公明党 参議院議員 山本ひろし

公明党

消費者問題に関する特別委員会

第171回国会 消費者問題に関する特別委員会 第5号
平成二十一年五月七日(木曜日)


山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 今日は貴重な三人の皆様のお話を聞かせていただきまして、本当に朝からありがとうございます。もう長年、この消費者庁の取組に関して一貫して尽力をされてきた様々なお話を聞かさせていただきまして、大変感銘を受けたわけでございます。
 何点か質問をさせていただきながら御確認をしていきたいと思います。
 まず、阿南参考人とまた佐野参考人、お二人にお聞きをしたいと思います。
 阿南参考人のお話の中で、海外の消費者行政の事例の中で、ヨーロッパの支援策ということでの消費者団体等の強化ということでのお話がございました。こういう消費者行政における参考になる海外のそういう具体的な事例ということで、どういったものがあるのか。先ほど、阿南参考人のお話の中ではヨーロッパの支援策ということでお話がございました。もう少しそういう具体的な形での内容に関して教えていただければと思います。

参考人(阿南久君) ありがとうございます。
 海外での支援策ということで、先ほどはスウェーデンの団体活動支援ということを御紹介しました。これは昨年十二月に公表されました国民生活白書の中でも明らかになっておりますけれども、やはりスウェーデンの方では消費者団体の強化というものを消費者政策の柱の一つに掲げて支援に乗り出しているということでありまして、その支援の仕方には団体と活動費とプロジェクトという三つの名目があるというふうにして聞いておりまして、そのプロジェクトの、団体支援の条件としては、消費者団体がスウェーデンの消費者の利益擁護を主な活動目的としているとか、それから二年間の活動実績があるとか、それから全国規模の活動を行っているというふうなことが団体の条件として挙げられていますし、それから条件として、消費者支援のために活動していて、非常に政治的に中立であるとか非営利活動を行っているという団体を対象にしているとか、かなりの、きちんとその基準を決めて支援を行っているというふうなことが述べられておりまして、詳しくは国民生活白書を御覧いただければというふうにして思いますけれども、そのような形で支援をしていくということですので、私はやっぱり、今は日本の仕組みではそのような支援策は、適格消費者団体に対しても余り財政的な支援はないんですけれども、普通の消費者団体に対してはなおのことそういう支援策はありませんので、是非是非そうした制度をきちんとつくっていただいて、私たちの活動がもっと活発にできるようにしていただければなとして考えております。

参考人(佐野真理子君) 海外の事情につきましては、CIと言いまして、コンシューマーインターナショナルという消費者団体、世界の消費者団体が集まった一つの機構があります。それには日本からも幾つかの団体が参加しておりますが、四年に一度ぐらい総会がありまして、私も何度か参加したことがあります。その中で見ていてもやっぱり各国それぞれの特徴がありまして、一概にここがいいからこれを取っていこうというのはやっぱりちょっと無理があるのかなと。
 日本の場合は、消費者団体というのは本当に草の根から、例えば主婦連の場合でも、マッチが、燃えないマッチ、それを何とか燃えるマッチに取り替えてほしいということで、その当時、昭和二十三年、主婦たちが集まってできました。そのように草の根から立ち上がっている消費者団体が主になっていますので、海外の消費者団体と比べるというのも非常に難しい。
 ですから、やっぱり日本は日本なりの支援の仕方というのがあると思いますので、その辺は今の消費者団体の実態を交えながら、是非検討していただきたいと思います。

山本博司君 ありがとうございます。大変重要な視点だと思います。
 阿南参考人にお聞きしたいと思いますけれども、やはり消費者行政、大変これは人が大事でございます。専門家の人材育成という点では大変大事でございまして、そういう人材育成をどうしていったらいいかという、この点に関しまして御見解をお聞きしたいと思います。

参考人(阿南久君) 人材育成という点でいいますと、私ども今全国で消費者活動を組織しておりますけれども、そこでもなかなか活動に参加される方たちが最近は少なくなってきております。
 ですから、やはり地域のいろんな今活動されている団体にそういうふうな支援策を取りながら、そういう参加できる、だれもが、消費者問題に関心を持っている方たちは多いと思いますので、そういう人たちが若い人も含めて参加できるような場をいろいろ設定していくということを消費者団体が推進するということがまず大事かというふうにして思っています。
 ですから、地域でそうした消費者活動のリーダーがどんどん出ていくというふうなことが必要だと思いますし、それから、その点でいいますと、今実際には相談員になろうと、消費者活動の中ですね、私もう絶対相談員になろうというふうな方たちも出てきているんですね。ですから、やっぱりそういう人たちが本当に、消費者センターで働こうとか相談員になって頑張ろうとかというふうな方たちを増やしていくというふうなことを広げていくことが重要かとして思っていますので、本当に消費者の中でそういう消費者問題に関心を持った人たちをつなげていくというんですか、育てていくということが何よりも重要なことかとして思います。

山本博司君 ありがとうございます。
 続きまして、佐野参考人にお聞きしたいと思います。
 参考人の話の中で、消費者行政、消費者目線が重要であるということの中で広報活動、そういったことのお話がございました。そういう中で、広報活動を具体的にどういう形で拡充をしていったらいいかという点と、やはり教育という点でも大変、この委員会でも何回も議論がされている部分でございますけれども、そういう小学校の小学生に対するそういう消費者教育、これをどう推進をしていったらいいかということに関してどのようにお考えになっているのか、この点を少しお聞かせいただきたいと思います。

参考人(佐野真理子君) 小学校の消費者教育、非常に重要でありまして、私どももできるだけ小学校に行っていろいろな環境教育などをしたいと思っていますが、なかなか小学校に入るというのは非常に難しく、いろいろな事件がある中で更に難しくなっておりますので、やっぱり小学校に、もちろん小学校の先生が消費者教育をするということもありますが、私たちのような消費者団体又は相談員の方々がその現場に行って教育をするという形も取れるのではないかなというふうに思っております。
 消費者目線というのは、やはり何事も透明性を確保すること、それから情報をできるだけ開示すること、それが主な消費者目線を取り入れることだと思っておりますので、やっぱりその辺も考えながら子供たちに教育をしていくという一端を私たちが担えればまたうれしいことだと思っております。

山本博司君 ありがとうございます。
 石戸谷参考人にお聞きしたいと思います。
 消費者庁、消費者のための行政のためにということでの視点でございますけれども、その消費者基本法の消費者政策会議の見直しが必要であると、こういう御指摘がございますけれども、具体的にどのような形での御指摘をされているのか、御見解をお聞きしたいと思います。

参考人(石戸谷豊君) 消費者基本法の元は一九六八年の消費者保護基本法でありまして、そのころは一元的に消費者行政担当する部門がないので省庁が縦割りでやるということを大前提としておりまして、それを持ち寄るというのが消費者保護会議というものだったんですけれども、これが全然機能しないではないかということが二〇〇四年の消費者基本法のときに問題になりまして、そのときに消費者行政の一元化というテーマも一応あったんですけれども、それは今回に実現したということで、二〇〇四年のときはそこはちょっと踏み込めなかったと。
 しかし、余りにも消費者保護会議が機能しないので何らか手当てをしないといけないということで、消費者保護会議を消費者政策会議というふうに改めて、消費者基本計画というのを立てて、各省庁が何をやるかというのを企画審議して、実施して、検証して、評価して、監視するというふうな仕組みにしたのが消費者政策会議なんですね。あくまでも、ですので縦割りが大前提なんですよ。
 ところが、今回、この消費者行政一元化で消費者庁と消費者委員会ができたわけですので、当然、消費者行政を一元的に展開する上でもそこを起点にしてやるべきではないかということがありまして、日弁連のパンフレットでも消費者基本法の消費者政策会議の見直しというのをうたっているわけなんですね。
 消費者基本法は第三章に行政機関というのを設けておりますけれども、その中に、消費者センターは二十五条で入れたんですけれども、当然ながらほかの行政機関については何もありませんで、消費者基本法でありながら消費者庁だとか消費者委員会について全く何の言及もないというのもちょっと不自然でありますし、その辺を含めて、やはり消費者庁と消費者政策委員会を縦割りの中にぽんと一つつくって、あとはそのままというのではなくて、横断的なものをつくったことによっていろんな部分が化学変化を起こしながら全体として消費者のための行政に大転換していくというふうな考え方でこのようなパンフレットの作りになっております。

山本博司君 ありがとうございました。
 三人にお聞きをしたいと思います。
 今回、消費者庁、新しく設置をしていくということで、やはりそこに集う公務員一人一人の意識改革、これが大変重要になってくると思います。そういう意味では、三人の皆様はこの公務員の意識改革という点をどのように期待をされているのか、また、このような形でやってほしいということも含めて、お聞かせをいただきたいと思います。

参考人(阿南久君) 本当におっしゃるとおりでございまして、意識改革というのはとても難しいことなんだなとして思います。
 やっぱりこれも消費者が、何というか、国民がというんですかね、消費者が直接、何というか、話すというか議論できるというふうな場がないことが、また現場に基づかない官僚体制を育てていくというふうなことになってしまうんですよね。
 ですから、私は、消団連の会議には時々、問題が起こるたびに、経済産業省ですとか農水省ですとか厚生労働省ですとか来ていただくんですね、どういうことなんだと。やっぱりその中で、いろいろやり取りする中で、消費者が素朴に率直に意見を言い合うという場にどんどん公務員の方たちが出てくるということがやっぱり重要なのかな、その中でやっぱり鍛えられていくのではないかなと思っております。

参考人(佐野真理子君) 職員の意識改革、非常に難しいテーマではありますが、やはり阿南さんと同じように、常に会話をしていくということが非常に大切だと思っています。
 現在でもいろいろな省庁の職員の方と意見交換などをいたしますが、初めて消費者団体の人と意見交換をすると非常にずれているんですよね。それが何回かやっていくうちにやっぱり消費者が何を考えているかという理解をしてくる。それによってやっぱり意識はどんどん変わってきます。
 ですから、やっぱりそういう機会をできるだけ増やす。多分、消費者委員会も一つの大きな役割であって、そこも消費者庁の職員と話をしていくということもあるのではないかなと思います。

参考人(石戸谷豊君) 大変重要な点だと思います。
 それで、意識というものは、それ自体として急に変わるということは通常なかなかあり得ないので、当然ながら制度でありますとか理論的枠組みの変革と同時に、あるいは伴って変わっていくものだというふうに思っております。
 今回、消費者庁と消費者委員会が制度としてできまして、衆参両院を通じて審議をずっと可能な限り傍聴させていただきましたけれども、全党、行政を消費者のため、生活者のために大転換するんだということを出していただいて大変感動しておる次第です。そういう意味では、制度の変革を伴いながら意識も転換していくんだなというのを実感しておりまして、理論的な枠組みといいますかバックグラウンドの整備の方についてもできるだけ、実務的な面含めまして、日弁連の方としてもバックアップしていきたいと思っております。

山本博司君 大変貴重なお話、ありがとうございました。
 以上で終わります。