参議院 厚生労働委員会 第22号

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 今の部分を別の角度からちょっとお聞きをしたいんですけれども、参考人の方々の今までの中でも、脳死を人の死とするということに関して社会的な合意が本当になされているのかどうかということがやはり様々な疑問があるわけでございます。
 そういう中でも、先日、参考人の柳田邦男先生の方から、臓器提供を望む人の場合のみ脳死を人の死とする現行法に関して、日本人の心情とか日本の死の文化の特質をうまく取り入れたものとして今後も大事にしていくべきであるという提言があったわけでございますけれども、その点で宍野さんにまずお伺いをしたいと思います。それからあと、宮本参考人にもこの点に関しての、先ほどの別の角度ではございますけれども、この問題をどう日本人としてとらえるべきかということに関して、宍野参考人と宮本参考人にお聞きしたいと思います。
○参考人(宍野史生君) 柳田先生は御家族の中でもいろんな深い体験をなさったことを存じ上げております。その重い悲しい体験の中からお話しなさったことなのだろうというふうに同じく重く受け止めたいと思いますが、先ほど私も申し上げましたが、誠にそのようだと思います。国際的に見て、現行のその部分に関しては大変に胸を張れるというか、日本の法律でございますので、日本の国風に合った、国風というのは良くないですね、いわゆる環境に合ったものであるというふうに感じます。
 それから、決して私たちは臓器移植のこの医療自体に反対をしているわけではございませんで、それは各々が尊い行為として、キリスト教でいえば愛の行為、そして仏教でいえば慈悲に満ちた布施の行為として行われる。それはあくまでも本人の意思があってのことでございます。だから、意思を表明する、意思表示をするということは、これは必須であると、ここを言っているのでありまして、決して今の現行法よりもっと、今後未来、後退するということを申し上げているのではありません。
 ただ、心臓に疾病を持った子供さんの命もどうしてもそういうふうに助けなければならないということも重く感じておりまして、それに関しては、だから、先ほど申しましたように、この四年間ですかね、再三にわたりまして、再三再四にわたってこれに関して検討の特別な機関を設けてくださいと言ってき続けたのでございます。もうまさにのどが渇くほどずっと言い続けてきました。四回の意見陳述を行い、五回にわたりまして意見書を出してきたのが専門機関の設置のお願いでございます。そういうふうなことを強く再度訴えまして、質問の答えとさせていただきます。