公明党 参議院議員 山本ひろし

公明党

厚生労働委員会

第3号 平成19年10月30日



午後一時三十分開会



○委員長(岩本司君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。

 休憩前に引き続き、国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。

 質疑のある方は順次御発言願います。



○山本博司君 公明党の山本博司でございます。今回が当選以来初めての質問になります。どうかよろしくお願いいたします。

 我が国の年金制度は二十歳以上のすべての国民が加入対象となる国民皆年金制度であります。よって、国民の年金制度に対する信頼が何よりも大切です。信頼を回復するためには、年金記録問題の解決や制度運営の改革を始め、不断の努力を断行しなくてはなりません。

 今回議題となっております法案では、保険料は給付以外には使わないとする民主党案と、年金給付と密接不可分な経費には保険料を充てるとするさきの通常国会で成立した社会保険庁改革法との考え方が真っ向からぶつかっております。

 この違いを明らかにするために何点かお聞きしたいと思います。まず、提案者にお伺いいたします。

 この法案では、年金保険料を年金事業の運営費には一切使わず税で負担をするという仕組みになっておりますが、保険料でなく税負担にするのはなぜでしょうか。根本的な考え方、理念を教えていただきたいと思います。



○足立信也君 非常に本質的といいますか、非常に広い概念の御質問でございますので、多少時間掛かるかもしれませんが、答弁させていただきます。

 そもそも、午前中の議論で度々出ておりますが、昭和三十四年、国民皆年金、公的年金制度を導入すると、それに当たって国民の認識は、先ほど坂田元大臣の答弁もございましたように、国民の認識は年金保険料は全額給付に回り有利であるということが認識されておったわけです。そして、これも先ほど来何度か出ました全国紙の世論調査では、国の年金制度を信頼していないとする人が七六%に上っていると。この何としても信頼を回復しなければならない、これはもう議員おっしゃるとおりでございます。

 そこで、我々がその手段として選んだ方法は、貴重な年金保険料が、先ほど来これも何度も出ていることでございますが、保険給付以外に使われたということが年金不信を招いた大きな要素であるという認識に立って、保険料は給付以外に一切使わないことを国会が国民の皆さんにお約束することがまず何より大事だという結論に至ったわけでございます。

 これも先ほどデータで申し上げましたが、ある民放の世論調査によりますと、年金保険料は年金給付に限り、事務費などは税金で賄うべきだが過半数、五二・四%を占めております。そして、年金事務費などに充ててもよいというのは三一%でございます。これも、先日行われました参議院選挙の結果もある意味これに近い民意を表しているんではないかと私はとらえております。

 そこで、ちょっと条文の、今回、百六十六国会で改正されてまだ施行されておりませんが、それに関連して条文の構成を少し説明しておきたいと思います。

 まず、これ国民年金法それから厚生年金保険法、ほとんど同じ条文でございますので、国民年金法で説明します。八十七条で年金事業に要する費用に充てるため保険料を徴収すると、そのようになっております。そして、八十五条で年金事業の事務の執行に要する費用は年金事業に要する費用から除外されているんです。これは八十五条で、「国民年金事業に要する費用(次項に規定する費用を除く。以下同じ。)」ということで、年金事業の事務の執行に要する費用は年金事業に要する費用から除外されていると、これがあるわけです。そこで、七十四条にこれは福祉の必要な施設をすることができるという規定を設け、そして前通常国会ではこの八十五条の部分、「以下同じ。」を削除することによって、年金にかかわる事務費は保険料を恒久的に使い得るという改正がなされたわけでございます。

 そこで、例といたしましてグリーンピアを、今まで年金給付以外に保険料が使われていたという項目は、年金事業運営に直接かかわる事務費と福祉施設費、この二つでございます。グリーンピアを始めとする福祉施設費については、さきの通常国会で、先ほどから申し上げております国民年金法の第七十四条及び厚生年金保険法第七十九条の福祉施設の規定を削除する代わりに、教育及び広報等への保険料充当が可能とする改正を行いました。



○委員長(岩本司君) 簡潔に願います。



○足立信也君 はい、分かりました。

 本法案では、その改正を行わずに、当該規定を削除することにより、教育及び広報等への保険料充当を禁止することといたしたわけでございます。

 つまり、七十四条に規定する部分、そして八十五条に規定する部分、年金給付以外に使われている保険料というものを、先ほど来申し上げておりますように、給付以外には一切使わないという姿勢に立って、その部分を国庫負担とするというふうに改めてしたわけでございます。これが原点に立ち返り給付以外には保険料を使わないんだという姿勢を示している国民に対するメッセージだと、私はそのように解釈しております。



○山本博司君 根本的な考え方、理念を聞いたんですけれども、深い理念があるというふうには感じられない答弁だったように思います。

 次に、厚生労働省に伺います。

 社会保険庁改革法では、これまで平成十年度から実施されていた事務費に保険料を充当できるとする特例措置を恒久措置に変更いたしました。この変更した理由についてお答えいただきたいと思います。



○政府参考人(吉岡荘太郎君) お答え申し上げます。

 我が国の公的年金制度は、社会保険方式に基づき運営されております。この中で、受益と負担の明確化の観点から、保険運営上必要な経費に保険料財源を充てることは妥当なことであると考えております。

 こうした考え方から、先般の社会保険庁関連法の改正によりまして、年金給付と密接不可分な事務費でございます例えば年金手帳や保険料納付書の作成、郵送費等の経費に保険料を充てることを制度化したものでございます。

 以上でございます。



○蓮舫君 お言葉でございますが、先ほど深い理念が感じられないという御指摘をいただきましたので、私から補足をさせていただきますと、山本議員におかれましては、この夏の選挙を御当選されるまでは、一国民として正に社会保険庁が行ってこられた年金の様々な不祥事に対してお怒りですとか憤りをお感じになっていると思います。

 その部分を私どもは酌みまして、横領あるいは消えた年金記録等の問題が二度と起きないようにする、国民が国家の制度を信じられないという不幸は、これ以上はないとは思っておりますので、そのまず第一歩として年金保険料は給付以外に使わないとの目的で今回の法律を出させていただいている次第でございます。



○山本博司君 初めての質疑ですので、しゃべらせていただければと思いますけれども。

 続いて、厚生労働省にお伺いいたします。保険料を年金事務費に充当している事例について厚生労働省にお伺いします。

 我が国の年金制度以外の保険制度において、事務費の負担財源を税だけでなく保険料でも充当している事例があれば説明いただきたいと思います。



○政府参考人(吉岡荘太郎君) 我が国において運営されております他の保険制度におけます事務費の財源につきましては、一つ、雇用保険につきましては保険料及び定額の国庫負担により賄われております。また、労働災害補償保険におきましてはこれは全額保険料で賄われております。これらの保険制度におきましては事務費に保険料を充てることを基本としているものと理解しております。

 以上でございます。



○山本博司君 それでは、さらに諸外国の年金実施機関の事務費におきまして保険料を財源としている事例があれば教えていただきたいと思います。厚生労働省にお伺いします。



○政府参考人(吉岡荘太郎君) お答え申し上げます。

 諸外国におけます年金制度におきまして、年金給付を行ういわゆる年金実施機関の事務費につきましては、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランス及びスウェーデンのいずれの国におきましても保険料を事務費に充てているところと承知しております。

 また、イギリスの場合でございますが、年金保険料の徴収は、これは年金給付を行う実施機関とは別の機関でございます歳入関税庁で行っておりますが、やはりこの歳入関税庁によります保険料の徴収の事務費につきましては保険料財源で支出をされていると、このように承知しております。

 以上でございます。



○山本博司君 今ありましたように、他の保険制度であるとか諸外国の事例、先ほどニュージーランドの話もありましたけれども、税財源のみで年金事務費を賄っている制度というのはほとんど見当たりません。

 こうした他に例を見ない仕組みを我が国の年金制度で行おうとすることを提案者はどのようにお考えでしょうか。



○委員以外の議員(大塚耕平君) 午前中の坂本委員からの御質問とも重なる部分がございますわけですが、確かに諸外国の事例というのは国の運営に当たって大変参考にはなると思っております。ただ、各国それぞれの事情に応じて年金制度の運営はやはり考えるべきだと思っておりますので、必ずしも、諸外国に例があるからそれですべていいとか悪いとかという判断にはならない部分もあるのではないかなと思っております。

 その上で二点申し上げさせていただきますと、一点は、午前中の議論にもありましたように、そもそも日本の年金制度においてはその事務費は国庫が負担するという、そういう思想に基づいてこれまで、平成九年までは運営されてきたわけでございますので、その考え方自体は大変私どもは意味があったというふうに思っております。

 二点目は、その上で、財政事情が厳しい折から平成九年以降御承知のような措置が行われて、今年の常会で保険料で事務費を賄う恒久化措置が決まりまして来年の四月から始まるわけでございますが、そういう中において、諸外国に例がないのに再び原則どおり、政府の当初の方針どおりに戻すのはいかがなものかということなんですが、ここは非常に、是非社会保険庁にもお調べいただきたい点なんですが、逆に申し上げれば、それほど国民の皆さんの信頼が失墜するような事態を我が国の年金制度は招いているということでありまして、諸外国において日本の今回の年金保険料の目的外の使用であるとかあるいは遊興費に使ってしまうとか、これだけ社会問題化した事例が諸外国に果たしてあったのかどうかということでございます。もし、これに該当するような事例が諸外国になかったとすれば、まさしく諸外国で例を見ない事態が起きているわけでございますので、この公的年金制度のサステナビリティーを守るためにも、信頼性回復のために、私どもの法案が御提案申し上げておりますかかる処置は必ずしも不合理なものではないというふうに理解をしております。



○山本博司君 いずれにしても、財源が税であれ保険料であれ、国民の負担であることは変わりありません。国民の期待は、無駄を徹底的に排除することであります。

 政府は、社会保険庁改革の中でも無駄をなくすためにはどのような措置を講じているのでありましょうか。また、予算執行における透明性の確保のため、国民への公開の在り方をどのように考えているのでしょうか。厚生労働省にお伺いします。



○政府参考人(吉岡荘太郎君) お答え申し上げます。

 現在、社会保険庁の予算は毎年度、他部局の予算と同様に、当然のことながら国会で御審議をちょうだいをしているものであり、また予算編成過程におきまして財政当局による査定を経ております。さらに、会計検査院の検査も事後的に受けるなど、その予算の使途あるいは費用対効果など、事前事後のチェックを受けているところでございます。

 一方、予算執行に当たりましても、物品等の調達におけます競争性及び透明性を確保し、さらには調達コスト削減に向けた積極的な取組を推進をしているところでございます。

 具体的には、社会保険庁本庁で調達をいたします物品等にかかる案件につきましては、平成十六年十月に設置しました、民間からの実務経験者にも御参加いただいております社会保険庁調達委員会におきまして、個々の案件ごとに調達の必要性、数量、契約方法等を審査しております。特に社会保険オンラインシステム等のシステムの開発につきましては、民間のシステムに精通したCIO補佐官など、外部の専門家が参加いたしますシステム検証委員会におきまして開発規模等の妥当性を精査した上で調達すると、このような取組をしております。

 また四十七の地方庁におきましても、平成十七年四月に全国の社会保険事務局に契約審査会を設置いたしまして、調達の必要性、数量、契約方法等を審査をしております。また、平成十七年四月に本庁に監査指導室を設置いたしまして、内部の会計監査の強化も併せて図っております。

 また、お尋ねの国民への開示等でございますが、こうした取組を進めるとともに、年金保険料の使途が国民の目に明らかになるよう社会保険庁のホームページで予算の内容を公表するなど、一層の透明化を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○山本博司君 国民の期待にこたえるように、更にしっかりとしたチェック体制をお願いを申し上げたいと思います。

 次に、今回の法案では、税負担として必要となる経費を平年度約二千億円の見込み、このようにしてございますけれども、そこで提案者にお伺いいたします。この積算の根拠をお示しいただきたいと思います。



○委員以外の議員(大塚耕平君) 積算の根拠というのは、現時点ではこれまでの経験値に基づいて二千億、おおむね二千億ということを申し上げているわけでございます。

 午前中にも何度かお答えを申し上げましたが、平成十九年度予算では二千三十九億というふうに計上されている部分でございます。ただ私どもは、これも再三お話をさせていただきましたが、二千三十九億の今回の平成十九年度予算に盛り込まれているものも、もっと効率化、節減できる部分があるのではないかというふうに思っておりますので、言ってみれば二千億を上限として、それはこれまでの経験値を根拠として、上限としてそれ以下に抑えられるのではないかというふうに推測はしておりますが、これは、もしこの法案をお認めいただければ、その後に実質的にどうなのかということは、事実関係を一緒に検討させていただければ幸いであると思っております。



○山本博司君 次の質問に移ります。

 社会保険庁改革法では、これまで必要な施設をつくることができる旨の規定を廃止し、年金保険料をグリーンピアなどの福祉事業に充てることを取りやめました。その上で、年金相談、年金教育及び広報、情報提供などの事業の範囲を限定列挙しております。しかし、広報・教育センターなどの名目でいわゆる箱物を建設するのではないかと懸念を示す方もおられます。

 こうした指摘に対し、厚生労働省としての見解をお伺いいたします。



○副大臣(西川京子君) 山本委員にお答えいたします。

 今日も、先ほどからもうお二人の先生方からも同趣旨の御質問をいただいておりますが、今回の民主党提案の議員立法に先駆けて、平成十六年のこの年金関連法の改革によって、本当に年金事務にかかわる、そして本当に確実な、それに直接にかかわるもの以外は一切使用しないということを明確に法の中でうたっているものでございますので、教育センターやあるいは広報センターといった箱物は一切つくらないということは大臣共々明言させていただきます。



○山本博司君 年金運営に対する国民の不信感というのは今大変高い形でございます。これを払拭し信頼される年金制度にするためにも、無駄の排除を徹底していただきたいと思います。

 次に、附則についてお伺いいたします。

 この法案の附則の第二条には、この法律の施行に伴う関連法律の整理及びその他の必要な事項については、別に法律に定めると、こうございます。今回、この法案のみ提出され、関係法律整備の法案は提出されておりません。なぜ同時に提出しないのか、お答えいただきたいと思います。



○委員以外の議員(辻泰弘君) 御指摘のように、私どもの今回の御提案の附則におきまして、第二条におきまして関係法律の整備等を規定させていただいているところでございますけれども、この別に法律で定める事項と申しますのは、日本年金機構法、あるいは被用者年金制度の一元化、今一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、これは現在衆議院で継続になっているものでございますけれども、この二つがかかわってくるわけでございます。

 それで、なぜそこに全体を変えなかったのかということの御質問だと思うわけでございますけれども、今回の私どもは流用禁止に限っているわけですけれども、ただいま申し上げました日本年金機構法は私どもからいたしますと歳入庁の創設ということを言っておりまして、根本的に私どもとしては賛成しかねる内容の法案であったわけでございます。それ以外にもあったわけでございますけれども。

 それから、一元化法案につきましても、私どもは国民年金と被用者年金制度全体の全的一元化ということを申し上げているわけでございまして、その意味からも今衆議院で継続審議されている法案について根本的に私どもはスタンスを異にするわけでございます。

 そういった意味で、そのことをここに加味いたしますと、そのことを前提とするということに論理的になることになりますので、そういった意味でそのことは別に定めると、こういった形にしているということでございます。



○山本博司君 次に、財源について提案者にお伺いをしたいと思います。

 厳しい財政状況の中で約二千億もの財源ということで、どのように確保しようとしているのか。先ほど午前中もございましたけれども、簡潔にもう一度お話をいただきたいと思います。



○委員以外の議員(大塚耕平君) それでは、繰り返しになって恐縮でございますが、二千三十九億、平成十九年度予算、おおむね二千億の財源、どのように捻出するか。まず、厚生労働省の予算の枠内で御努力いただきたい。考え方としては四つです。

 一つは、法案が成立すれば、それに必要な予算措置というのは当然予算を編成する過程で行うのが政府の仕事でございますので、予算編成の過程で何らかの形で捻出をしていただきたいという、これはお願いでもありますが、まずこれが大原則の一であります。

 しかし、二番目として、過去の決算、予算を拝見いたしますと、二千億近い不用額が発生しておりますので、それらの不用額についてより精査をして、事前に何がしかの対応が図れないかというのが二点目でございます。

 三点目といたしましては、予算を費目別にしっかりと分析をいたしまして、確かに事業ごとではなかなかこの予算は要らないんではないかと言いにくいものが多うございますが、費目別に横ぐしで分析をすることによって何がしかの工夫の余地があるのではないかと思っております。

 四番目に、新規予算、増額予算の中から不要不急のものを捻出をする努力をしなければならないと思っております。新規予算等増額分については、数字は午前中に申し上げたとおりでございますので繰り返しません。ただ、午前中に申し上げなかったことといたしましては、減額予算の集計は行っておりませんが、減額予算の申請であっても減額が足りないようなものもあるかもしれませんので、そういうものについても今後検討することによって何がしかの財源の根拠にはなり得るのかなと思っております。

 最後に、五点目でございますが、これは他省庁との予算のバランスを勘案し、政府全体として予算を捻出する余地を拡大をしていただければと思っております。



○山本博司君 今、国民がこの二千億という財源、どういう形で民主党の方が提案をしてくるのか、具体的な形のものを知りたいという、それ皆さんの希望だと思います。

 今、じゃ、具体的な形でお話になられた、五項目ございましたけれども、例えば不用額ということで、年度によってどんどん違いがございます。そういう、例えば不用額であれば厚生労働省の範囲の中で何割ぐらいまでカットするのかと、そういう具体的な形のものはないんでしょうか。



○委員以外の議員(大塚耕平君) 不用額については午前中に辻委員から御説明を申し上げましたが、例えば厚生労働省予算の補正予算時に、修正減少額と、その減少額に加えまして、決算時における不用額を合算したものが十七年度で二千二百四億、十六年度で千五百二十四億、十五年度で千七百九十八億円でございます。それから、一般会計における当初予算の予備費の不用額は、十八年度で三千二百一億円、十七年度で二千三百九十二億円、さかのぼりますが、十六年度で二千三百九十三億円、十五年度で二千百八十億円。

 もちろん、これらの金額がそのまま予算編成の段階で不用になるというふうに予測ができるわけではございませんので何とも申し上げられませんけれども、今申し上げた数字の中でも、最も少ないものでも不用額で千五百二十四億円、それから予備費の不用額で二千百八十億円、両方最少値を足しても三千六百億円になるわけですから、何がしかの予算措置はこの中で可能になるかもしれないという推測は成り立つと思います。



○山本博司君 今のお話ですと、あくまでも推測の話ですね、一つ一つ。やっぱりこの厚生労働省のその金額の中で、今言った五項目、先ほどの各費目ごとの内容とか、又は新規予算とかございました。金額は非常に大きな金額でございますけれども、それが一体どんな形で具体的な財源ができるのかということが具体的に提示されないと国民には分からないというふうに映るのではないかなという気がいたします。

 さらに、今回、障害者自立支援法とか肝炎対策ということでももう既に法案が上がっておりますけれども、例えばこういった二つの法案に関して、民主党ではその財源をどのぐらいの金額でやって、それをどう具体的に財源を出そうとしているのか、そのことを含めてお話をお願いしたいと思います。



○委員以外の議員(大塚耕平君) お尋ねは、二つというのは、ちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、何と何。



○山本博司君 障害者自立支援法とそれから肝炎対策、今法案出されているこの内容に関しての必要な財源に関してどう考えていらっしゃるか。



○委員以外の議員(大塚耕平君) 今御指摘の二つを含めて、私どもの試算では、おおむね三百六十億円ぐらいということでございますけれども、これもただいまるる申し上げております不用額の範囲内に収まるものでございますし、それから、午前中に申し上げました数字をもう一度それでは繰り返させていただきますと、先ほど五つの視点を申し上げました。そのうち、私が最もしっかりと、もしこの法案をお認めいただければ、精査をして財源を捻出しなければいけないと思っておりますのは、費目別の分析結果に基づく予算の洗い出しでございます。

 例えば、なかなかこれは法律で決められていて変更が難しいと思われるものに、職員基本給とか諸手当、超過勤務手当、この辺はなかなか変えられないかなと思っております。それから、賠償償還及払戻費とか年金恩給費、こういうものは一切いじりません。ただ、例えば公共事業関係費で七百七十億円、委託費で三百四十六億円、施設費で百十九億円。先ほど西島委員の御指摘のところにもございました補助金ですね、十二兆二千八百八十二億円、それから庁費の九百九十三億円、旅費の二百六十四億円、こういったところは十分に私は精査の余地はあるのではないかというふうに思っております。

 大変残念ながら、私どもはまだ野党の立場で今この法案を提出させていただいておりますので、法案提出前にこれらの予算をしっかりと精査をして役所と交渉させていただいて、財源を確保した上で御提案を申し上げるに至っていない点についてはおわびを申し上げなければなりませんけれども、五つの基本方針の中の冒頭の第一点目を改めて申し上げて答弁を終わらせていただきますけれども、今は八月末の概算要求が提示をされて、それに基づく税制改正の要望項目も出されて、これらを精査して年末の予算の政府原案と税制改正大綱を作る過程にあるわけでございますので、もしこの間に予算措置が必要な法案が可決をされたならば、今私が申し上げましたような様々な視点からその予算措置が必要な法案に対する対応を行うというのが政府の仕事ではないかなと思っておりますので、是非そういうお立場で御協力を賜ればと思っております。



○山本博司君 財源に関しては大変大事な、今日初めて民主党さんの方からその話を聞きました。大変大事なことでございますので、先ほど言われた五つの項目を含めてどう財源を考えているかという形の資料を是非提出をしていただければと思っております。



○委員長(岩本司君) 理事会で協議させていただきます。



○山本博司君 以上のように、今お話をしていただく形でございますけれども、厚生労働省に最後にお伺いさせていただきます。

 受益と負担の関係とか、他の保険制度や諸外国の事例とか、財源の問題を含めて、今回の議論を通じて厚生労働省としての見解をお願いいたします。



○副大臣(西川京子君) ありがとうございます。

 今回、民主党がこの今回の議員立法の法案を出された経緯というのは、言わば社会保険庁が様々な福祉施設その他を造った中でのいろいろな使い方に対してかなり国民的批判をいただく問題があったということは事実でございまして、そのことに関しては本当におわびしたいと思っております。

 そして、そのことが今回の法案の提出のきっかけになったとするならば、そこのところを私はきちんとやはり精査すべきだと思います。あくまでも無駄なとんでもない使い方はいけない、無駄遣いはいけないということを国民は求めているんだろうと思います。そういうことで、そこをしっかり担保するために、平成十六年の国民年金関連法の改正でその無駄遣い一切、その他国民が納得を得られない使い方はしないということをきちんと決めたわけでございます。

 そういう中で、翻って今回のこの保険料方式でやっている年金に関しては、やはり保険料を事務手続等に充てることは妥当ではないかというのは言わば世界的な傾向でも分かったわけでございますので、私は、それはこのやはり年金徴収に関しての事務費はこの保険料から出させていただきたいという思いがございます。そして、そのことが実は無駄遣いをしないということの一つの担保として、平成十六年、村瀬長官のときですが、調達委員会というのをつくりまして、そこで厳正に精査してやるという委員会も経ておりますので、どうかその辺も御信頼いただきたいなと思っております。

 鋭意皆様の御意見をちょうだいして、しっかりとした年金制度に努力してまいりたいと思います。



○委員長(岩本司君) 発議者から先ほどから挙手されていますけれども、よろしいですか、指名して。



○委員以外の議員(辻泰弘君) 今厚生労働省の方から保険料方式だからという御説明があったわけでございますけれども、やはり過去を振り返りますと、そもそも厚生労働省自身がこの措置を元に戻してほしいと、一般財源に戻すよう要求したという歴史が現実にあるわけでございます。

 例えば、二〇〇四年の十二月の新聞記事で見ますと、社保庁は二〇〇五年度概算要求では事務費全額を一般財源に戻すよう要求したと、こういったことがあるわけでございまして、今はそういうお立場でございますけれども、歴史的には元へ戻してくれというのが厚生労働省の立場だったということは申し上げておきたいと思います。

 それから、財源についてでございますけれども、私どもの方に二千億のことをおっしゃって、それはもっともだと思うんですけど、しかし、お立場上、与党として三年前に三分の一の基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げるということをおっしゃって、安定した所要の財源を税制改革によって確保してと、こういったことをお約束していただいているわけでございますけれども、そのことについて、それは二兆五千億要るわけですけれども、そのことについて何ら提示がなされてないお立場の与党から二千億の財源を出してないのはけしからぬじゃないかと言われるのは、いささかちょっと一面的なような気がするわけでございます。

 私の意見として申し上げたいと思います。



○山本博司君 時間となりましたので、以上で質問を終わらさせていただきます。