6日の国土交通委員会で昨年8月20日の広島土砂災害に対する復旧事業としての砂防ダムの整備状況や土砂災害警戒情報発信の迅速な対応について質問しました。被災直後の8月21日、安佐北区の現場を田川県議・西田市議と共に、凄まじい被害現場を廻り被災された方々のお見舞いと共に要望を伺って以来、2か月後の10月には安佐南区を栗原県議・碓氷市議と訪問。その時々の課題、要望を伺い施策に反映してまいりました。

1年が経過した中での広島土砂災害の復旧事業などを質問。今後の対応を進めてまいります。

質疑議事録

山本博司君
そこで、まず防災対策の中で、広島の土砂災害について伺いたいと思います。
8月20日で、75人もの犠牲者を出しました広島土砂災害から1年を迎えました。今なお土砂崩れでむき出しになった山肌や、また更地になったままの土地があるなど、傷痕は深く残っております。被災した地域におきましては、土石流の流路に家屋が建ち並んでいたために、土石流が家屋を襲って流れを変えて、被害がより広範囲に広がって及んでしまいました。
こうした土石流をせき止めて下流域にある住宅街に流入を防ぐために有効なのが砂防ダムでございます。被害の大きかったこの安佐南区の八木地区、ここでは砂防ダムが土石流と土砂をしっかり食い止めておりまして、大きな石、ここで食い止められました。この地区では、住宅被害がありましたけれども人命は守られたと、こう伺っているわけでございます。
今、広島の被災地におきましては、復旧事業として35か所で砂防ダムの建設が、緊急的な整備が進んでおりまして、先月、初めての砂防ダム本体も完成をいたしました。これらの地域では一日も早い整備が求められております。そこで、この砂防ダムの整備状況、御報告いただきたいと思います。
政府参考人 国土保全局長(金尾健司君)
お答え申し上げます。
昨年の8月の豪雨により甚大な土砂災害が発生した緑井、八木地区を中心に、国土交通省と広島県が連携して集中的に砂防事業を実施しております。国土交通省では、特に被害の著しかった24渓流で対策を進めており、このうち、21渓流において砂防堰堤等の工事に着手しております。また、広島県でも同様に7渓流で砂防堰堤の工事に着手しております。これまでに国、県合わせて2基の砂防堰堤の工事が完了したところであり、これらのほか、整備が必要な渓流についても設計や用地を進めております。
できるだけ早期に土砂災害からの安全が確保されるように、引き続き砂防事業を推進してまいります。
山本博司君
是非とも一日も早い整備の完成ということをお願いをしたいと思います。
次に、気象庁に伺いたいと思います。
広島市の土砂災害に関しましては、夜間に大量の雨が短時間に集中的に降ったということもございまして、土砂災害の警戒情報の発表が避難勧告につながらなかったということがございました。そのことによりまして被害の拡大、広がったということの指摘もあるわけでございます。
こうした状況を踏まえまして、土砂災害警戒情報が発令された場合には、直ちに直接的な避難勧告の基準と捉えまして、迅速な対応が可能となるように進めるべきと考えます。その際には、自治体が危険度やその切迫度を認識しやすくなるように、分かりやすく情報提供が求められるわけでございます。
今回、交通政策審議会の気象分科会におきましてはこのほど提言をまとめたということでございますけれども、防災気象情報と観測・予測技術の在り方、今後どのように進めるのか、確認をしたいと思います。
政府参考人 気象庁長官(西出則武君)
昨年の広島の土砂災害など、局地化、集中化、激甚化する豪雨等に対しまして、気象庁としても一層危機感を持って取り組む必要があると認識をしております。
委員御指摘のように、気象分科会において今年の七月に提言をまとめていただきました。この提言では、まず、防災気象情報につきましては、社会に大きな影響を与える現象については、可能性が高くなくともそのおそれを積極的に伝えていくこと、もう1つは、危険度やその切迫度を認識しやすくなるよう分かりやすく情報を提供していくことという、この二つの基本的方向性の下に、まず、対応がより困難となる夜間から早朝にかけての避難の可能性を考慮して、夕方の天気予報の発表に合わせて、可能性が高くなくても、警報級の現象が発生するおそれがあるということを伝えていくこと、2つ目として、その地域での発生がまれな猛烈な雨が降っている事実を伝える記録的短時間大雨情報というのがございますけれども、これを最大30分早く提供できるよう処理、解析を迅速化すること、そして3つ目としては、雨量等や危険度の推移を時系列で、危険度を色分けして分かりやすく提供することなどについて取り組むべきとされております。
また、観測・予測技術につきましては、世界最先端の気象観測機能を有するひまわり8号の利用技術や次世代気象レーダー導入に向けた技術開発を行うこと、さらには、数値予報技術の高度化による集中豪雨や台風などの予測精度の向上を図ることなどについて、人材の育成強化も含め取り組んでいく必要があるとされております。
気象庁としましては、この提言を踏まえ、防災気象情報の改善について可能なものから早期に実現してまいります。また、観測・予測技術の向上についても、関係機関との連携を強化し、研究から実用化までを担う気象庁の総合力を発揮しつつ、全力で取り組んでまいります。
山本博司君
しっかりと対応をお願いをしたいと思います。