参議院 環境委員会 第8号 令和元年5月28日

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、フロン排出抑制法の改正案に関して御質問をしたいと思います。
 法案の内容に入る前に、オゾン層の保護に関しましてお伺いをしたいと思います。
 フロン類は、エアコンや冷蔵庫などの冷媒等の様々な用途に活用されてきた一方で、特定フロンと呼ばれるフロン類はオゾン層を破壊する効果を有しておりまして、一九八〇年代より、ウィーン条約、またモントリオール議定書の採択に基づきまして、我が国でもオゾン層保護法や今回の前段でもございますフロン回収・破壊法の制定が図られ、この特定フロンの生産、消費の規制を進めてまいりました。
 こうした国際的な取組によりまして特定フロンの削減が進んだ結果、最近の国連の報告書では、南極のオゾンホールの長期的な拡大傾向は見られなくなったとの報告も出てきております。こうした長年にわたる国際的な協調によりまして、環境に関する課題につきましては、解決に向けまして着実に継続することで大きな効果を得る場合もあると思います。
 そこで、このオゾン層の保護に向けてこれまで取ってきた対策でどのように効果が現れてきたと認識しているのか、見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(森下哲君) オゾン層保護の国際的な取組といたしまして、ウィーン条約が一九八五年に、そしてモントリオール議定書が一九八七年に採択をされてございます。これらによりまして、国際的にオゾン層を破壊する特定フロンの生産等の段階的全廃が定められてございます。国内では、これらの採択に合わせまして、一九八八年にオゾン層保護法を制定しまして、特定フロンの生産等の規制等を定め、これに基づいて国内において特定フロンの生産等の全廃を着実に進めてきているところでございます。
 オゾン層の状況でございますが、南極域で形成をされるオゾンホールの規模が特定フロン等の大気放出により一九八〇年代から一九九〇年代半ばにかけて急激に拡大をいたしましたけれども、議定書に基づき特定フロンの生産等が国際的に規制をされたことで、一九九〇年代後半以降は、年々変動ございますけれども、回復傾向にあるということでございます。
 WMO、世界気象機関、UNEP、国連環境計画が取りまとめましたオゾン層破壊の科学アセスメント二〇一八によりますと、南極オゾンホールがオゾン層破壊が顕著になる前の指標となる一九八〇年の量に回復するのは二〇六〇年代になるだろうというふうに予測をされているというところでございます。
○山本博司君 この点、しっかり保護に向けてお願いをしたいと思います。
 それでは、法案に関して伺いたいと思います。
 まず、回収率の向上策について伺います。
 特定フロンに代わるこの代替フロンと呼ばれるフロン類、オゾン層は破壊しませんけれども、特定フロンと同様に二酸化炭素の数十倍から一万倍を超えるとも言われる強い温室効果を有しているわけでございます。このため、二〇一六年にアフリカのルワンダで開かれました国際会議では、代替フロンはモントリオール議定書のキガリ改正によって新たに規制対象となりました。
 そうした状況を踏まえて、本法律がフロン回収・破壊法として二〇〇一年に制定されて以降二回の改正を経て、このフロン類の排出抑制対策、およそ約二十年間という長い期間が経過をしております。しかしながら、依然として、この機器廃棄時の冷媒回収率三割台、こう低迷しているわけでございます。こうした長期間が経過してもなかなか回収率の改善が進まなかった要因、どのように分析しているんでしょうか。
○政府参考人(森下哲君) 我が国は、フロンの廃棄時の回収そして破壊というようなことを世界に誇るレベルで取組を進めているということは最初に申し上げておきたいと思います。
 御質問のございましたフロン類の廃棄時回収率の低迷につきまして、今回実態調査そして要因分析を行ってございますが、その結果、二つの大きな要因があるということが分かってございます。一つは、フロン法に反しましてフロン類の回収作業自体が行われていないということと、二点目は、回収作業が行われていても、配管がどうしても長い機器などもございまして、現場でうまく回収し切れずにその機器の中にフロンが残ってしまうと、こういったことが明らかになってきてございます。
 調査の結果、現状で未回収が六割強ございますが、そのうちの三割強が回収作業自体が行われていないこと、そして残りが回収し切れずに機器の中にフロンが残ってしまうことに起因するということが分かってきているということでございます。
○山本博司君 こうした要因分析をされているわけですけれども、その上で、政府の地球温暖化対策目標達成計画における廃棄時回収率の目標、二〇二〇年度に五〇%、二〇三〇年度に七〇%、こうされているわけでございます。
 この目標を達成するには相当な努力が必要であると考えますけれども、今回の改正によりまして回収率の目標達成に十分な対策と言えるのかどうか、二〇二〇年、もう目前に迫っておりますけれども大丈夫なのか、見解を伺いたいと思います。
○大臣政務官(勝俣孝明君) 本改正は、関係事業者の相互連携により機器ユーザーの義務違反によるフロン類の未回収を防止し、機器廃棄時にフロン類の回収作業が確実に行われる仕組みを構築しようとするものであります。法律の施行後には、機器ユーザーや関係事業者、団体、都道府県への着実な周知を行い、改正法の円滑な施行を図ることにより、二〇二〇年度の廃棄時回収率五〇%の目標を確実に達成したいと考えております。
 さらに、本改正法の施行と並行して、作業を行っても回収できないフロンの量を可能な限り減らす対策も進め、二〇三〇年度の廃棄時回収率七〇%の目標達成につなげたいと考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。
 現行法では、使用者が機器の廃棄時に専門業者に依頼をして代替フロンを抜き取ることを義務付けておりますけれども、周知が進まず、違反を繰り返さなければ罰則が科せられなかったために、そのまま廃棄する例が後を絶ちませんでした。今回の改正によりまして直接罰の導入、また廃棄物・リサイクル業者へのフロン回収済証明の交付、これを義務付けることになるわけでございますけれども、使用者や処理業者への周知、制度の普及、これを進めるよう求めていくとともに、これまで以上にフロン類の回収がしやすい機器の開発や、フロン類を大気に放出することを減らす回収技術の向上や、回収作業効率の改善に向けた対策など、とてもこれは重要になると考えます。
 この回収率の飛躍的な向上を目指すのであれば、法令を遵守する健全な仕組みの醸成が必要であると考えます。そこで、こうした点への支援策、手厚くすべきと考えますけれども、認識を伺いたいと思います。
○政府参考人(森下哲君) 御指摘いただいた点はいずれも重要なポイントだというふうに考えてございます。
 まず、廃棄物・リサイクル業者の方々につきましては、これは充填回収業の登録を既にお持ちでいらっしゃる業者さん、あるいは、フロン回収されているのかどうか、自分にあるボンベの中のフロンもう抜かれているかどうか、これ自主的に確認をされている業者さんなどもいらっしゃいまして、フロン回収についてしっかり知識を有しておられる方も相当程度存在する中で、一方で、業者の方々の中にはこのフロンに対する認識、差があるということはそうであるというふうに理解をしておりまして、そういった方々にしっかり周知、そして普及啓発していくことが非常に重要だというふうに考えてございます。
 既に業界団体を通じまして意見交換もさせていただいておりまして、法改正の内容につきましても、業界への説明会の開催、あるいは業界を通じた関係企業への普及啓発ツールの配付等を通じまして、周知を徹底をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 それから、御指摘もございましたその回収技術の向上、これも非常に重要でございます。冷媒回収時の回収残の要因につきまして、環境省、経済産業省さん共同で、専門家の協力もいただきながら、技術的見地から要因分析と対策の検討をしっかりと進めてまいりたいというふうに考えてございます。要因分析を進めましたその結果を踏まえて、適切な対策、考えてまいりたいと思っております。
○山本博司君 今回の改正案では、廃棄物・リサイクル業者等が機器の引取り時にフロン回収済証明、これを確認をして、証明が確認できない機器の引取りを禁止すると、こういうことになっているわけです。この証明の確認をしやすくするためにも、現在でも、民間団体では確実にフロン回収を行うために、事前確認で業務用空調冷凍機器が確認されれば、フロン使用機器の目印としてフロン未回収シール、赤いシール、これが貼り付けることを推奨しているわけです。また、回収済みの場合は緑シール、回収済みのシールということで緑のシールが貼られて撤去が可能となるということでございますけれども、このような、証明が交付されているかいないか、これが一目で分かるような見える化のできる仕組み、これが必要であると思います。
 また、建築物の解体届などの他法令と照らし合わせて、どの段階でフロンが回収されているのかITを活用して分かるようなシステムがあれば、情報の効果的な活用がこれは可能になると思います。
 また、業務用空調冷凍機器は全国に二千万台あると推計されておりますけれども、その所在を正確に把握する、こういう仕組みはありません。産業廃棄物の処理におきましては電子マニフェスト制度、こういうのがございまして、こうした制度も参考にして情報システムの構築を行うということも大変大事ではないかと思いますけれども、認識を伺います。
○政府参考人(森下哲君) まず、御指摘のあった見える化、情報をしっかりと視覚化するということは非常に大事だと思っておりまして、今回の法改正の中でも、廃棄物・リサイクル業者の方々にフロン回収済証明の交付を義務付けているということで、回収しましたよ、抜きましたよという証明書が一緒に流れてくるということで、回収率の向上を目指していきたいということでございます。
 御指摘にもありましたけれども、今後、やっぱりITを活用をしましたシステムの利用というのが非常に重要になってくると考えてございます。現在、フロン法に基づく情報処理センターの指定を受けました一般財団法人日本冷媒・環境保全機構が証明書の交付等を電子的に行うシステムを構築をしております。このようなシステムは、機器や冷媒の管理の効率化とともに法令遵守に役立つものと考えておりまして、国としてもこのシステム、是非御活用をいただきたいということで、効果的な周知、そしてより使いやすいシステムへの改善等、情報処理センターとともに検討していきたいというふうに思ってございます。
 日本にあるいろんな機器をうまくしっかり把握をしていくということが非常に重要だということを御指摘いただきました。これは非常に重要な課題だというふうに私どもも考えてございます。今後、将来的には、機器使用時も含めてうまくIoTを活用することで、機器、冷媒情報の管理を統合的にしっかり行っていくということに関しても勉強していかなきゃいけないというふうに考えてございます。
○山本博司君 ありがとうございます。
 前向きなお話でございました。しっかりこうした情報システムの構築等の活用ということも御検討をお願いしたいと思います。
 また、今回の改正では特定解体工事元請業者による説明時の書面の保存義務が追加されまして、建物の解体情報を基に解体工事現場に、都道府県が現場を立入検査する仕組みも設けることとなっております。都道府県による指導監督の実効性の向上、これを図っていくためには、人員の配置増など都道府県による一層の積極的で効率的かつ効果的な対応が求められると思いますけれども、政府として都道府県に対してどのような支援を行っていくのか、確認をしたいと思います。
○政府参考人(森下哲君) この法改正の実効性上げていくためには、都道府県による指導監督の効果的そして効率的な実施、非常に重要だと考えてございます。
 私ども国といたしましては、従来から行っております都道府県職員向けの研修ですとか都道府県への専門家の派遣の充実、さらに、都道府県の職員の方々が事業者の方に指導監督を行う際に参考となる情報をまとめたハンドブック、この改定、さらには、国にデータが集約されてまいります、毎年集約されるフロン類の充填回収量報告ですとか算定漏えい量の報告、そういった情報が集まってまいりますので、それをうまく整理、分析をいたしまして情報をお戻しをする、提供するといったことを行いまして、都道府県による効果的、効率的な指導監督をしっかり後押しをしてまいりたいというふうに考えてございます。
○山本博司君 ありがとうございます。
 一方で、この指導監督を都道府県のみが行うのでは十分な指導監督ができないのではないかと、こういう指摘も一部ございます。都道府県の指導監督権限を政令市や中核市若しくは国の地方機関等に移譲して効果的な指導監督を行う体制について検討すべきではないか、こういう意見もございますけれども、この指導監督権限についての見解を伺います。
○政府参考人(森下哲君) 御指摘の権限の移譲でございますけれども、権限移譲ということになりますと、それに伴います指導監督の効果、効率性、そして財源ですとか人員の確保等、そういったいろんな課題が検討していくことが必要になってまいります。
 このフロン法におきます都道府県から政令市等への権限の移譲についてでございますけれども、平成二十八年十二月の閣議決定におきまして、その段階の前回の改正法、これ平成二十五年改正時のことでございますが、その見直しということで、施行が平成二十七年の四月後の五年後見直しということになりますけれども、その際に、地方公共団体等の意見を踏まえて検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとされております。
 権限の移譲を行うべきとする県からの提案に対しまして、移譲を受ける側である政令市等からは慎重な検討を求める意見があるということを踏まえながら、適切に検討を行う必要があるというふうに考えてございます。
○山本博司君 ありがとうございます。
 我が国では、フロン排出抑制法とともに、自動車リサイクル法、家電リサイクル法においてフロンの回収が義務付けられておりまして、廃棄された家庭用の冷蔵庫や洗濯機に冷媒や断熱材等に用いられるこのフロン類の回収は、この家電リサイクル法に基づいて実施されております。
 この家電リサイクル法における現在の回収状況、どのようになっているのか、確認をしたいと思います。
○政府参考人(森下哲君) 家電リサイクル法でございますけれども、御家庭から出てくる家電につきましては、廃棄物・リサイクル業者のところに、家電メーカーが例えば新しい製品をお届けするときに今あるものを回収をするという形で収集をされておりまして、家電リサイクル法に基づきまして、小売業者あるいはメーカーの指定引取り場所、こちらを経由をしまして認定事業者の方がリサイクル及びフロン回収を行うという、そういうスキームが家電リサイクル法の中ではつくられているということでございます。
 この家電リサイクルルートに流れていけば適正なフロン回収がなされるということでございますが、家庭用エアコンの回収率、今推計で、排出台数を分母といたしますと、回収ベースで見ますと、台数ベースで四から五割にとどまっているということでございまして、フロン類の回収の量のベースは約三割というふうに今推計をされるという状況でございます。
○山本博司君 この回収率をアップするということに関して、この家電リサイクル法のやり方等も含めて参考に是非ともしていただきたいと思います。
 このフロン類の排出削減のための回収率の向上のためには、国民全体の理解、協力が欠かせないと思います。例えば、温室効果ガスの削減という観点からいいますと、事務所のエアコンたった一台からフロンを放出させてしまうと、二酸化炭素三・六トンほど放出したことになります。これは、レジ袋一枚を使用したときの二酸化炭素の排出量が二十グラムと言われておりますので、およそ十八万枚のレジ袋を使用したことと同じになります。
 私たちが日頃、地球環境のためにとエアコンを弱めたり、レジ袋を使わずにマイバッグを使用して二酸化炭素の排出を減らそうと努力、頑張ってみたとしても、フロンをほんの僅かでも放出してしまうと、このような努力は全て無駄になってしまいます。こうした点も、もっと国民に周知をして理解を得ていく努力、これは常に行うべきと考えます。
 大臣にお伺いしますけれども、こうした国民の理解という点も踏まえて、廃棄時のフロン回収率向上に向けた大臣の決意を伺います。
○国務大臣(原田義昭君) 我が国の温室効果ガス排出量は四年連続で減少しているということを、国際社会にもしっかりまた実績として報告をしたところであります。ただ、その中でも代替フロンの排出量については増加の一途をたどっているということも、しっかりまた御報告をいたしました。これまでの温室効果ガスの排出削減努力を無駄にしないためにも、いまだ四割弱にとどまっているフロン類の廃棄時回収率を早急に向上させる必要がございます。
 そのため、本改正により、関係事業者の相互連携により機器ユーザーの義務違反によるフロン類の未回収を防止して、機器廃棄時にフロン類の回収作業が確実に行われる仕組みを構築したところであります。さらに、フロン類対策の重要性についての普及啓発を広く行い、国民の皆様の理解、協力を求めながら、回収率向上に向け全力で取り組んでまいりたいと思います。
 今申し上げましたけれども、おっしゃるように、CO2対策をどうするか、またプラスチックのレジ袋をどうするか、これはこれで非常に大事なことでありますけど、今回のフロン規制法の強化を通じまして、そのフロンをいかにこれを規制する、強化することは大事かということが分かったところであります。
 実は、このフロン類の規制というのは、日本は比較的というか非常にしっかりとした法制度に基づきまして今回もあれしているんですけど、目を国際社会に転じますと、私は実は個人的にはびっくりしたんですけど、よその国はほとんど、そこについては規制をやっておりません。高い目標を、そのモントリオールの関係の国際会議をやっておりますけど、しかしそれは高い目標をお互い共有しているだけであって、例えば自分たちのモニタリングとか、またそれをどうやって強制するか、規制するかということは十分でないようにも感じますので、そのことも含めて、今回この法律を決めていただいた後にはしっかりその辺を、国内でしっかりやることと併せて国際社会にもそのことを警告を鳴らさないかぬなと、そんなことを感じているところであります。
 皆さん、是非また御指導、御協力をお願いしたいと思っております。
○山本博司君 大臣、ありがとうございます。是非とも、このフロン回収率向上に向けた取組を進めていただきたいと思います。
 次に、代替フロンに代わる新しい冷媒の開発につきまして、経産省、環境省からお伺いをしたいと思います。
 先ほどもお話ございましたこのグリーン冷媒技術、これに関しまして、それぞれ経産省、環境省から、その取組状況を御報告いただきたいと思います。
○政府参考人(上田洋二君) お答え申し上げます。
 グリーン冷媒は、一般的に、燃焼性を有したり、あるいは適切な温度で気化、液化しないといったような物性面の課題もございます。このため、カーエアコンなどではグリーン冷媒への転換の目途は立っておりますけれども、冷媒量が大きく、冷暖房用途の家庭用・業務用エアコン、これではまだ転換のめどは立っていないというのが状況でございます。
 また、二〇二九年以降の基準値比七〇%削減という厳しいこの義務の達成は、日本にとって非常に大きな挑戦である一方、やはり日本がこれから世界の新たな市場を獲得するチャンスでもございます。このため、二〇二九年を見越して、グリーン冷媒の技術の開発、これを産学官一体となって取り組んでいるところでございます。
 具体的には、経済産業省では、平成三十年度からグリーン冷媒の燃焼性に関するリスク評価手法を世界に先駆けて確立する産学官プロジェクトを開始したところでございます。また、加えて、今年度からは、予算を拡充をして、民間事業者におけるグリーン冷媒等の開発に対する支援制度を創設したところでございます。
 今後、国際標準化あるいは技術の海外展開といったことを目指して、世界のフロン類対策への貢献、そして日本企業の新たな市場獲得、これにつなげていきたいという具合に思っております。
○政府参考人(森下哲君) 環境省の取組でございます。
 自然冷媒機器の普及を図っていくということで、平成二十六年度から補助事業を実施しておりまして、これまで千八百五十件の省エネ型自然冷媒機器が導入をされてございます。その成果もありまして、例えば冷凍冷蔵倉庫におけるフロン類使用機器との価格差でございますけれども、これは平成二十五年度末には約二倍を超えていたということでありましたが、現時点では約一・六倍程度まで縮まってきているということでございます。
 今後とも、自然冷媒機器に一定の需要を生み出すことで機器の低価格化を図りまして、自立的普及に向けた更なる導入の推進と加速化を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
○山本博司君 こうした技術が確立されますと、世界の温室効果ガス削減にも貢献できると思います。また、成長戦略の中においてもインフラ輸出、大変大事な観点でございますけれども、この点、どのように認識されているんでしょうか。
○副大臣(城内実君) 山本委員の御質問にお答えいたします。
 我が国のフロン回収、破壊のシステムは、回収量を正確に把握し公表するなど、先ほど原田大臣からも御発言ありましたとおり、世界的に誇ることのできる先進的なものであると認識しております。
 こうした様々な知見を生かしまして、環境省では、昨年度から二国間クレジット制度の仕組みを活用しつつ、代替フロン等の回収、破壊を実施する事業への支援を開始したところであります。今後もこうした取組を通じて世界にフロン回収の取組を普及させていきたいと考えております。
 また、今後世界に普及が見込まれるグリーン冷媒機器の分野については、経済産業省が技術開発、環境省が導入促進という役割分担の下でしっかり連携して支援を行い、日本の優れた技術の海外展開を目指してまいります。
 これらの取組により、日本、さらには世界の温暖化防止に貢献してまいります。
 以上でございます。
○山本博司君 時間になりましたので終わります。ありがとうございました。