2日の参議院本会議で可決、成立した第2次補正予算には、物価・高騰対策や子育て支援策などが盛り込まれ、公明党の主張が随所に反映されました。

一般会計の歳出総額は28兆9222億円。公明党が国会質問や岸田文雄首相への提言で訴えてきた主張が随所に反映され、高騰する電気・ガス代の軽減や子育て支援の充実などが進められます。

具体的には、ウクライナ危機に伴い上昇した電気・都市ガス料金、ガソリンなど燃料費の負担軽減に計6兆円超を計上。妊娠期からの伴走型相談支援と、妊娠・出産時に計10万円相当を給付する経済的支援を一体的に行う「出産・子育て応援交付金事業」に関する経費も充当しました。

補正予算成立を受け、公明党の山口那津男代表は国会内で記者団に対し「物価高に対応する施策の速やかな実行が重要だ」と強調。経済再生や防災・減災の施策なども盛り込まれているとして「政府に速やかな執行を促したい」と訴えました。

【補正予算のポイント】

1.【物価高騰対策】
ウクライナ危機に伴い上昇した電気、都市ガス料金、ガソリンなど燃料費の負担軽減に計6兆円を計上。

・物価高騰対策では、電気・都市ガス料金の負担軽減策として、3兆1074億円を計上。早ければ来年1月から実施。標準的な家庭では8月までは電気料金が月2800円。
ガス料金は月900円や安くなるようにし、9月は支援額をそれぞれ半分に引き下げる。
家庭向け電気料金は来年1~8月に1キロワット時当たり7円を政府が肩代わりする。高圧契約を結ぶ企業には8月分が3.5円。ガス料金は家庭、企業向けに1立方メートル当たり30円を支援する。9月分はそれぞれ支援の幅を縮小させる。LPガス(プロパンガス)は全国1万7千社ある小売業の事業効率化支援を通じて価格抑制をめざす。遠隔で検針できるスマートメーターの導入やガス充てん所の自動化などを支援する補助金の創設に138億円を計上した。

ガソリン価格の上昇抑制策では、今年1月に始めた石油元売り会社への補助金の延長に3兆272億円を盛り込んだ。来年1月以降も補助上限(1リットル当たり35円)を調整しながら継続する。政府はこうした、抑制効果により、標準世帯で来年1月から9月ごろにかけて総額4万5千円程度が軽減されると試算している。

中小企業の賃上げなどを促すため、事業再構築の支援や生産性向上による成長に向けた、ものづくり補助金やIT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金などに7800億円を計上。
コロナ禍で債務が増大した中小企業の返済負担軽減などを図る為の資金繰り支援に2609億円を充てた。

2.【子育て支援】

子育てに関しては、支援が手薄な0~2歳児に焦点を当てて、妊娠・出産時に計10万円相当の給付による経済的負担の軽減と共に。妊娠時からの伴走型相談支援を一体的に実施するため「出産・子育て応援交付金」の創設へ1267億円を計上。

公明党が11月8日に発表した「子育て応援トータルプラン」の一部施策を先行実施する形となる。伴走型相談支援は、全妊婦を対象に妊娠期から出産・産後、育児期まで一貫して寄り添う相談体制を整備し、様々なニーズに即した支援につなげる。経済的負担の軽減に向けては、妊娠届と出産届を提出した際、夫々5万円相当の支援実施を想定。今年4月以降に出産した人に給付する。

また幼稚園や保育所、認定こども園などの送迎バスへの置き去りを防ぐための安全装置整備などを支援する「こどもの安心・安全対策支援パッケージ」として234億円、待機児童解消に向けた保育の受け皿整備に349億円、子ども食堂などの支援に25億円を計上した。

一方、子育て世帯・若者夫婦世帯などを対象に、省エネ性能の高い新築住宅の購入や住宅の省エネ改修を後押しする「こどもエコスマイル支援事業」として1500億円を盛り込んだ。

4.【新型コロナ対策】

・第8波への対応が急務となっている新型コロナウイルス感染症対策では、病床確保や自宅療養者支援など幅広い事業を各地で実施するための「緊急包括支援交付金」の増額に1兆5189億円、コロナワクチン接種の体制確保や来年分の確保などに1兆2276億円を計上。
さらにコロナ対応のための地方創生臨時交付金の増額に、7500億円を充てた。内訳はPCR検査の無料化などに充てる「検査促進枠」分が3000億円、国のコロナ対策に伴う地方負担分への支援が4500億円となっている。

また抗原定性検査キットの確保に863億円、医療用のマスクやガウン等の物資の備蓄に454億円、途上国も含め世界に公平にコロナワクチンを分配する国際的な枠組み「COVAXファシリティー」などへの拠出に332億円、小学校休業対応助成金・支援金による保護者の休暇取得支援に406億円を充てた。

4.【地域活性化: 観光、農水】

・コロナ禍で大きく落ち込んだ観光需要の回復に関しては、訪日外国人客(インバウンド)観光の復活や観光地・観光産業の再生高付加価値化などに1500億円、水際対策のための検疫体制の確保に592億円を計上。
・また農林水産物の輸出拡大に向けて440億円、肥料の国内生産拡大に110億円、飼料作物の国産化の推進に100億円が盛り込まれた。

5.【防災・復興】

・2021年度に始まった「防災・減災・国土強靭化のための5カ年加速化対策」を進める公共事業関係費として1兆2502億円、災害復旧に5144億円を計上。
また東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、風評被害を懸念する漁業者の操業継続を後押しする新基金創設に500億円を充てた。新たな漁場確保などの取り組みを支援していく。

6.【ウクライナ】
・ロシアが侵攻を続け、国難に直面するウクライナやその周辺国に対する支援には600億円を計上。
政府はこれまで、ウクライナに対する計11億ドル(約1620億円)の支援実施を表明。岸田首相は特に寒さが厳しい冬季に入ることを踏まえ、避難施設の暖房整備や防寒具供与など追加支援を行う考えを示している。