参議院 政府開発援助等に関する特別委員会 第6号 令和2年6月1日

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 意見表明いただきました四つの班の委員の皆様、貴重な報告、大変にありがとうございました。
 私は、ODAの調査班の第二班ということで、有村団長とともにブータン王国、またタイ王国に参加をさせていただきました。その二国を訪問して共通して実感をしましたのは、どの地でも懸命になって取り組む海外青年協力隊員やシニア協力隊員の皆様の本当に姿でございました。先ほども報告にもあったとおり、皆さんは、高い志を持って医療や介護や教育や農業やインフラの整備などの各分野で草の根の外交の象徴として活躍をされておりました。世界と日本の友好と信頼醸成に多大な貢献をされている皆さん、本当に我が国の大きな財産だと痛感をしたわけでございます。
 ブータンで国初めて障害者施設、就労施設で働くシニアの海外協力隊員の方からメールがよく届きます。その最後のメールが、新型コロナの感染症の影響で全員一時帰国をいたします、支援の途中ですけれども、日本に帰りますということでございました。今、七十六か国に派遣されている方々いらっしゃるということで、初めにJICAの北岡理事長にお聞きしたいと思います。
 戻られた方、さらには、試験合格後、延期をされている二〇一九年、二〇年組を含めて、二千三百名の方が今待機されているということでございます。そういう意味では、国から、六億円の補正等を含めて、待機手当であるとか、もし派遣を断念せざるを得ない隊員等に関しては教育手当ということがあるわけでございますけれども、今のそうした状況はどのようになっていて、その支援のそうした部分に関して何かこういうことをやってほしいということがありましたら、お聞きをしたいと思っております。それが最初の質問でございます。
 次に、外務省の副大臣にお聞きをしたいと思います。
 タイのバンコクに行きましたときに、大量輸送網でありますパープルラインを視察いたしました。先ほどの有村団長からの報告もありましたとおり、鉄道のメンテナンスとか交通渋滞のためのシステム開発の協力ということで大変タイの方々からも喜ばれておられましたけれども、円借款では土木と軌道工事部分だけでしたけれども、結果的には人材育成を通じて日本の車両が導入をされて、日本企業によるメンテナンスも行われているということでございまして、こうしたインフラ整備以外の支援の広がりというのは日本の技術力を示す意味ではODAの在り方としては大変いいのではないかと思っておりまして、その意味で、二つの国、農業もそうでございますし、また保健や教育、平和、こういう人間の安全保障の分野においても、日本の特色を生かしたこうした人材育成を通じた支援の在り方が進んでいるということを痛感しました。
 その意味では、中国と比較をしまして、日本の支援の在り方、日本の強みを生かす支援の在り方はどのように考えていらっしゃるのかということをお聞きをしたいと思います。
 以上でございます。
○参考人(北岡伸一君) 御質問ありがとうございます。
 JICAの在外の協力隊は、シニアボランティアには随伴家族も一部おられますけれども、合計およそ二千名おられまして、全員引き揚げました。この最後の引揚げ作業、結構一部の国で交通事情で大変でございましたが、無事帰りまして、二次感染もなし、全員無事でございます。
 そのうち、ほぼもう任期満了に近い人はこれで打切りといたしました。それ以外の方は、状況が改善すれば再派遣するという予定でございます。その第一陣に当たる人たちにアンケートを取って聞いてみたところ、三百六人の方に聞いたら、三百人は是非戻りたいと、続けたいと言っておるので、大変頼もしく思っているところでございます。ただし、後ろの方は、二〇二〇年春募集は中止いたしました。
 今後、こうした待機中、あるいはもうすぐ、一番新しい方がまだ訓練が始まっていない、訓練これからという方もいらっしゃるんですけれども、そうした我々と約束できている方々をどうするかという点でございます。
 一時帰国した方については、この一時帰国という場合には手当を出すことができます。百二十日を限度といたしまして、一日大体三千円ぐらいを出すことができます。そうすると、ですから月に約九万円です。それとまた、それ以外にうちがない人についてはまた別途住居手当というのを出すことが可能です。これは、ただ、百二十日なので、これが更に延びたらどうなるかなと、これはまたいろんな工夫を政府にお願いせざるを得ないかなというふうに考えているところでございます。事態の好転を願っております。
 さて、それ以外に今どうするかという点で、彼らは利他、ほかの人のために働いて日本のために頑張ろうという人たちです。気力も体力もあります。こういう人たちを一体どうしようかというので、幾つか考えております。みんな、皆さん御自分で判断していただくんですけど、我々はいろんなチャンスを紹介しようとしています。
 例えば、今、一方で外国人労働者の流入が止まって人手不足で困っているところがございます。例えば一部の農村とか、そういうところに例えば援農に行ってみませんか、決して強制はしませんというようなことをお願いしたり、それから、何かその他のボランティア活動をしませんかというのを御紹介ベースで幾つかやっております。
 第二に、これはまだ計画段階でありますが、せっかくなので更にその彼らの語学や専門をパワーアップするために一時大学院に行って勉強することをしませんかと。これまた若干の追加の予算が必要になるかもしれないんですけれども、そういうことも考えております。
 第三に、遠隔でもできる協力はあるでしょうと。例えば日本語教育とか、そういうことにやってもらおうということもやっておりまして、徐々に、少しずつですけれども、こういうことは広がっております。
 とにかく、皆やりたいというふうに思っておりますので、是非再度行っていただけるように努力したいと思っております。