愛媛県西予市宇和町にある築約250年の「末光家住宅」(市指定文化財)を活用し、次代を担う子どもたち等を対象に異能人材を育てる「スーパーキャリア教育」を実践する「西予開成塾」を開講された愛媛大学 社会推進機構教授 坂本世津夫先生を訪ねて、西予市に向かいました。(26日)

宇和先哲記念館にて、坂本先生と懇談。宇和先哲記念館の展示や西予開成塾が行われている末光家住宅にも案内いただきました。

坂本先生は総務省委嘱地域情報化アドバイザー・地域連携コーディネーターであり、四国情報通信懇談会の運営委員長もされています。地域に根差した地方創生を実践する為に、西予市に住む込み活動を展開されています。

「西予開成塾」の名称の由来は歴史・文化や教育を充実させる「文教のまち」西予市で、創造力の豊かな異能人材を育てるため、平成の時代に開かれた塾です。事業の事業運営(講師派遣等の事務処理)は愛媛大学COC事務局に委託しています。

小学5、6年の「こども編」と高校生以上の「おとな編」があり、人口減少や過疎化が進む中で「将来の西予を支える人材づくり」に挑戦。知識の詰め込みでなく「物事を正しく判断する能力」や「潜在的に持っている能力を生かす」ことなどに主眼を置き、講師は坂本先生の人脈で大学教員や企業取締役らに依頼。ビジネスや情報化社会など多彩なジャンルを取り上げています。

開成塾は、地元にある四国最古の現存校舎・開明学校(国重要文化財)と、前身の私塾「申義堂」にちなんでいます。国の地方創生関連予算約1000万円を活用し、国の重要伝統的建造物群保存地区の卯之町の町並みにある「末光家住宅」で開かれ、定員各20人、受講無料です。

11月7日からの開講の「こども編」は毎週土曜日午前9時~11時30分。授業はプログラミングや発想転換の方法、人とのネットワークなど様々な角度により、行なっていただき、知識を知恵に変えています。来年3月まで17回続きます。

同じく11月20日開講の「おとな編」は月2回金曜日18時30分~21時。「夜の課外授業」と題して創造的・革新的な事業展開ができる起業家を育てる塾(起業家養成塾)として、明年3月まで8回。多彩な講師陣が登壇しています。

坂本先生は地域連携コーディネーターとして南予地域の第2次総合計画策定(八幡浜市・西予市)や地方創生総合戦略策定などにも関与されており、その進捗状況をお聞きしました。地方創生へ!先駆的取組みをされている事例を参考にしながら、今後の施策に活かしてまいります。

坂本世津夫氏プロフィール

平成14年(2002年)4月から平成17年(2005年)3月まで、愛媛大学にて「地域情報学」(伊予銀行寄附部門)を担当。平成17年(2005年)4月から平成23年(2011年)3月まで、高知大学国際・地域連携センター教授(生涯学習部門長)。現在は高知県南国市の自宅を拠点に、日本の情報化を、地域という視点で見直し、地域における「知的能力」と「コミュニケーション能力」を高めることにより、新たな産業集積や地域の活性化(地域の自立)が実現できないか、研究・実践しています(ICT利活用促進)。
また四国情報通信懇談会の運営や、APPLIC(一般財団法人 全国地域情報化推進協会)の 「ICT地域イノベーション委員会」でアドバイザーを務めています。四国のICT利活用促進、 ICT地域イノベーション、ICT人材育成にも取り組んでおり、平成15年9月、「地域産業おこしに燃える人」(内閣官房・経済産業省)に選定。平成19年3月、内閣官房より「地域活性化伝道師」にも選定。地域情報化アドバイザー(総務省委嘱)、四国情報通信懇談会(運営委員長)、 日本テレワーク協会(アドバイザー)、ICT地域マネージャーでもあります。