参議院 議院運営委員会 第9号

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。今日は大変にありがとうございます。
 私からは、二点お伺いを申し上げたいと思います。
 一点は、いつも人事官の候補の方に必ず聞く質問の一つでございますけれども、女性や障害者の方々の採用、登用に関しての質問でございます。
 やはり様々な立場な方々がこの行政に参加をするということは大変重要だと思いますし、その意味で、女性の皆様を積極的に登用するとか、特に障害者の方々の登用というのは大変大事だと思っているわけでございまして、今政府全体でも特に障害者雇用に関しましては法定雇用率を二・一%以上上回っておりますけれども、まだまだこうした方々の積極的な採用というのを推進をしていくべきではないかなと思う次第でございまして、この四年間で参考人はどのような形で取り組まれたのか、また今後こうした女性の方とか障害者の方々のこの登用をどう考えていらっしゃるのか、その所見をお伺いしたいと思います。
○参考人(原恒雄君) お答えいたします。
 女性を活用することあるいは障害者の方に就労の機会を与えること、かねてからの大きな国としての課題であろうかと思いますし、いろいろな方針が既に出されているわけでございますが、特に国家公務員の世界におきましては、むしろ民間企業に先んじていろんな施策を展開すべき使命があるというふうに考えてございます。
 特に女性の問題につきましても、スローガンだけ上げてなかなか実が伴わないということではいけないわけでございますが、最近ようやく、かねて目標にしておりましたⅠ種の採用試験者、Ⅰ種という言葉はこれからはやりませんが、現行の制度ではⅠ種採用の女性を少なくとも三割にするようにしたいという目標を立ててまいりまして、ようやくそういった形が採用段階ではできてまいりました。ただ、幹部職に女性の公務員がどれだけ活躍しているかということになりますと、かなり限られているのが実情でございまして、まだまだ国としての取組、そういったものも必要になってくるかと思います。
 障害者の問題につきましても、一応の定めをし、それに基づいてそれぞれやっておりますが、やはりこれはより積極的に動かないとなかなか効果が出てこない事柄でございますので、今後の人事行政の展開の中でもそういった点を大切な留意点に置いて人事行政に当たってまいりたいと考えている次第でございます。
○山本博司君 ありがとうございます。
 二点目は、公務員の意識改革ということで伺いたいと思います。
 これからどんどんいろんな制度の改正というのが行われるわけですけれども、ある識者はこういうふうに言われている部分があります。これから日本全体で改革がどんどん進んでいくけれども、いい制度ができていい組織ができても本当の改革にはならないんだ、新しい時代の公務員制度改革に当たって公務員自身の意識を変えることも最も大事な点なんだと、こういう指摘もあるわけでございまして、こうしたことに関しての御所見をお伺いをしたいと思います。
○参考人(原恒雄君) 御指摘のありましたように、基本は国家公務員そのものが原点に返ってその使命を忠実に果たすということに尽きるわけですが、それをどのようにつくっていくかということで、一人一人が意識改革をすることも極めて大事です。それが組織全体のモラルになり、個人のモラルにつながっていくということだと思います。
 公務員のこれまで非難されているいろいろな事柄の中でどうしようもない残念な事態があることも事実でございまして、こういったものは論外でございますが、公務員のモラルそのものを上げていくためには、やはり公務員がいい意味で、決して悪い意味じゃありません、いい意味でプライドを持って、誇りを持って仕事をする環境をつくるということがそのベースになるものだと思います。
 決して官僚バッシングがあるからといって逃げを言うわけではございませんが、官僚に対する大変物の厳しい見方、正すべきは正さなければいけませんが、そういった部分が社会的にかなり感覚的に大きな部分がございまして、こういったところはやはり公務員一人一人のモラル、組織のモラルを維持していく上ではいささか問題ではあろうかと。そのためには、やはり正すべきことを正した上で、そして官の役割というのはこういうものだということを政の側からもあるいは国民からも評価される形にして官の人間が仕事をするということがモラル向上につながるんだと。
 もちろん人事院としては、研修でございますとかいろいろな役回りがございますので、そういった場面を通じて教育、育成をすることも大事でございますが、やはり根幹にかかわる部分は公務員がきちんと仕事をした上できちんと評価されてということがまず第一ではないかと思います。
 以上でございます。