参議院 総務委員会 第11号 平成29年4月25日

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、電波法及び電気通信事業法の改正案に関しましてお伺いをしたいと思います。
 電波は我が国の社会経済活動になくてはならないインフラの一つであり、国民生活の利便性向上や経済社会の活性化のために重要な役割を担っております。
 特に、電波利用料は、電波の適正な利用の確保のために必要な共益費用を無線局などの電波利用事業者等に負担してもらう制度でございまして、電波法におきましては、これまで電波利用料の使途を電波監視の実施や電波の安全性に関する調査、地上デジタル放送対策などに限っておりました。
 今回の法案では、電波利用料の料額を見直すとともに、使途の追加をすることで支援の拡充を行うということでございまして、これまで以上に電波の利用を通じて社会的課題の解決に役立てることが必要であると考えます。
 電波利用料予算につきましては、年間三百億円という平成十三年度から歳出の大部分を占めておりました地上デジタル放送への対策が昨年度でほぼ終了したため、歳出構造の変化に伴い七百億円規模の予算が約六百二十億円に縮小となりました。
 そうした中で、電波利用料の使途を追加をしておりますけれども、まず、今回の法案で使途を追加した理由に関して御報告いただきたいと思います。
○政府参考人(南俊行君) お答え申し上げます。
 4K、8Kの実は実用衛星放送が来年十二月からスタートをいたします。その4K、8Kの衛星放送というのは、従来の右旋と言われる回転方向とは違う左旋と言われる回転方向のアンテナが必要になる場合がございます。この左旋のアンテナを設置して衛星放送を直接受信されるケースであって、かつ御自宅の中の、宅内の配線部分が非常に古い設備で構成されております場合に電波が漏えいをいたしまして、既存の無線局、例えばWiFiといったような無線局に混信を与えることが懸念されるところでございます。
 したがいまして、電波が漏えいすることによって他の無線局に妨害を与えない、そのための受信環境の整備が必要であるという観点から、この漏えいの実態を正しく把握しまして技術基準を策定をする、そのための調査、あるいは、先ほど来から御議論ありますとおり、受信環境整備に向けた周知、啓蒙活動というものが必要になってまいります。
 それプラス、電波の漏えいに対応するために、宅内配線部分を新しい技術基準に適合したものとなるように改修する工事というものが必要になってまいりますので、それに対する一定の支援というものを可能になるために、今回電波利用の共益費用の使途を一部拡大をさせていただきたいということでお願いしているところでございます。
○山本博司君 今回の電波利用の料額の改定に関しましては、電波法附則の第十四項の規定におきまして、平成二十九年から三か年に及ぶものとして定められておりますけれども、この料額は今後も継続されるということでいいのかどうか。今後も、これからIoTの進展など電波利用の需要が増えることが予測されておりますけれども、この六百二十億円という予算規模、これが急激に増加して、次回の改定時に電波利用料が大幅に引き上げられるようなことがないのかどうか、この点、確認をしたいと思います。
○政府参考人(富永昌彦君) 今回の電波利用料の見直しでは、今後三年間において必要となる電波利用共益事務の費用を見積もった上で、三年間を通じてその費用を賄えるよう料額を算定しております。具体的には、必要となる費用をそれぞれの無線局の使用周波数、設置場所、出力や無線局数等を勘案いたしまして、無線局の免許人に公平に負担いただくことになるようにしております。
 今後本格的なIoT時代の到来により増加すると想定される携帯電話等の端末でございますけれども、使用する周波数幅に応じて上限を設定し、端末数が上限を超えても負担が増えない措置を前回の料額改定時と同様に今回も適用しております。それから、免許人の負担が急激に変化しないよう、算定額の料額が従来の料額と比較して二割を超えて増加しないようにする激変緩和措置につきましても、前回の料額改定時と同様に適用しております。
 こういった電波利用料の見直しの考え方につきましては、有識者における懇談会において、免許人からの意見、それからパブリックコメントの結果も踏まえながら検討してまいりました。今後の電波利用料の見直しでございますけれども、実施すべき事務ですとか料額算定の在り方につきましては、これまでと同様に、電波利用料を負担する免許人の意見を踏まえながら各免許人の負担が適切になるよう検討してまいります。
 以上でございます。
○山本博司君 大幅な形の引上げはないということでございますけれども、この使途の追加の中に、4K、8Kの普及促進のための衛星放送受信環境整備に関する支援、これが含まれております。4K、8K放送は、超高精微な画質による放送でございまして、立体感また臨場感ある映像を楽しめることから、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた普及促進、これが期待をされております。
 4K、8Kにつきましては、平成二十七年からケーブルテレビ等による実用放送が開始し、昨年からはNHKなどでは試験放送がスタートしております。一昨年七月に総務省が公表したロードマップによりますと、二〇二〇年の目指す姿として、先ほども御指摘ありましたけれども、4K、8K放送が普及し、多くの視聴者が市販のテレビで4K、8Kの番組を楽しんでいると、こう記されております。
 二〇二〇年に向けて着実な推進ということが大切でございますけれども、ただ、現在市販されている4Kテレビは、平成三十年開始予定の4K、8K実用放送の受信機能は搭載されておりません。これを視聴するには今後発売が見込まれるチューナー等の機器が別途必要になるなど、こうした課題解決を進めなくてはならない点でございます。
 官民が連携した取組が求められていると思いますけれども、この4K、8K放送の普及促進に向けて今後どのように進めていくのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(南俊行君) お答え申し上げます。
 関係事業者と一緒に4K・8K推進のためのロードマップというものを作りまして、それに沿って今取組を進めているところでございまして、先般、十一社の事業者の十九チャンネルが来年十二月以降実用放送をスタートするというめどが立ったところでございます。
 普及に当たりましては、御案内のとおり、視聴者の皆さんにその良さをきちんと選択をしていただく必要がございます。したがいまして、4K、8Kならではの魅力的なコンテンツをいかに多く提供するかということが重要になってまいります。
 また一方、先生御指摘のとおり、今市販されている4Kテレビでは当然には新しい衛星放送は受信できませんので、別途チューナーが必要であるというところの視聴方法に関する十分な周知、啓蒙が必要であると。先ほど来、まだまだ不足しているという御指摘をいただいているところでございます。
 現在、周知・広報戦略というものを取りまとめて、まずは総務省の努力として、リーフレットやPR動画を作って家電量販店に配布させていただいていますが、まだまだ数も足りていないというふうに思っております。これからは総務省だけの努力ではなく、放送事業者の皆さん、あるいはメーカー、家電量販店の皆さんにもお加わりいただいて、もう少しこの周知、広報を徹底するという観点から、先般連絡協議会というものを発足させていただいたところでございますので、これからは連携を強化しまして、この秋口ぐらいにはこの戦略を更にブレークダウンして肉付けしたような具体的なアクションプランというものをこれから作ってまいりたいと。今年の十二月一日が来年放送開始のちょうど一年前でございますので、それに向けてギアアップをしてまいりたいというふうに考えてございます。
○山本博司君 しっかりこの4K、8Kの普及促進に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 また、この電波利用料の使途の中で、電波資源拡大のための研究開発等の予算が、昨年までの百七億円から今年度の予算では百九十二億円とほぼ倍増に近い形となっております。
 近年、無線局の急激な増加によりまして周波数の逼迫状況が生じておりますけれども、こうした状況を緩和して、新たな周波数需要に的確に対応するための電波の有効利用を図る必要がございます。そのための研究開発、これは大変重要でございまして、この増額をした研究開発予算、今後どのように活用していくのか、お聞きをしたいと思います。
○副大臣(あかま二郎君) ただいま委員御指摘ございましたように、周波数の逼迫状況を緩和する等のために、電波資源の拡大のための研究開発、これを実施しなければならないという話の中で、具体的にでございますけれども、本格的なIoT時代を支えるICT基盤として、超高速に加え、多数のものが同時にネットワークにつながる多数接続、遠隔地においてもロボット等の操作をスムーズに行うことができる超低遅延といった特徴を有する5Gを導入するための技術、さらには、4K、8K等の導入に当たり、超高精細の映像を周波数の利用効率を高めつつ伝送する技術、また、増大するIoTの需要に的確に応えるため、周波数の共同利用を促進する技術などの研究開発を推進するとともに、東京オリンピック・パラリンピック大会に必要となる電波の確保のための周波数共用の技術試験に取り組むこととしております。
 加えて、5G等の実現のために、国際的に調和の取れた周波数を確保するとともに、周波数の利用効率の高い無線技術の国際標準化、これを推進していくこととしております。さらに、我が国が強みを有する無線技術や無線システムが海外においても活用されるようにするため、現地での共同実証試験や技術導入に関する政府間対話などを推進することとしております。
 総務省といたしましては、我が国の電波産業の更なる発展も念頭に置きつつ、より一層電波の有効利用を推進するため、引き続き電波資源拡大のための研究開発等にしっかりと取り組んでいく所存でございます。
 以上です。
○山本博司君 今お話がございました周波数の有効利用に資する第五世代移動通信システム、5Gの実現に向けて、この研究開発、大変重要でございます。
 現在我が国では、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、世界に先駆けて現在の一千倍、十ギガbps以上の高速度の5Gの実現を目指して産学官が連携して今オールジャパンでの取組を強力に推進をしていると思います。5Gは超高速だけではなくて多数同時接続や低遅延といった特徴を有しておりまして、我が国の経済成長に不可欠な今後のIoT時代のICT基盤として早期実現が期待をされております。
 しかし、この5G実現に向けた大きな課題として周波数帯の確保があります。5G用の周波数につきましては、今世界各国で戦略的な検討が進んでおりまして、我が国のニーズに十分に応えることができる5G用周波数をしっかり確保できるように、ITU、国際電気通信連合でございますけれども、その国際標準化の議論におきましては国際間の連携を密にして、日本の、我が国の提案が反映できるように尽力をいただきたいと思います。
 現在様々な形で取組が進められておると思いますけれども、この5Gの国際標準化に向けた取組状況について御報告いただきたいと思います。
○政府参考人(富永昌彦君) 5Gの国際標準化につきましては、委員御指摘のとおり、ITU、国際電気通信連合におきまして、先進的な国ですとか地域の参加の下に、5Gの早期実現を目指しまして周波数それから技術の標準化に関する議論、活発に行われております。
 私ども、我が国においては、5G用周波数確保に向けた検討を情報通信審議会において進めておりまして、また、5Gを実現するために必要となる要素技術の研究開発などに積極的に取り組んでおります。
 5Gは本格的なIoT時代のICT基盤ということで、グローバルに展開されることが期待されております。総務省といたしましても、我が国における取組の成果ができる限り多く国際標準に反映されるようしっかりと取り組んでまいります。
 以上でございます。
○山本博司君 ありがとうございます。
 これは国際協調が大変重要であると思います。昨年の十月ですけれども、スイス・ジュネーブで行われましたIPUの国際会議に参加した際に、このITU、国際電気通信連合本部を訪問をいたしました。その際に邦人職員の方々と懇談をさせていただき、ITUの歴史や概要とか活動状況をお伺いをさせていただきまして、施設の中も見学をさせていただきました。
 ITUは、国際的な周波数の分配や電気通信の標準化、また開発途上国に対する技術援助などを行う国連の専門機関でございまして、我が国は一八七九年に加入し、全職員今約七百十名のうち邦人職員は七名が勤務しているということでございました。
 先ほどの5Gの課題だけではなくて、IoTの新たなICTが生み出すイノベーションや経済成長、これを支える情報の自由な流通やサイバーセキュリティーの確保、またICTを活用した様々な地球規模課題の解決やデジタル連携の実現など、国際社会と協調して取り組む上で日本が果たすべき役割というのは大変大きいということも痛感をしてまいった次第でございます。
 このITUに対しましては、日本は加盟国中最高水準の分担金を負担しておりますけれども、今後の国際的な意見交換、また情報収集を行うことを考えますと、存在感をもっと示すべきと思います。総務省からも職員が派遣されているということでございますけれども、七名というのは少ないのではないかと思います。
 大臣にお伺いしますけれども、更に邦人職員を増やすべきと考えますけれども、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) ITUの事務局職員でございますが、最新の数字で六百九十名でございます。うち七名が日本人で、その中の四名が総務省の出身者でございます。この国際標準化の議論及び決定につきましてはITU内の十九の研究委員会で行われていまして、この議論を主導する上では、事務局の職員を増やすということも大事でありますし、併せて研究委員会の議長、副議長ポストを獲得するということも重要でございます。現在十二名の日本人が議長、副議長を務めておられます。
 総務省では、邦人職員の増加に向けては公募情報の共有や候補者の推薦、議長、副議長の増加に向けては民間企業の知見を持った方々への立候補の要請ですとか立候補後の他国への支援要請などを行っております。引き続き力を入れて取り組んでまいります。
○山本博司君 是非とも大臣、この支援、お願いをしたいと思います。
 次に、ユニバーサルサービス料に関しまして伺いたいと思います。
 現行のユニバーサルサービス制度では、電気通信事業法第七条に基づきまして国民生活に不可欠な通信サービスとして全国あまねくサービスを提供することが義務付けられておるNTT東西の固定電話について、その赤字の一部を補填するために使われております。しかし、携帯電話の普及が進み、ワイヤレスサービスの進展を考慮すると、固定電話の維持に特化したこのユニバーサルサービス制度をいかにつくり変えていくかということが大きな課題になっていると考えます。
 経済合理性が低い山間部や離島などの条件不利地域における一定のICTインフラの整備、維持、これは確保した上で、制度の見直しの際は広く国民的な同意を得ることが必要でございまして、利用者に過度な負担を強いることにならないように検討すべき時期に来ているのではないか、こういう意見もあると伺っております。
 これまでの情報通信審議会の答申も踏まえまして、このユニバーサルサービス料の見直しについてどのように考えているのか、認識を伺いたいと思います。
○副大臣(あかま二郎君) お答えをいたします。
 現在の電気通信のユニバーサルサービスは、固定電話、第一種公衆電話、それらからの発信される緊急通報が対象となっております。固定電話は、現在、地域や高齢者のライフラインとしても、また災害等の非常時の通信手段としても重要であり、全国あまねく安価な料金で公平に安定的に提供されることが求められるサービスと認識をいたしております。
 将来におけるユニバーサルサービスの在り方については、技術革新の動向を見つつ、今後どのようなサービスが最低限度のサービスとして利用者から求められるのか見極めながら適宜適切に検討をしてまいりたいと思っております。
 以上です。
○山本博司君 今ユニバーサル料金は二円からこの七月には三円に上がるということも言われております。やはり、しっかりこの検討、大変大事でございますので、こうしたことに関しまして進めていただきたいと思います。
 次に、このユニバーサルサービス制度に関連いたしまして、電話リレーサービスに関して伺いたいと思います。
 電話リレーサービスといいますのは、聴覚障害者と電話の相手先である健聴者との通話の際に、通訳オペレーターが手話や文字と音声を仲介また通訳することによりまして電話で即時に双方向につなぐことが可能となるサービスでございます。ファクスやメールでは何度もやり取りを繰り返すことがございますけれども、電話リレーサービスを活用すれば一回で済む場合が多いため、迅速で効率的であるということから、聴覚障害者の方にとりましては便利なサービスとなっております。
 電話リレーサービスは先進国二十か国以上で既に導入をされております。公共サービスとして提供されておりますけれども、我が国は残念ながら実現をされておりません。日本では民間団体による支援で実施されておりまして、東日本大震災や昨年の熊本地震などの災害時でも大いに利用されました。
 導入している諸外国では、この費用はユニバーサルサービス料金から賄われておりまして、二十四時間三百六十五日対応の通訳料に充てておりますので、聴覚障害者がこの通訳料金を負担することはありません。
 国連の障害者権利条約第九条及び我が国の障害者基本法第二十二条では、障害者が電気通信を利用できるための施策を講ずることを国と地方公共団体に求めております。聴覚障害者の電話利用の機会を確保することは社会参加に欠くことのできないものでございまして、国民生活に不可欠な公共サービスとして提供すべきではないかと考えております。
 是非この電話リレーサービスへの何らかの支援を検討していただきたいと思いますけれども、この聴覚障害者への情報アクセシビリティーに対しまして総務省、また厚労省に認識を伺いたいと思います。
○政府参考人(富永昌彦君) お答え申し上げます。
 情報アクセスの格差を解消し、聴覚障害者のコミュニケーションを確保することは、我が国においても重要な課題と認識しております。昨今の情報通信分野の技術革新やブロードバンド環境の拡大により、御指摘の電話リレーサービスに加え、様々なコミュニケーションツールが登場してきております。
 例えば、情報通信研究機構では、スマートフォン同士の通話で音声と文字をリアルタイムに変換する「こえとら」と申します聴覚障害者支援アプリを開発いたしました。このアプリにつきましては、主要電気通信事業者の協力を得て、平成二十七年二月から無償提供が行われております。それから、携帯電話事業者におきましては、通信相手の会話が聴覚障害者のスマートフォンの画面にリアルタイムに文字で表示されるシステムを開発し、無償提供を開始しております。
 総務省といたしましては、聴覚障害者のコミュニケーション環境が向上するよう、電気通信事業者等とも協力しながら今後も取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。
 聴覚障害者の方が一人で電話を掛けられるように支援をする電話リレーサービスでございますが、聴覚障害者の地域生活における自立のためにも大変重要な取組であると認識をいたしております。
 厚生労働省におきましては、平成二十九年度から新たに事業を予算化しているところでございます。具体的には、聴覚障害者情報提供施設に対しまして、手話通訳や文字通訳に対応するオペレーターを配置して、電話リレーサービスの提供体制を確保するという事業を予算化しているところでございます。
 また、平成二十九年三月二十八日に決定されております働き方改革実行計画の工程表におきましても、電話リレーサービスの実施体制の構築に取り組むということを明記をしておりまして、引き続き聴覚障害者の支援に努めてまいりたいと考えております。
○山本博司君 これは今回、平成二十九年度から厚労省が、千百五十二万円、実施は四か所ということで、本来はもっと大幅な予算を想定されていたわけですけれども、削られてしまったという経緯がございます。これは、やはり総務省も含めてしっかりとこの点に関しましては検討いただきたいなと。大臣のところに日本財団の笹川会長からもそうした申入れがあったというふうに聞いておりますけれども、しっかりこの点に関しましてはお願いを申し上げたいと、政府としてこのことに関しまして更に充実ができる環境をお願いしたいということを申し上げたいと思います。
 最後に、災害時の通信手段の確保についてお伺いをしたいと思います。
 東日本大震災におきましては安否確認への利用など、被災地では携帯電話の通信規制や停電によりまして基地局の機能停止が続きました。通信手段の確保が大きな課題であり、ICTの重要性が改めて認識される一方、通信インフラの脆弱性が浮き彫りになり、そこで、災害時には電話以外の通信手段の確保が重要となっております。
 そういう意味で、災害時におきまして医療救護活動などの災害応急活動が円滑に進むように、携帯電話が使えないことを想定しました非常用通信手段の確保を推進すべきと考えますけれども、この認識をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 総務省におきましては、大規模災害時の非常用通信手段の在り方に関する研究会を開催いたしまして、昨年六月に取りまとめを行いました。災害時に医療救護活動を行う関係機関ごとに確保すべき衛星携帯電話等の非常用通信手段、それから推奨される性能、設置、操作における注意点などに関するガイドラインを策定いたしまして各都道府県宛てに周知を行ったところでございます。
 また、この研究会の検討を受けまして、医療救護活動などにおいて非常用通信手段の適正な利用を促進するため、全国十一か所で研修、訓練などを実施し、非常時に通信機器を操作、運用できる人材の育成を推進する取組を本年度から開始することとしております。
 また、このほか、地方公共団体のWiFi環境の整備なども進めているところでございまして、総務省として、引き続き、災害時に通信手段を有効に活用するための取組を積極的に推進してまいりたいと考えております。
○山本博司君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。