6日午前、高松市の有限会社電マークを訪問。中野裕介社長らからこれまでの取組みなどを伺いました。

中野裕介社長はユニークで幅広い事業を展開するベンチャーを経営。総務省(異能VATION)・経産省などの先進事業として採択されています。最近は、ヒヨコの雌雄鑑別システムを世界に売り込んでいます。

電マークは「デジタル体験を世界に向けて発信したい」と2000年に起業。研究開発も設立当初から行い、10年前には大手企業に先駆けて、IoTデバイス向けのSDカードサイズのボードコンピューターを開発。その製品化の目処が見えた矢先、東日本大震災が発生。プロジェクトはすべて中止となり、苦境に。研究開発をやむなく中止、新規巻き返しをはかって中野社長が取り組み始めたのが、映像事業でした。

さらに3年前からはAIの普及を見据え、AIとロボットを含めた研究開発を再スタートできるようになり、そこからの流れが、ヒヨコの雌雄鑑別システムにつながっています。ハイパースペクトルカメラの成分を分析し、AIを活用。紫外線に近い波長に強い反応が期待できることに注目。ヒヨコの翼羽部に励起現象が発現することを見つけ、一般のカメラでも羽が赤く発光した現象を捉えることに成功しました。

ヒヨコの雌雄鑑別は、現在日本では年間約2億羽のヒヨコ鑑別がなされています。インド市場で見込まれているのは、年間8億羽。「インドでのプロトタイプのセールス後、製品としての出荷となれば初年度100台、次年度以降は200~300台を目標にスケールを取りにいくための、インド進出を検討されています」

シニアアドバイザーの山崎準一さんは、IT関連の大企業や研究所に在籍経験のあるスペシャリスト(神奈川県在住)。プログラミングを担当するエンジニアのアマニ・ベン・マッサさんは、チュニジア出身でインターンシップをきっかけに開発チームに加わった(大阪府在住)。お二人はオンライン会議での参加です。

映像解析を担当する太田和人(Ota Kazuto)は地元出身で、電マークの映像事業のドローン担当(香川県在住)。阿部順子さんは、徳島出身で、元日本IBMに勤務。(香川県在住)。多彩な人材が集われています。

【中野裕介(なかの・ゆうすけ)氏プロフィール】
1975年生。1998年、早稲田大学政治経済学部卒業。2000年に有限会社電マークを設立し、代表取締役に就任する一方で2003年には香川大学大学院工学研究科博士前期課程を修了。主な実績は、総務省戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)受託 (2010年)、科学技術振興機構研究成果最適展開支援プログラム(A-Step)採択(2011年)、経済産業省先進的コンテンツ技術による地域活性化促進事業採択 (2017年)、ABB YuMi Cup 2017ファイナリスト選出(2017年)、ICTビジネスモデル発見&発表全国大会中小企業庁長官賞受賞(2018年)など。
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