当たりのPCR検査の検査能力、昨年の四月上旬では約一万件でございましたけれども、直近では十七万件を超えるほどになっている次第でございます。
 また、感染者が多数発生している地域等におきましては、無症状者も含めて、重症化リスクの高い方々のいる施設等に対しまして重点的な検査を実施することとしておりまして、医療、介護、こうした施設の従事者や、入院、入所者も対象にしながら、都道府県等が行政検査を実施するように、できるようにしている次第でございます。
 特に二月に緊急事態措置区域でございました十都府県に関しましては、高齢者施設の従事者等の検査の集中的実施計画を策定し、三月中までを目途に集中的に検査を実施していただくことになっている次第でございます。
 さらに、これらの都府県の歓楽街のある大都市はもとより、その他の自治体におきましても、地域の感染状況に応じて四月から六月にかけまして新たな集中的実施計画に基づく検査を実施することとしている次第でございまして、委員御指摘の部分を含めて、引き続き検査体制の充実を努めてまいりたいと思います。
○吉田忠智君 山本副大臣から説明していただくために厚生労働省から資料をいただきまして、今日、資料一で付けております。
 検査能力は確かに十七万人という答弁でございました。二月十八日から一週間ごとにずっと書いていまして、一週間ごとで一番多かったのが一月、今年の一月十八日から一月二十四日、四十八万六千九百五十六、一週間。一日当たりに直すと六万九千五百六十五と。それから、三月の一日から今度一日ごとにずっと数字が出ていまして、このトータルが一番多かったのが三月十八日、七万二千六百九と。一週間ごとに、前の二月二十八日まで一週間ごとですから、一日の、一番多かったのが幾らか分かりませんが、これで見る限りは七万二千六百九ということで。
 立憲民主・社民の厚生労働部会で、高齢者施設の施設長の方のヒアリングを行いました。ある県のですね、ある県、どこかと言うとちょっと差し障りがあるかもしれませんので。そこの施設長、そこの施設は、昨年クラスターが発生して死者が出たところでございます。それで、今PCR検査がちゃんとできているんですかといったら、やれていないと、そういう報告だったんですよ。
 だから、やっぱりそういうところを、もちろん一義的には責任は自治体にあるかも分かりません、県にあるかも分かりません。だけど、やっぱりそういうところをきちっとやらないと、安倍総理がかつて予算委員会の答弁で言いました、目詰まりがあるって。目詰まりがある、だからPCR検査がうまく進まない。
 もう発生から一年たって、しかし、この検査数の推移から見るとやっぱりまだまだ課題が多いんじゃないか、そのように考えておりますが、その点について、改めてもう一回、副大臣の見解、伺います。
○副大臣(山本博司君) 今委員から御指摘ございました、最大能力十七万件までPCR検査は拡充しておりますけれども、今御指摘があった高齢者、また医療の施設等でのクラスター等が発生しているということもございますので、先ほどお話がありましたとおり、そうした対象を拡大しながら行政検査を実施できるようにしているということもございます。
 また、先ほど、この緊急事態措置区域であった十府県に関しましてもしっかり計画をしながら今進めている状況でございますけれども、今後、委員御指摘のとおり、この検査体制の拡充も含めて取り組んでいく決意でございます。
○吉田忠智君 まあ数だけじゃありませんけれども、しっかり、特にリバウンドといいますか、また感染者が首都圏のみならず宮城なども大変増えておりますし、地方の都市においても大変増えている状況がありますから、やっぱりしっかり把握をしていく。厚生労働省の、あっ、政府か、政府の緊急事態宣言解除に当たっての方針も読ませていただきました。モニタリング検査もやっていくと、一万件、一日一万件やっていくと。一万件で私は足りないと思いますけれども。それから、疫学調査もしっかりやっていく、ゲノム分析もしっかりですね、検査の一層の充実、そしてそれが効果が上がるように是非取り組んでいただくようにお願いしたいと思います。
 次に、ワクチン接種について何点か質問をいたします。
 本会議の質問で、私、河野太郎大臣に質問しましたので、それを、河野太郎大臣の答弁を踏まえて何点か質問をさせていただきます。
 大臣は、政府としては、自治体の接種体制の構築に向けた準備を後押しするため、医療関係団体に対し接種体制の構築についての協力を依頼するとともに、都道府県医師会理事の会議において厚生労働省から定期的に説明を行うなど、医療関係団体との連携体制構築に努めておりますとの答弁でございました。
 医療関係団体との連携体制構築は具体的にどのように行っておられるか、そして目指すべき連携体制とはどのような姿か、答弁を求めます。
○副大臣(山本博司君) 内閣府副大臣として答弁させていただきたいと思います。
 今委員御指摘ございましたとおり、この接種を行う医療機関、また医療従事者の確保を含めまして、自治体が接種体制を構築するに当たりましては、地域の医師会等の医療関係団体の協力、大変重要になる次第でございます。
 政府としては、こうした医療関係団体に関しまして、接種体制の構築についての協力、これを依頼するとともに、都道府県の医師会理事の会議におきましては、厚労省から定期的に説明を行うことをさせていただいている次第でございますので、こうした医療関係団体との連携体制の構築に努めている次第でございます。
 先日も菅総理が日本医師会の中川医師会長と意見交換をさせていただきまして、菅総理からも中川会長に対しまして、ワクチン接種体制の整備の支援、これをお願いし、御協力をお約束いただいた次第でございます。やはり全国の都道府県のそれぞれのこの医師会の協力が大変大事でございますので、そのお願いをした次第でございます。
 こうした中で、地域におきましては、自治体が医療関係団体、地域の医師会の方々等と協力しながら円滑な接種体制を講じていただくことが重要と考えておりますので、今、厚生労働省に設置されました自治体サポートチーム、これが各県担当が付いておりますので、そうした方々を活用するなど、必要な支援、これからも行ってまいりたいと思います。
○吉田忠智君 自治体、市区町村、千七百四十一団体。
 自治体のお話を聞きますと、やっぱりそれぞれ、もう具体的には郡市医師会なんですね、現場は。郡市医師会の姿勢と、それで、平素、郡市医師会とそれぞれの自治体との関係がスムーズにいっているところは案外順調に体制確立ができていると。ほとんどの自治体が集団接種と個別接種の組合せですから。ですから、そういうところも都道府県医師会に対しては、うまくいっていないところ、ある程度実態を把握をしながら、リエゾンの方がやっぱりしっかりきめ細やかな、大変ですけど、大変なのは分かりますけれども、医師会の協力体制を確立をしていただくように、是非その点お願いしたいと思います。
 次に、イギリス製薬大手アストラゼネカ社の新型コロナウイルスワクチンについて、これは報道でも出ておりますが、血栓などの副反応があるとして、このワクチンの使用を控える国が増えてきたというふうに報じられております。一方、イギリス製薬大手アストラゼネカ社は十四日、同社の新型コロナウイルスワクチンについて、血栓などの危険を高めることなく、安全性に問題はないとの見解を発表したとの報道もありました。
 もう既にこのアストラゼネカのワクチンについては国内生産を開始をしたと、受注をして国内企業が生産を開始したということも報じられておりますけれども、契約している一億二千万のうち九千万を日本で生産をするということでございます。
 このアストラゼネカ社のワクチンについてどのように状況を把握されておられて、そして今後どのようにして対処していかれるのか、伺います。
○副大臣(山本博司君) アストラゼネカ社のワクチンにつきましては、海外の治験データ等が添付された形で二月五日に薬事承認申請がなされた次第でございます。現在、PMDAにおきまして、有効性、安全性等の確認を最優先に、迅速に今審査を進めておる次第でございます。
 このワクチンの接種後の血栓症状につきましては、欧州の医薬品庁、EMA安全委員会が三月十八日の臨時会合で予備的なレビューを行いました。このワクチン接種と血栓症状の全体的なリスクの増加に関連性はなく、ワクチンの便益は副作用によるリスクを上回り続けている、ただし、一部の症例では関連の可能性も否定できないことから、引き続き調査を継続すると発表していると承知している次第でございます。また、WHOも、このワクチンの有効性は安全性上のリスクを上回っているとの見解も示されておる次第でございます。
 これらを受けまして、使用を一時見合わせていた国におきましても接種が再開されているものと承知している次第でございます。
 我が国におきましては、今委員御指摘のとおり、アストラゼネカ社との間で一億二千万回分のワクチンの供給を受ける契約を締結しておりますので、いずれにしても、現在承認申請中のものでございますから、提出されたデータとこうした海外の状況も踏まえた最新の科学的な知見に基づきまして、有効性、安全性等の確認を十分に行って、国民の皆様に適切に情報提供してまいりたいと思います。
○吉田忠智君 引き続き安全性の確認をしていただいて、副大臣が言われたように、しっかり国民の皆さんの懸念を払拭するように情報提供していただきたいと思います。
 そして、今後、高齢者へのワクチン接種、その後は一般の方々への接種ということになるということでありますが、ファイザー社、今既に医療関係者に接種しているファイザー社とアストラゼネカ社はどのような割合で使用しようとしているのか、また契約状況はどのようになっているのか、可能な限りの情報公開をお願いしたいと思いますが、見解を伺います。
○副大臣(山本博司君) ファイザー社のワクチンにつきましては、年内に約一億四千四百万回分のワクチンの供給を受ける契約、令和三年一月二十日に締結をしておりまして、もう既に国内で接種を開始しているところでございます。
 アストラゼネカ社のワクチンにつきましては、先ほどお話ししたとおり、今年初冬から一億二千万回分のワクチンの供給を受ける契約を締結しておりまして、二月五日に薬事承認申請が行われ、現在、有効性、安全性等の審査を行っているところでございます。今後、薬事承認に至った際には、国民の皆様に一日も早くお届けできるように取り組んでまいりたいと思います。
 この両者をどのような割合で使用するかにつきましては、具体的な供給のスケジュールなどによることからも一概に今お示しすることは困難ではございますけれども、供給の時期及び供給量につきましては自治体の接種準備のためにもこれは必要な情報でございますので、公表できる段階になった際にはできるだけ速やかに情報提供していきたいと思う次第でございます。
 引き続き、開示できる情報に関しましては、可能な限り速やかに国民や自治体の皆様にお伝えできるように努力してまいります。
○吉田忠智君 それから、ワクチンの質問の最後に、改めて基本的なことを伺います。
 以上のようなことを含めて、ワクチン提供について地方自治体への情報提供をどのように行っていくのか、地方自治体にとりましては適時的確に情報を提供していただきたいというのが率直な思いでございます。
 これまでの情報提供体制の不備を反省をして、情報の受け手の立場になってどのような働きかけをしていくのか、都道府県、市町村にどのような情報提供、働きかけをしていくのかについて、改めてお考えを伺います。
○副大臣(山本博司君) 今委員御指摘があったとおり、様々、各自治体からも御意見、要望等いただいている次第でございます。国民の皆様が安心してこのワクチン接種いただけるように、自治体と連携しながら接種体制の構築をしっかりと進めていきたいと思う次第でございます。
 このワクチンの供給量、また配送スケジュールにつきましては、確定次第速やかに発表するとともに、具体的には、例えば四月の十二日の週から高齢者への優先接種を開始するとか、四月の五日からワクチンの供給を行い、四月の二十六日から全ての市区町村に一箱ずつ配送する、また五月九日までに到着するように四千箱を配送する、そして、六月の末までに全ての高齢者、約三千六百万人でございますけれども、二回接種できる数量のワクチンを順次出荷するなど、こうしたことを発表し、自治体に対しましては事務連絡を発出して示してきたところでございます。今後とも、新たな情報が確定次第、これは速やかにお知らせをしていきたいと思う次第でございます。
 また、接種体制の構築に当たりましては、各全国の自治体への説明会の実施も随時行っております。例えば、自治体説明会、十二月十八日、一月二十五日、二月十七日、そして直近では三月十二日等に自治体に対しての説明会、さらには手引きの発出に関しましても、四回改訂をしながら、それぞれ新しい情報を丁寧に情報提供を行っている次第でございます。
 また、二月十五日には、厚生労働省に自治体サポートチームを設置し、各県ごとに担当者が付いておりますので、こうした方々と連携しながら自治体に対してきめ細やかな支援を行っているところでございます。
 委員御指摘がありました、引き続き、こうした各自治体に対しましての万全の体制が確保できるように全力で取り組んでいきたいと思う次第でございます。