参議院 厚生労働委員会 第3号

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、中国産の冷凍ギョーザによる中毒問題と、心身障害者扶養保険制度についてお伺いをいたしたいと思います。いずれのテーマも国民の信頼を築くことが重要となりますので、不安解消に向けた取組をお聞かせ願いたいと思います。
 去る一月三十日に中国製冷凍ギョーザによる中毒問題が発覚してから、既に二か月が経過をいたしました。日中両国の捜査当局が捜査を進めていますが、何らかの人為的な事件であるという点では一致していながら、いまだに断定的な結論を出しておりません。原因の究明が国民の食に対する信頼を取り戻す第一歩であると考えますが、日中双方で何が課題となって意見が分かれていて原因究明が遅れているのか、進捗状況についてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(小野正博君) お尋ねの事案につきましては、これまで本件ギョーザの流通経路の解明、関係者からの事情聴取等の日本国内における捜査が可能な項目につきましてはかなりの部分が終了しているところでございます。今後は、まだ完全に終了していない本件ギョーザと同一製造日のギョーザの鑑定を継続するなど、国内において残された捜査事項について捜査を早急に完遂する必要があると考えております。
 これまでの捜査におきまして、密封された袋の内側からメタミドホスが検出されたこと、検出されたメタミドホスには不純物が混在し、日本では入手できる純度の高いメタミドホスとは異なっていること等々が判明しておりまして、日本国内においてメタミドホスの混入した可能性は極めて低いというふうに見解を示しております。
 他方、中国側は、中国国内においてメタミドホスが混入された可能性は低いとの見解を示しているところでございまして、現時点におきましては両国間の見解が必ずしも一致していないという状況でございます。
○山本博司君 ありがとうございます。
 来月とも言われております胡錦濤国家主席の訪日までには何らかの結論が必要ではないかと思いますので、日中間の捜査当局が連携を密にしながら原因を究明していただきたいことを要望いたしたいと思います。
 こうした状況の中で、二月二十二日に政府は再発防止策を発表いたしましたが、この副題は「原因究明を待たずとも実施すべき再発防止策」、このようなタイトルで、速やかに実施することを申し合わせております。その中で監視体制の強化策を打ち出しておりますけれども、検疫所における輸入食品の監視体制の強化について厚生労働省としてどのように取り組む考えか、御説明をお願いをしたいと思います。
○政府参考人(藤崎清道君) お答え申し上げます。
 輸入時の監視体制の強化策につきましては、まず、引き続き、検疫所の食品衛生監視員の増員や検査機器の整備を図ることといたしておりますが、このほかに、まず、一定レベルの検査技術が確立した残留農薬の加工食品における検査の実施、また、有毒有害物質の混入防止に係る輸入者の自主管理の推進を目的としたガイドラインの策定、さらには、輸入業者の自主管理及び検疫所における監視強化に資するための残留農薬検査法の開発等の対応をすることとしたところでございます。
 なお、既にこの間行われております加工食品の残留農薬検査の結果につきましては、これまで、昨日現在でございますが、三月三十一日現在でございますが、三百十検体について検査を実施し、そのうち二百八十七件の検査が終了しておりますが、これまでに違反は確認されておりません。
 いずれにいたしましても、引き続き、輸入食品の安全確保体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。
 輸入冷凍食品、加工食品の残留農薬検査、これまでは行われていなかった部分でありますけれども、技術的な問題もあると思いますけれども、水際の監視体制、この強化というのは、大変、食品の安全、安心の確保の上では大事でございますので、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 また、先月の末で都道府県などにあった相談、報告数の集計を終了しておりますけれども、終了結果に関しまして御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(藤崎清道君) お答え申し上げます。
 三月三十一日、十五日現在の集計結果でございますが、これまで五千九百十五名の方が保健所への相談が全国的に行われております。
 この結果、有機燐系の農薬にかかわる中毒であることが確認された患者はございませんで、これまで、事件発覚当初に有機燐系農薬の中毒であると確認された十名の方のみがそれに該当するということでございます。
 以上でございます。
○山本博司君 有機燐中毒が否定された事例でも、食品を摂取したことで様々な症状が発生をして、医療機関に受診したことも考えられると思います。この内容を十分に精査をして、今後に是非役立てていただきたいと思います。
 我が国に中国から輸入される食料品の輸入額というのは、二〇〇七年で約九千百億円にも上り、アメリカに次いで二番目になっており、その額は年々増え続けております。しかしながら、最近の統計数値を見ると、中毒事件の影響が大変出始めております。
 財務省が三月二十六日に発表した貿易統計速報によりますと、中国からの食料品の輸入額が五百五十三億円となり、前年同月に比べて二八%減少をしております。また、総務省が三月二十八日に発表した二月の家計調査の速報値では、冷凍を除くギョーザの売行きが約四〇%減少し、冷凍食品も約三〇%減少したことが分かりました。
 我が国は、中国産の農作物や製品に大きく依存しており、中国産をやめても国内産を使えば済むという単純な状況ではありません。安価で安全、安心な流通ができるようにすることが求められていると思います。
 先日も、和菓子のあんを中国で製造している日本の業者の方から意見を伺いました。コンビニとかスーパーで販売している和菓子を製造する大手の食品メーカーは十勝産などの国内産小豆にシフトして製造をすると言っておりますけれども、全体の製造量から考えた場合、中国産の小豆を使用しなければ生産が追い付かないのは目に見えているということでございます。これから端午の節句を迎え、かしわもちの生産が増える時期でございますけれども、安全が確認された食品は風評などに惑わされることなく流通されるべきであると、こういう御意見でございました。
 福田総理は、担当大臣を置くなど消費者行政の一元化を目指して取り組んでおりますけれども、食品の安全を担当する厚生労働大臣として、今後、どのように安全性を確保しようとしておられるのか、大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) これは、先般、二月二十二日の関係閣僚会議でも申し上げましたけれども、まず、保健所から都道府県にきちっと上がってくる、都道府県も厚生労働大臣に上げると、この情報伝達のシステムをしっかりやりたいと。それから、検疫体制の強化を含めて輸入食品の検査体制を強化する。こういう取組によって中国からの食品全体の安全性というものを確保していきたいというふうに思っていますので、引き続き全省を挙げて努力をしてまいりたいと思います。
○山本博司君 大臣、ありがとうございました。
 こうした問題が発生しますと、真っ先にしわ寄せが来るのが中小企業でございます。影響を少しでも緩和するためにも、様々な支援を政府一丸となってお願いをしたいと思います。
 次に、心身障害者扶養保険制度についてお伺いをいたしたいと思います。
 障害を持つ子供を育てる親、保護者にとりましての最大の不安は、親亡き後のことでございます。この制度は、障害者の保護者が掛金を掛けて、保護者が亡くなった後、残された障害者に年金が支給される制度であり、昭和四十四年に神戸市で始まった制度が全国に展開をされました。経済情勢の変化などにより、運用利回り率の低下や障害者の寿命の伸長などで財政状況の悪化が指摘されたために、平成十九年九月に厚生労働省の心身障害者扶養保険検討委員会が報告書を取りまとめ、長期にわたって安定的に持続可能な制度に見直すこととなり、本年四月一日、つまり本日より施行をされております。
 そこで、まず初めに、この見直しの概要について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(中村吉夫君) お答えいたします。
 今回の心身障害者扶養保険制度の見直しの具体的な内容といたしましては、一つは、給付面では月額二万円の年金額を据え置くこととしております。二つ目といたしまして、保険料につきましては保険数理に基づき適正な水準に設定しますけれども、既加入者につきましては大幅な引上げとならないよう一定の配慮を行うこととしております。三つ目といたしまして、既加入者や事業者のための公費による財政支援につきましては、その規模は現行と同様、国と地方で四十六億円ずつの負担を維持することとしておりますけれども、支援の期間につきましては延長することとしております。
 また、今後の運営の在り方といたしまして、毎年度、財政の健全性を検証し、その結果を公表するとともに、少なくとも五年ごとに、保険料水準等について今後の社会経済状況を十分に踏まえた見直しを実施することとしております。
○山本博司君 ありがとうございました。
 長期にわたって安定的に持続可能な制度と、このように言っておりますけれども、積立不足を補うために公費が投入されております。加入者は今後、公費が削減をされれば、結局この制度はもたないのではないかとの危惧を抱いております。
 この危惧に対して、見直しではどのように対処しているのか。途中で公費が打ち切られることはないのか。安心して掛金を払い続けてよいのか。大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) これは任意加入の制度でございますけれども、基本的には保険料によって安定的な財政基盤を確立するということでありますんで、そういうことが可能なように毎年度この財政の健全性を検証する、そして少なくとも五年ごとに保険料水準などの見直しを行うと、こういう仕組みを取ってございます。
 今回の見直し内容に沿った条例改正というのはほとんどのもう自治体で行われておりまして、厚生労働省としても、各自治体を指導して安定的な運営ができるように努めてまいりたいと思います。
○山本博司君 大臣、ありがとうございました。是非とも安心ができる体制の維持をお願いをしたいと思います。
 また、一般的に、この保険制度を維持存続するには加入者数を増やすことも重要でございます。そこで、近年の加入者数の推移、実態はどのようになっているのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(中村吉夫君) お答えいたします。
 平成十八年度末現在におけます加入者数の実人員は六万六千人となっております。一人二口まで加入できますので、延べ人員は九万四千人になっております。また、受給者数の実人員は三万八千人、延べ人員は四万三千人となっております。
 なお、新規の加入者は毎年度一千人前後、延べ人員といたしますと千八百人前後増えておる状況にございます。
 また、加入者が扶養しております障害者の障害の種別を見ますと、知的障害者が約六五%、身体障害者が約三〇%、精神障害者が約五%となっております。
○山本博司君 是非とも、加入者が増加するように関係団体を通じた周知を行うなど、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、この制度に関しまして、失われた年金が復活するといううれしい話が最近ございました。それは、申請が遅れると、これまで三年を超えた分はさかのぼって年金を受け取れなかったことが、四月から改善をされて、この未受給分が復活するというものでございます。このことは、我が党の市会議員への相談がきっかけで、私も所属しております党の障害者福祉委員会が国に働きかけたほか、我が党の桝屋衆議院議員も予算委員会で舛添大臣に改善策を要請したことから前進をしたことでございます。
 このことに関しまして、請求が遅れた人に対する対応について大臣から御説明いただければ有り難いと思います。
○国務大臣(舛添要一君) これはまあ、親御さんが一生懸命保険金を掛けられて亡くなられる、例えば、知的障害者の方だとその事実が分からない、ほかの家族もそれを知らないというようなことで、今言ったような遅れるというケースができてきます。これは三年間しか遡及して支払われないということになっていましたけれども、これからは、その三年を超えて遡及できるように変えたところでございます。
○山本博司君 大臣、ありがとうございました。
 そこで、今後の対応ということでお聞きをいたしたいと思いますけれども、この制度の受給者は知的障害を始めとする障害者の方たちでございます。保護者亡き後、御自身で請求の手続をするというのは大変困難なことと思います。年金請求の遅延防止策や遅延した場合の救済策をどのように考えているのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(中村吉夫君) 年金請求の遅延防止策につきましては、一つは、独立行政法人福祉医療機構におきまして、毎年度、実施主体でございます都道府県、指定都市に加入者等の現況確認を依頼し、必要な手続を促すなど、年金請求の遅延防止に努めておるところでございます。
 また、本制度の受給者は知的障害者などの障害を持った方でございますので、親族等も加入をした事実を知らない場合がありますので、年金請求が遅れる事例が生じやすいということは御指摘のとおりでございまして、障害者に代わって年金を受給し管理する年金管理者を指定できる仕組みになっております。
 今後とも、都道府県、指定都市による現況確認あるいは年金管理者の一層の活用の徹底を図ってまいりたいと思います。
 なお、遅延をした場合のさかのぼりにつきましては、先ほど大臣が御答弁を申し上げたとおりでございます。
○山本博司君 この制度は今後も見直しが必要だと思いますので、今後もしっかり推移を見守っていきたいと思います。
 以上で質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。