強度行動障がい支援加速へ/専門人材の育成必要/孤立する職員、家族支えよ

強度行動障がい支援加速へ/専門人材の育成必要/孤立する職員、家族支えよ

■サービス利用、延べ7万人

 知的障がいを伴う自閉症などのうち、自傷や物を壊すといった行動が頻繁に起こる状態を指す「強度行動障がい」。全国で延べ約7万人が関連の障がい福祉サービスや支援を受けているが、地域での支援体制については課題も残る。今年3月には厚生労働省の検討会が報告書をまとめ、支援強化に向けた動きが加速。公明党も先月、障がい者を有期限で受け入れる国立重度知的障害者総合施設「のぞみの園」(群馬県高崎市)で関係者の声を聴くなど、施策の充実に取り組んでいる。

 のぞみの園には、行動内容を示したプレートなど、当事者が生活の見通しを持てるような工夫が数多くある。特定の物事への強いこだわりや感覚の過敏性といった特性に環境がうまく合わず、「分からない」「伝わらない」が積み重なると、人や場に対する嫌悪感や不信感が高まり、状態を悪化させてしまうためだ。

 日詰正文研究部長は「周りの配慮が進んで、安心していられる場所が増えることが大事だ。地域で孤立する事業所職員や家族を支える人も実践的に育てないといけない」と訴えた。

■(厚労省が報告書、骨太方針にも記載)公明、現場の声聴き、取り組み推進

 強度行動障がいは後天的に生じるもので、適切な支援をすれば和らぐとされる。一方、対応の難しさから虐待のリスクが高く、都道府県では支援者養成研修が行われてきたものの、受け皿となる施設の少なさなどの課題が残る。厚労省によると、同障がい関連の支援の利用者は2021年10月時点で延べ6万8906人だが、支援につながれていない人もいる。

 このため報告書では、障がい特性を正しく理解し、根拠のある支援をチームで行うことを基本とすると明記。現場で指導・助言を行う「中核的人材」(仮称)や、より専門的な「広域的支援人材」(同)の育成が必要だとした。併せて▽支援ニーズの把握▽受け入れ体制拡充▽在宅やグループホームで生活が難しくなった場合の集中的支援の仕組み導入▽子どもの頃からの予防的支援――も盛り込まれた。

 強度行動障がいを巡って公明党は、障がい者団体から実情を聴きながら施策を推進。今年の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)には、公明党の提言を受け、同障がいがある児童への支援が盛り込まれた。

 党障がい者福祉委員会顧問の山本博司参院議員は「公明党のネットワークで、福祉制度のはざまにある人に光を当てて支援を進める」と強調。報告書の具体化に向け、現場の声を基にして来年度の予算や報酬改定に反映させると決意している。

2023年08月12日 公明新聞 1面