村井氏から実情を伺う


意見交換


宮城県復興支援担当国会議員として白石市の酪農家の方々や「杜のいわなや」村井雄氏から「原発事故に伴う風評被害の実態と東電損害賠償の課題について」お話しを伺い、意見交換を行いました。(15日)

菅野恭子白石市議の進行で、国会、県議、近隣の市議・町議も同席。対応を協議しました。

白石市・七ヶ宿町の多くの地域で空間線量の基準値を超えているにもかかわらず、被害の実態や住民の不安、要望される対策の調査も実施されていません。主要な対策が「福島県境」で分断されている状況改善へ。村井さん達の熱い想いをお聞きしました。今後対応を進めてまいります。(下記伺った内容)

【賠償実務の現状】
1.市民の現状
・市民には「何がどのような仕組みで賠償されるのか」基本的知識なく、判断ができず、東電に相談しても「対象外」と拒否されても反論できない
2.相談と交渉の現状
3.中間指針記載類型型の賠償と東電
4.行政に期待されるコーディネート機能

【中間指針のあり方】
1.中間指針類型と東電
・中間指針の効用は立証を免除でき、迅速、簡便な和解が成立している
・弊害は、それ以外の賠償を事実上拒否している
例えば白石市、七ヶ宿町の精神的慰謝料、健康調査費はその典型。宮城県はその対象から漏れている。

2.中間指針の難点と行政に期待される機能
①被害者の立場で
・文書も内容も難解、一般人には理解しがたい
・追補も遅く、特に小規模分野・軽度被害は救済のめどが立たない。
・審査の過程が不明。追補の要望は、行政が動かないと難しい
・100か0かの格差がある
②東電の立場で
・県単位で一律100%の賠償は負担が大きく一部で過賠償も生じる
・会社の資金計画は限界状態。追補のたびに再建計画が発生
③審査会の立場で
・被害実態を独自に調査するのは困難。公正に評価しうる客観的資料として行政の調査資料が求められるが乏しい。

3.行政に期待される機能
①被害実態(市町村単位)を継続的に調査して「未救済被害の追補」「被害回復に応じた賠償の減額・打ち切りの妥当性判断」に資する事が求められます。実態調査・把握は国の支援が不可欠
②類型の細分化
・東電や審査会の負担を軽減し、より適切・迅速な救済を図る為にも被害類型の細分化が望まれる。
例えば白石市の精神的苦痛のような「被害が軽微な損害」を救済する補完類型を設ける等現実的な対応を。

【汚染対策全般】
1.汚染実態、被害実態の把握が不可欠
・実態の把握なしに対策の内容について適正な担保がとれない
2.組織的機能について
・国と地方の役割分担、統括機能が必要
3.行政は全ての当事者のコーディネーターなど等。