参議院 総務委員会 第16号 令和3年6月10日

○吉田忠智君 立憲民主・社民の吉田忠智でございます。どうぞよろしくお願いします。
 今日は、ちょうど厚生労働委員会も今開かれておりますけれども、また山本副大臣においでをいただきました。ありがとうございます。
 まず、新型コロナウイルスワクチン接種について何点か質問をいたします。
 ワクチン接種についても同調圧力やあるいは差別ということがあるんじゃないか、そういう声が上がっておりますし、マスコミにも報じられております。新型コロナウイルスそのものについても感染者に対する差別事案が発生しているわけでございますけれども、今後、職域や大学などで接種もこれから進められていくこととなります。
 そこで、厚生労働省として、こうした同調圧力あるいは差別をなくすためにどうした取組をされておられるのか、まず伺います。
○副大臣(山本博司君) 御質問ありがとうございます。
 このワクチン接種につきましては、その有効性また安全性を国が分かりやすく発信をし、そうした情報を踏まえまして国民の皆様が自らの判断で受けていただくことが重要であると考えている次第でございます。
 こうした考え方につきましては厚生労働省のホームページにおいて公表しているほか、職域接種向け手引きにおきまして、接種に当たっては、本人の意思を確認するとともに、接種を強要することがないように留意することを企業等における職域接種を実施する要件の一つとして記載をしている次第でございます。
 また、新型コロナワクチンQアンドAにおきましても、接種を望まない場合、受けなくてもよいですかという質問に対しまして、接種は強要ではなく御本人の意思に基づき接種を受けていただくものであること、仮にお勤めの会社等で接種を求められても、御本人が望まない場合には接種しないことを選択することができる等をお示しをしている次第でございます。
 引き続き、このワクチンにつきましては、科学的知見に基づいた正確で分かりやすい情報を発信するとともに、そうした情報を踏まえまして国民の皆様が自らの判断で接種を受けていただくことが重要である旨を企業や大学に対しましても周知してまいりたいと思います。
○吉田忠智君 具体的に聞きますけれども、日本はこの間、ワクチンについての裁判もございましたし、国民の中に一定の抵抗感がある方もおられるのも事実であります。ある意味では、外国よりもそういう抵抗感は私は強いのではないかと思います。やっぱり集団免疫が本当に獲得できるのかどうかというのはいろいろ議論はありますけれども、いずれにしても、ワクチンが有効であることは証明されているわけでありますから、私も、ワクチンできるだけ打っていただきたい、そうした思いはございます。
 しかし、やはり国民の中には健康上の不安を抱えて接種を拒む人もおられますし、また、ワクチンに対する抵抗感を持たれている方もおられるわけであります。そういう方々が職場の同調圧力に屈して、もし健康被害が生じたらどこが責任を持つのか、また、打たない人が、接種を拒んだ人が仕事を休まされたり解雇されたりするおそれがあるのではないか、そうした懸念もあるわけであります。
 そうしたことに対して厚生労働省は具体的にどのような対応をされていかれるのか、伺います。
○副大臣(山本博司君) ワクチン接種につきましても、国民の皆様が自らの判断を、受けていただくものでございますので、引き続きその旨を周知してまいりたいと思う次第でございます。
 健康被害の責任ということに関しましては、個別の事例により異なっていくために一概にお答えすることは困難でございます。
 職場において、接種を受けないことによるいじめ、嫌がらせなどを受けた場合には、都道府県労働局等に設置されております総合労働相談コーナーにおきまして相談を受け付けておる次第でございます。相談内容が法令に違反するおそれがある場合には、当該法令を所管する部署に取り次ぐなど必要な対応を行うこととしている次第でございます。
 また、職域接種向け手引きにおきまして、接種に当たっては、本人の意思を確認するとともに、接種を強要することがないよう留意することを企業等における職域接種を実施する要件の一つとしていることも踏まえまして、今後、より実効性を高めていくために、本人の接種に関する情報につきまして上司や同僚が知り得ない方法で管理を行うこと、また、職場においていじめ、嫌がらせなどを受けた場合におきましては総合労働相談において相談を受け付けていること等につきまして、企業等に対して周知を行うことを検討してまいります。
○吉田忠智君 まだまだ厚生労働省の取組は私は弱いと思っております。是非強化をしていただきたいと思います。
 立憲民主党は昨日、新型コロナウイルス感染症に関連する差別の解消の推進に関する法律案、いわゆるコロナ差別解消推進法案を議員立法として提出をいたしました。
 その内容は、ワクチン接種を受けていない者に対する不当な差別的取扱い、差別の禁止の明記、また事業者に対する報告徴収、助言、指導等、インターネットを通じた誹謗中傷等に対応するための協力要請ということで、四点規定した内容でございます。自民党、公明党、与党の皆さんにも他の野党の皆さんにも御理解をいただいて、具体的に実効が上がるように法的な整備も野党としてしっかり提案をして進めていきたいと思っております。
 次に、職域、大学等でのワクチン接種体制と自治体との連携について質問をいたします。
 職域、大学等でのワクチン接種がいよいよ始まります。六月二十一日からと政府は示して、厚生労働省は示していますけれども、できるところはもっと早くやっていいですよということでございます。医師の確保を始め、あるいは中小企業をどうしていくのか、あるいは医学系の学部を持たない大学はどうするのか、そうした課題も指摘されているところでございます。
 もう一つ、地方自治体との連携も、これも大変重要な課題でございます。こうした職域接種や大学における接種はモデルナを使いますし、それから、地方自治体での接種はファイザーでありますから、それをどうすみ分けしていくのかということも課題として出されております。
 六月一日に厚生労働省は地方自治体に対して、「新型コロナワクチンの職域接種の開始について」ということで事務連絡を出されておりまして、七つの課題を掲げておられます。そこで、今後、厚生労働省として、こうした地方自治体と職域、大学等との調整、これが円滑に進むようにしていくためにはどのように取り組んでいかれるのか、伺います。
○副大臣(山本博司君) 今回の職域接種の仕組みに関しましては、ワクチン接種に関する地域の負担を軽減し、接種の加速化を図るために、自治体による高齢者等への接種に影響を与えないよう、企業や大学等が確保した医療従事者等を活用して接種を進めるものでございまして、これにより、自治体による接種の円滑化が図られるものと考えておる次第でございます。
 職域接種につきましては、都道府県から、例えば、自治体における医療従事者の確保に影響を与えないよう企業等や医療機関によく周知をすること、さらに、中小企業も実施できるよう支援を行うこと、また、企業等からの相談体制を充実させること等の意見をいただいているところでございます。
 こうした意見に対しまして、政府としては、医療従事者等につきましては企業等で確保することが前提である旨を周知し、中小企業に対しましては先行事例の展開等を通じて実施を支援するとともに、企業等からの相談体制につきましては内閣官房に総合窓口、各省庁に業界ごとの相談窓口を設置をした次第でございますので、しっかり対応してまいりたいと思います。