参議院 決算委員会 第6号 令和2年5月25日

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、介護、障害福祉に関する課題について伺いたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、感染すると重篤しかねない高齢者や障害のある方の生活を支えている介護施設や障害福祉施設、関連の事業所におきまして緊張や不安が高まっております。そうした環境にありましても、職員、関係者が懸命に必要なサービスの提供を維持、継続いただいていることに心より感謝を申し上げたいと思います。
 このような介護、障害福祉分野における支援策の更なる拡充が喫緊の課題であります。公明党は、今月の七日に加藤厚生労働大臣に対しましてこの分野における支援策拡充に向けた緊急提言をお届けいたしました。また、先週の二十二日には、政府に対しまして第二次補正予算に向けた追加経済対策の提言も行ったところでございます。そこで、今日は、これらの提言の内容を含む具体的な課題について伺いたいと思います。
 まず、これまでの対応状況に関しまして厚労省に伺います。
 介護や障害福祉の現場では、医療と違いまして、感染予防に当たりまして、これまでのなかなか医療と違っての経験がないために、感染症対策をどこまで行っていく必要があるのかどうか、これは分からない場合がございます。各サービス内容に応じまして感染予防のための実践的な、具体的な形でのガイドラインの整備や分かりやすい動画の作成を国が主導して行い、自治体を通じて現場に展開、徹底してほしいという要望が強く求められております。これまでの取組で、厚労省からは通知の発信や動画の作成など様々に対応いただいているかと思いますけれども、その対応状況を御報告いただきたいと思います。
 また、感染予防の方法や医療機器の不足などに不安を感じる利用者や従事者の求めに応じまして、きめ細やかに適時適切に対応できる相談体制、これを構築する必要があると思いますが、この点も確認をしたいと思います。
○大臣政務官(小島敏文君) お答えをいたします。
 新型コロナウイルス感染症は、高齢者、基礎疾患を抱える人は重症化リスクが高い特性があります。介護サービス事業所等におきまして感染拡大防止の徹底が重要であるというふうに考えております。
 このため、去る四月七日付けで、感染者が発生した場合の具体的な留意点など、平時から感染時までの取組につきまして、入所系、通所系、居宅系ごとに整理をしてお示しをしたところでございます。その際お示ししました内容につきましては、表形式にいたしたものやこれまでの事務連絡の一覧表も添付して、見やすさや利便性も心掛けたところでございます。
 さらに、具体的な場面を想定いたしまして分かりやすくお伝えするために、訪問介護事業所等の職員が留意すべき感染防止策を厚生労働省動画配信サイト、いわゆるユーチューブで公開をいたしております。
 今後も、必要なサービスが継続的に提供されますよう、こうした動画を増やしますとともに、御指摘の相談体制の構築を含め、現場の方の意見も聞きながら、感染拡大防止のため必要な支援を講じてまいりたいと考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。
 是非とも、きめ細やかなそうした支援体制をよろしくお願いしたいと思います。
 これまでにも、介護や障害者の施設におきましてはクラスター感染が発生したケースがございました。PCR検査につきましては、当初は希望しても受けられない場合があったようでございます。介護や障害福祉サービスの利用者や従事者の感染が疑われる場合におきましては、感染クラスター発生の未然防止の観点から、こうしたPCR検査や、これから展開されます抗体・抗原検査を優先的に受けられるような体制整備を行うことが重要であると思います。この整備状況について伺います。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 御指摘のございましたPCR検査、抗原検査、抗体検査につきましては、それぞれの特徴を踏まえて検査を行っていくことが重要でございまして、さらに、検査を組み合わせることによって正確、効率的な検査が可能となると考えられます。
 PCR検査につきましては、医師が必要と判断した方が確実に検査を受けられるようにしていくことが重要でございまして、特に高齢者、基礎疾患を抱える者といった重症化するリスクが高い方々が確実に必要な検査を受けられるようにしていくことが必要でございます。
 介護施設や障害者福祉施設でクラスターが発生していること等を鑑みまして、厚労省では、国立感染症研究所の新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領を踏まえまして、健康観察期間中である無症状の濃厚接触者は原則として新型コロナウイルスの検査対象とはならないところでございますが、濃厚接触者が医療従事者等、この等には福祉施設従事者等も含みますが、ハイリスクの者に接する機会のある業務に従事し、検査が必要と考えられる場合、それから、クラスターが継続的に発生し、疫学調査が必要と判断される際には検査対象とすることができるということの内容の事務連絡を三月三十日に発出して、広く都道府県に周知しているところでございます。
 また、基本的対処方針におきましても、特に感染が疑われる介護施設や障害者福祉施設の従事者、入所者については、率先してPCR検査等を受けさせるようにすることとしてございます。
 先日、薬事承認、保険適用されました抗原検査につきましても、介護施設や障害者福祉施設で施設内感染が発生した場合のクラスター対策として、感染研に検査キットをストックした上で、発生した施設等で個別に活用する準備も進めているところでございまして、今後も、重症化するリスクの高い方々に確実に必要な検査が受けられるように取り組んでまいりたいと考えております。
○山本博司君 しっかりよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 この分野の施設では、濃厚接触の可能性が高いために、マスクや手袋、消毒液とか防護服、こうした衛生資材や防護器材の確保が医療の分野と同様に重要でございます。これは現場でも今なお要望の強い内容でございます。
 第一次補正予算では、衛生資材などの確保のための予算が介護とそれから障害福祉とも措置されておりますけれども、これまでの支援状況はどのようになっているんでしょうか。
○政府参考人(大島一博君) 介護福祉施設の感染症として必要な資材、まず通常時におきましてはマスクとエタノールの御要望が大変強くなっております。
 マスクにつきましては、繰り返し利用できる布製マスクを国が一括購入しまして、全介護職員、利用者にお配りしたところでありまして、今後も半年程度、毎月それを継続していきたいと考えております。また、消毒用のエタノールにつきましては、優先供給の仕組みを医療同様に設けました。要望のあった施設に対しまして供給を開始しておりまして、今後も継続してまいりたいと考えております。
 また、感染者が発生したときにおきましては、これは今のような二つのものでは足りませんで、医療同様に、サージカルマスク、フェースシールド、あるいはガウン、こういった防護用品が必要になります。
 これらにつきまして国が買い上げて都道府県に配布しているところでございますが、五月に入りまして、そういった感染者が発生した施設につきましては指定感染医療機関と同様に速やかに供給する仕組みができましたので、これにのっとって、もし万が一発生した場合には速やかに必要な物資を供給してまいりたいと思います。
 引き続き、二次補正におきまして、更なる対応を含め、どのようにすればこういった物品の確保に安心できるのか考えながら支援に努めてまいりたいと思います。
○山本博司君 この衛生資材に関しまして、医療的ケアの必要なお子さんを抱えている家庭に関しまして、消毒液とか精製水とかアルコール綿とか、こういったことも不足しているわけでございます。こうした家庭のそういう医療的ケアの方々に対して、この事業では対応できるのでしょうか。
○政府参考人(橋本泰宏君) 今御指摘のございました医療的ケア児につきましては、特に消毒など感染対策をしっかり行う必要がある方々というふうに認識いたしております。
 それで、手指消毒用のエタノール、あるいはアルコール綿、精製水といった医療的ケア児の御家庭に必要な衛生材料を都道府県等が購入する費用につきましては、障害福祉サービス等衛生管理体制確保支援等事業という今年度の補正予算で措置しました事業の補助対象というふうにさせていただいているところでございます。
 また、手指消毒用のエタノールでございますが、三月に人工呼吸器等を利用する子供たちに対して緊急に私どもの方の備蓄を配布いたしまして、現在は優先供給の仕組みができておりますので、その中で都道府県からの要請を受けて供給しているところでございます。
 そういったスキームを活用してしっかりと配布してほしいということで都道府県の方に周知をさせていただいておりまして、現在、第二次補正予算案の検討を行ってございますので、とりわけアルコール綿ですとか精製水につきまして、なかなか市中での入手が困難というふうな声も伺っているところでございます。医療的ケア児等に優先的に供給するためにどのようなことができるか、しっかり検討してまいりたいと考えております。
○山本博司君 是非ともこの点もお願いしたいと思います。
 こうした施設では感染防止のために基本的に面会が制限されております。もう既に制限三か月以上続いている施設もございまして、入所している高齢者や障害のある方が家族と面会ができなくなるということで精神状態が不安定になる事態も考えられるわけでございます。
 そこで、テレビ電話やインターネットを通じたビデオ通話のシステムを活用しまして、こうしたオンラインで面会を実施する、そういうことで不安を解消できる場合もございます。また、訪問介護サービスの介護職員の初任者研修、さらには障害福祉分野での相談支援員の研修、こうしたことに関しましてもオンラインで実施してほしいという要望も届いております。
 こうしたオンラインの活用につきましてお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(大島一博君) 施設における面会をオンラインを活用して行うということにつきまして、御党からの御助言もありまして、五月に通知を出しました、事務連絡を出しました。その中で事例を入れておりまして、川崎市の特養、おだかの郷はLINEビデオを活用しております。足立区の特養、グレイスホームはズームを使っております。南伊豆町のエクレシア南伊豆という特養はスカイプを使っておりまして、それぞれ写真を入れながら、こうした事例を全国に事務連絡を発出したところでございます。
 それから、研修面につきましては、介護職員初任者研修と、障害者福祉の分野では相談支援従事者研修というのがございます。双方共にオンライン研修を認めたところでございまして、一部、従事した後にOJT的な補講的なことをお願いする部分もございますが、基本的にはオンラインで研修が完了するという形にしたところでございまして、こうしたICTの取組は今回のコロナのことを契機として一層進めていくべき契機かと考えております。
○山本博司君 是非ともこの点もお願いしたいと思います。
 今、高齢者人口は三千五百万、そして要介護の認定をされる方は六百五十八万人とも言われております。障害者も約一千万人の方がいらっしゃいまして、サービス利用者の方々を含めて、それを支える従事者の方々、高齢者は二百万人と言われております。また、障害者、その半分の百万人。三百万人の方々がそうした分野を携わっているわけでございますけれども、皆さん危険を顧みず、必死の思いで頑張っていらっしゃいます。様々な施策を充実させ、不足しているこの人材確保、これを目指すとともに、濃厚接触によるハイリスクのある状況の中で感染防止のための負担の代償という意味からも、こうした従事者に対して特別手当の支給を検討すべきと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 介護や障害福祉サービス、高齢の方や障害を抱える方、またその御家族の方を、暮らしや生活を守っていくためにもこれは必要不可欠なサービスであり、感染が拡大している状況下においても事業の継続をお願いをしているところであります。
 御本人、それぞれの働いている方々の感染リスクももちろんありますけれども、ケアをされている対象の方々が重症化しやすいという、より一層そのケアにおいて特段の配慮が必要だ、またそういうプレッシャーが常に掛かってきている、そういうところで必死になって努力をいただいているわけでありますので、我々としてもそうした皆さんに心から感謝と敬意を表したいというふうに思います。
 そうした中で、単に感染者が発生している施設だけではなくて、広範にという、そういう御趣旨なんだろうと思います。公明党からもそうした御要請をいただいておりますし、他の政党等々からも頂戴をしているところであります。どういう形で対応できるのか、今二次補正予算案を編成をしている作業でございますので、そうした御要請の声をしっかり受け止めながら具体的な中身について鋭意詰めていきたいというふうに思っております。
○山本博司君 是非ともこれは、大臣、二次補正で含めて対応していただきたいと思いますし、麻生大臣には財務当局でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 更に大臣に伺いたいと思います。
 こうした介護、障害福祉サービスの事業所に対するサービス継続支援事業、これを抜本的に拡充してパッケージで対応するために、我が党では介護・障がい福祉包括支援交付金、これを創設することを提案をしております。この交付金によりまして、感染発生の有無にかかわらず、感染予防の取組を行いつつ弾力的にサービスの提供を継続する施設等を支援することが可能となるわけでございます。
 第一次補正予算では三分の一を地方自治体が負担することになっておりまして、優先順位が低い場合にはこの分野に注力することが難しい場合もございます。我が党は全額国庫負担を求めているわけでございまして、この分野に特化した交付金によって、各自治体の財政状況にかかわらず着実に支援を行うことができるわけでございます。
 交付金制度の創設についての大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 令和二年度第一次補正予算において、新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所等に対するサービス継続支援事業等を盛り込ませていただいて、当該事業で様々な介護あるいは障害における事業所に対する支援をさせていただいたわけでありますけれども、補助率については今委員からお話がありましたように、三分の二が国で、三分の一が地方公共団体の負担、それについてはいわゆる地方創生臨時交付金の対象になって、実質は国費一〇〇%ということでありますが、委員からは、実質じゃなくて形式も一〇〇%という、こういう御主張だというふうに思いますし、また、それを通じてそうした対応がより促進を図るべきだという、こういう御主張だというふうに思います。
 そうした御主張をしっかり私どもも受け止めさせていただいて、先ほどの件も含めて、今、二次補正予算、まさに、何といいますか、編成をまさにもうすぐするという状況に来ておりますので、そうした中で、そうした声も含めて、どういう予算をすべきなのか、それぞれの声をしっかり踏まえながら、予算を、しっかりした予算を獲得していきたいというふうに思っております。
○山本博司君 是非とも、この第二次補正予算、今検討の真っただ中でございますけれども、この介護、障害福祉の分野の方々に対する支援をお願いを申し上げたいと思います。
 次に、再開支援について伺います。
 本日、緊急事態宣言、全面解除の方向ということで今検討されているということでございますけれども、こうした感染リスクが低下してくれば、従来のサービスを提供できる体制を整えなくてはなりません。
 今、デイサービス等が休業しておりますと御自宅に認知症の方々等もいらっしゃいますけれども、こうした介護、障害福祉の施設におきまして、本人と家族とのきめ細やかな相談を行い、利用者が安心してサービス利用を再開できる必要がございます。また、今後の状況に応じまして、地方自治体が在宅の高齢者、さらには障害者の見守りや訪問の活動を再開をしていく、また住民サービスへのつなぎ直しを行うことも重要でございます。感染症の第二波以降の備えも念頭にしながら、必要な人員確保、施設、機材等の費用について支援を行うことが求められております。
 こうした住民サービスへのつなぎ直し、再開への支援の認識を伺いたいと思います。
○大臣政務官(小島敏文君) お答えいたします。
 介護や障害福祉の施設等につきまして、利用者の方々が感染の不安からサービスの利用を控えるケースも生じていると承知をしております。
 高齢の方等の健康の維持や生活の質の向上の観点から、これまで使っていた介護サービス事業所のつなぎ直しなど、円滑にサービスの利用を再開していただくための推進策を考えてまいります。考えてまいりますと言いましたのは、今、二次補正がありますので、それに組み込んでいきたいというふうに思っております。
 また、自治体が支援するいわゆる住民主体の通いの場等の取組につきましても、現在はその活動を自粛いたしております。こうした中、高齢者が居宅において健康を維持するため、留意事項を全国の自治体にお示しをいたしているところでございまして、高齢者向けの御当地体操の動画を厚生労働省のホームページに掲載をしているところでございます。
 今後、緊急事態宣言の解除などの状況も踏まえまして、自治体における高齢者の健康維持に関する広報の支援や好事例の収集、発信、感染防止に配慮した形での通いの場の実施に向けた留意事項の提示等を行ってまいりたいと考えております。
○山本博司君 是非とも、この点に関しましても、再開支援、第二次補正の中に入れられるということでありますので、是非ともその点もよろしくお願いしたいと思います。
 次に、強い要望のございます工賃の確保について伺いたいと思います。
 障害者の就労系事業所では、売上減少によりまして利用者の工賃、大幅に下落している実態に見舞われておりまして、利用者が就労継続できるように受注量の確保や工賃確保のための支援を拡充する必要がございます。就労系A型事業所でありますと雇用契約がありますために雇用調整助成金の利用も可能となっておりますけれども、B型はそうした就労形態でないために、収入が減ったことに対しての何らかの支援が求められております。
 岡山県総社市では、市長自ら旗振り役となって、障害者福祉施設、今十一事業所と聞いておりますけれども、地元の特産であるジーンズに使うデニム生地を生かした布製マスク、総社デニムマスク、私が今日着けているマスクでございますけれども、この作成をしておりまして、現在では全国から十八万枚以上の受注が入る御当地マスクとして人気を集めておりまして、工賃確保に大いに貢献をしております。加藤大臣の地元ということにもなるわけでございますけれども。また、京都市では、B型事業所の工賃で、新型コロナウイルスで収入が減った分を、全額を市が補填する方針を決めたということでもございます。
 国として、こうした工賃確保に向けた支援、それをしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(小島敏文君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症への対応に当たり、就労継続支援B型事業所や、そこで働く利用者への影響を小さくすることが重要であるというふうに考えております。このため、事業所に対して障害福祉サービスの報酬算定に当たっての柔軟な取扱いを認めておりますほか、令和二年度補正予算に盛り込んだ事業におきましても、その生産活動を支援してまいります。現在、第二次補正予算案を検討しておりますが、事業所の受注量の確保や、そこで働く利用者の工賃確保のため更にどのような支援ができるか、しっかりと検討してまいります。
 また、国や自治体が障害者優先調達推進法の取組として、B型事業所などから物品等を調達し、その生産活動を後押しすることも重要であります。事業所から布配布を買い取り、福祉施設などに配布している自治体もあります。
 厚生労働省としましては、国の機関や自治体等に対しましてこうした事例の情報発信を行い、取組の横展開を図ってまいりたいと考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。是非ともお願いをしたいと思います。
 また、今回の感染症の拡大によりまして、休業や事業を縮小する介護や福祉の事業所がたくさんございまして、資金繰りに大変御苦労されていらっしゃいます。今、独立行政法人福祉医療機構ではこうした福祉貸付事業を実施しております。これまで、申請書類が多く、簡素化、迅速化を求める声もございましたけれども、改善をいただき、高い評価の声もいただいております。
 長期化する中で更に融資を求める事業所が増えておりまして、公明党の提言では、無利子、無担保、無保証の貸付限度額と期間の拡充を求めております。特に福祉貸付けでは融資額三千万を医療並みの一億に上げてほしいと、こういう要望もございます。この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 福祉医療機構でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして事業規模が縮小となりました福祉事業者に対しまして、貸付利率は当初五年間三千万円まで無利子、あと融資限度額は設定せずに六千万円まで無担保で融資が可能、あと融資期間につきましては一年以上三年以内のところを十五年以内に拡充を内容とする今経営支援を行っております。
 また、融資に当たりましては、感染防止や審査短縮のために、面談をせず電話、メール等のみでの融資決定、また申請書類ですけれども四分の三削減させていただいております。また、審査人員の増員などを行いまして、借入申込書をいただいてから融資決定まで通常二か月ぐらい掛かっておるところをおおむね五日程度で、前後で融資決定を行っております。
 融資実績でございますけれども、五月二十一日時点で、千三百二十五件の申請に対しまして千二百二十六件、約三百二十三億円の融資決定を行っております。
 議員お尋ねの福祉貸付けの無利子無担保での融資額の引上げでございますけれども、ただいま第二次補正予算案の検討をしております。その中で、福祉事業者に対する支援をしっかりと行えるよう検討してまいりたいと考えております。
○山本博司君 最後に大臣に、慢性的な人手不足解消に向けてのこの障害福祉分野の対応に関して、大臣の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 介護また障害福祉分野についてしっかりとしたサービスを提供していくためにも、人材を確保し育成することは喫緊の課題であります。また、そこに対する求人、有効求人倍率も、他職種に比べて、こうした状況の中においてもなおまだ高い状況であります。介護に関しては、二〇二五年までに約五十五万人、約六万人程度の介護人材を追加で確保することが必要との結果を第七期の介護保険事業計画でお示しをさせていただいておりました。
 いずれにしても、処遇の改善、これは昨年十月にいわゆる月額最大八万円という処遇の改善も実施をさせていただきました。また、離職した方々への復職支援も重要であります。再就職の際に必要となる準備費用について返済免除付きの貸付事業を設けて支援をしているほか、離職した介護人材の方々の届出を受け、再就職支援を行っている。
 こうした様々な措置を講ずること、またそうした職場の魅力をしっかりPRしていただいて、そうした皆さんにそこでの仕事のありようを理解していただいて、またそこでのやりがいを高めていく、そうした全体の措置をとる、駆使することによって、こうした介護あるいは障害サービス分野での人材の確保、これに我々も更に尽力をしていきたいと思います。
○山本博司君 以上で終わります。ありがとうございました。