公明党 参議院議員 山本ひろし

公明党

厚生労働委員会

第169回国会 厚生労働委員会 第5号
平成二十年四月十日(木曜日)



山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 議題となっております法案について、舛添大臣並びに関係の参考人にお伺いをしたいと思います。
 まず、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法改正案についてお聞きをいたします。
 この法律案は、子孫が絶えたという孤独感に耐えてこられた特別な精神的痛苦に慰藉するためとの趣旨から見れば大変意義あることと思いますので、賛成の立場から質問をしたいと思います。
 この法律は昭和四十二年に成立したとのことで、戦後二十年が経過したころですが、この法律が提出された経緯についてまず確認をしたいと思います。

政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 戦没者遺族や戦傷病者の方々に対する施策というのは、今委員から御指摘ございましたように戦後行われてきたわけでございますが、特にこの法律は、戦没者の父母等で最後に残されたお子さんも亡くされたということで、言わば子孫が絶えたという寂寥感や孤独に耐えなければならないという特別な精神的痛苦があること、国としてこのような特別の精神的痛苦を慰藉する必要があると考え、昭和四十二年に戦没者の父母等に対し特別給付金ということで国家として公債で給付をし、一定期間その国家としての精神的慰藉の意を表すために創設されたものでございます。

山本博司君 ありがとうございました。
 法律ができてからおよそ四十年が経過をして、受給者の方たちの平均年齢は今、先ほどもございましたけれども、九十四歳を超えており、御高齢になっておられます。わざわざ出向いて届出をするというのは大変困難なことと思われます。特別給付金国債の償還金を受給する際には様々な配慮が必要と考えますが、具体的にどのような配慮がなされて支給されているのでしょうか、教えていただきたいと思います。

政府参考人(中村秀一君) お答え申し上げます。
 特別給付金の国債受取に際しましては、原則として受給者御本人が窓口に出向いていただくことが必要になっておりますが、御本人が御高齢等の理由により窓口に出向けない場合、代理人で委任状等を提示することによって御本人でなくても手続等を行うことが可能になっております。また、五年間の国債で、毎年支払期日が到来した場合の国債の償還金を受け取るということになるわけですが、御本人が郵便局等に出向いてお受け取りになる以外に、国債を郵便局にお預けいただいて御本人の口座に自動振り込みすることも可能になっております。
 いずれにいたしましても、様々な面で、また今度法律を変えていただきますと、申請していただくということはあるわけでございますが、高齢となっております受給者の方々に対するそういう手続面の負担を軽減できるように十分配慮してまいりたいと考えております。

山本博司君 ありがとうございます。これからも十分な配慮をお願いを申し上げたいと思います。
 この国債の額面は百万円で、毎年二十万円が支給されることとなっております。平成十年の改正時から額面は据え置かれておりますけれども、これはどういう理由からでしょうか。今回も増額しない理由を伺いたいと思います。

政府参考人(中村秀一君) 額面につきましては、平成十五年のときと同様、委員御指摘のとおり同額の百万円とさせていただいております。これは、前回改正の平成十五年支給以後の経済指標なども勘案させていただきました。消費者物価、十五年度から十九年度まで一・〇倍、一人当たりの国民所得も十五年度から十九年度で一・〇四倍というような状況でございます。その他、公的年金、援護年金などについても同様な状況でございますので、据え置くことで御提案させていただいております。

山本博司君 平成十五年の改正時の対象件数が約三百五十件でございまして、そして今回が百二十件でございます。今回の改正でも、平成二十四年に国債の償還が終了しますが、今後の対応をどのように考えているのでしょうか。精神的痛苦を慰藉するためならば、五年ごとに法律を改正するのではなく、制度化して現在支給している人に永続的に支給するということも一つの考え方ではなかったかと思います。
 いずれにしても、受給者の皆様に安心感を与えるために大臣から御見解を伺いたいと思います。

国務大臣(舛添要一君) この制度の趣旨は、先ほど局長が答えましたように、本当にお気の毒で、ある意味で子孫が絶えたと、こういうような方々に対する措置でありますし、今おっしゃったように九十四歳平均年齢、百二十名ということでありますので、この大事な役割を果たしている制度でありますこの特別給付金、またこの次の時期が来ればまたきちんと対応したいというふうに思いますし、それから一日も早く皆さん方にこれをお届けすると、そういうために関係省庁と協力して努力をしてまいりたいと思います。

山本博司君 大臣、ありがとうございました。受給者の皆様、本当に喜んでいただけるようによろしくお願い申し上げたいと思います。
 さらに、援護関係の法律について一つお伺いをしたいと思います。
 中国残留邦人の方たちへの日本人としての尊厳と老後の安定を図るために、新たな支援策を盛り込んだ改正中国残留邦人支援法が昨年十二月、一部施行されました。基礎年金の満額支給と生活保護に代わる生活支援給付金の創設が主な柱であり、昨年の補正予算で大きな一歩が踏み出されましたが、引き続き平成二十年度予算ではどのように措置されているのか、御説明をいただきたいと思います。

政府参考人(中村秀一君) 昨年の臨時国会で議員立法により改正していただいた法律に基づきまして、御指摘いただきましたように昨年度の補正予算で老齢基礎年金の満額支給のための保険料追納等に必要な二百五十四億円をお認めいただいております。また、平成二十年度予算におきましては、新たな支援給付の実施のために九十一億円、また地域社会において中国残留邦人の方々が生活していくための支援の実施のために五・六億円、啓発広報の実施五千三百万円など、九十九億円の予算を新たな支援策関連として計上しているところでございます。

山本博司君 御苦労されている皆様に支援が着実に届くような、そういう配慮をお願いをしたいと思います。
 次に、駐留軍関係離職者等臨時措置法の改正案についてお聞きをしたいと思います。
 厚生労働省所管の各種給付金の支給状況を見ますと、就職促進手当以外の給付金は就業支度金を平成十五年と十八年に一人に支給しただけで、ほとんど支給をされておりません。余り有効活用されていないように思われますけれども、これはどういう理由からでしょうか。職業転換給付金の支給状況について説明をしていただきたいと思います。

政府参考人(太田俊明君) 過去五年間の職業転換給付金の支給実績についてまずお答え申し上げますけれども、駐留軍関係離職者につきましては、平成十四年度が一億二千三百七十九万円、十五年度が一億四十二万円、平成十六年度は一億三千四百二十二万円、十七年度は一億二千百五十一万円、十八年度が八千八百六十三万円でございます。このうち、御指摘ございました就職促進手当以外の支給実績が、平成十五年度が三十万円、平成十八年度が四十四万円となっております。
 それから、漁業関係でございますけれども、これは厚生労働省所管分と国土交通省所管分を合わせた支給実績でございますけれども、十四年度が九千六百五十一万円、十五年度が三千四百二十二万円、十六年度は百八十四万円でございまして、十七年度以降は実績はございません。このうち、就職促進手当以外の支給実績はこの間は出ていないという状況でございます。
 今お話のございました職業転換給付金のうち就職促進手当以外は、これは主に離職者の就職活動に係る費用を支援するものでございまして、具体的には、例えば求職者の求職活動に係る交通費や宿泊費を補助するような広域求職活動費、移転等のための移転に要する費用を補助する移転費などがあるわけでございます。
 ですから、実際のところは、地元で就職活動するあるいは就職するという方が多いという状況の下で、他地域への広域求職活動費、これ旅費等でございます、それから移転費等引っ越し代がなかったということがございますけれども、今後とも離職者の活動状況とか必要に応じて、これらの手当も有効に活用して効果的な支援を実施してまいりたいと考えているところでございます。

山本博司君 今後、在日米軍、先ほどの話もございましたけれども、再編計画の進展によっては大量の離職者が発生することも予想されますので、この給付金の制度の活用を是非ともお願いをしたいと思います。
 さて、この在日米軍の再編計画では沖縄に所在する部隊を中心に再編の予定ですけれども、今後沖縄での大量の離職者が発生した場合、雇用情勢を考えると円滑な転職が進まないことが予想をされます。今後の対策を考える上からも、まず沖縄の現在の雇用情勢とこれまでの離職者対策について、まず説明をしていただきたいと思います。

政府参考人(太田俊明君) まず、沖縄県における雇用失業情勢でございますけれども、平成十九年におきまして全国が平均で三・九%に対しまして、沖縄は七・四%ということでかなり高い割合でございます。それから有効求人倍率は、全国が一・〇四倍、十九年、ございましたけれども、沖縄は〇・四二倍ということで極めて厳しいという状況でございます。
 こうした沖縄県の厳しい雇用失業情勢を改善するために、厚生労働省としましては、地域雇用開発促進法に基づく雇用開発促進地域と指定いたしまして沖縄には各種の重点的な支援を実施しているところでございます。
 お話ございましたとおり、沖縄の厳しい雇用失業情勢の中で、多数の離職者が発生した場合にはその再就職は困難なものとなると考えられますが、こうした地域の雇用開発に係る支援の積極的な推進によって沖縄県の雇用失業情勢の改善に努めていきたいと考えておりますし、また具体的に臨時措置法に基づく支援につきましては、例えば多数の離職者が発生した場合には、沖縄県の中で特別の求人開拓を実施するとか、あるいは当然ハローワーク、全国の情報もございますので、全国的な情報も的確にニーズに応じて提供していきたいと考えておりますし、また各種手当支給しながらきめ細かい職業相談、職業紹介を実施してまいりたいと考えておりますし、またニーズを踏まえて職業訓練も実施するなど、各種支援を的確に実施して再就職の支援を図ってまいりたいと考えているところでございます。

国務大臣(舛添要一君) 先ほど島尻委員にも私はお答えしたかな、ちょっと時間の都合でできなかったので、山本委員、同じ御趣旨でございます。
 細かい点は今局長が述べましたけど、これはやはり沖縄全体の雇用情勢をいかに改善するか、これは政府が全力を上げて取り組まないといけないまず課題であると思います。
 そして、厚生労働省においては、例えば沖縄の若者に対する奨励金、こういう形できめの細かい政策をやっていく。安全保障の面において大変沖縄に日本国全体がお世話になっているわけですから、私は政府全体として、国民全体としてひとときもそのことを忘れてはならない。そういう意味で、政府全体でこれはきちんと対応してまいりたいというふうに思います。

山本博司君 大臣、ありがとうございました。是非ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 さらに、再編計画では沖縄だけではなくて厚木飛行場から岩国飛行場への空母艦載機の移駐が示されております。岩国基地の施設整備が行われていきましたら基地内労働者の需要が増大すると思われますけれども、地元との連絡調整についてどのような対応を行っているのでしょうか、お聞きをしたいと思います。

政府参考人(伊藤盛夫君) 御指摘のとおり、空母艦載機の岩国飛行場への移駐等につきましては、抑止力の維持と日本全体における地元負担軽減の観点から是非とも実現しなければならないものと認識しておりまして、これまで累次にわたりまして様々なレベルで地元の岩国市、岩国市議会議員協議会等々、あるいは住民説明会等々でその趣旨を御説明をさせていただいておるところでございますが、駐留軍等労働者につきましては、現時点で具体的にどのような職務が必要となり、その要員をどのように確保するかということが決まっておりませんので、具体的な内容につきましては関係自治体等について御説明はできておりませんで、一部の自治会等の説明会におきまして、一般論としまして、空母艦載機の岩国飛行場への移駐等によりまして駐留軍等労働者の増加が見込まれる旨の御説明をさせていただいているところでございますが、今後、その進展に伴いまして周辺地元自治体等に対しても丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。

山本博司君 ありがとうございます。岩国市も新しく体制になりましたので、しっかりとしたやっぱり調整をお願いを申し上げたいと思います。
 次に、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の改正案についてお聞きをしたいと思います。
 まず、十四種類の特定漁業では、国際協定等の規制強化により減船が余儀なくされておりますけれども、これまでの減船の推移について御説明をお願い申し上げたいと思います。

政府参考人(山下潤君) お答え申し上げます。
 国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の特定漁業に係る減船につきましては、各国が二百海里体制へ移行したことに伴い、昭和五十二年より実施してきたところでございまして、昭和六十三年までに減船隻数は千九百六十二隻、これに伴う離職者は二万百五人発生したところでございます。
 その後は、二百海里問題に加えまして、資源問題から漁業に関する国際規制が著しく強化されまして、その影響を強く受ける漁業について、当該漁業の計画的かつ円滑な再編整備を推進するとともに、減船に伴う社会的、経済的影響を緩和するため、平成元年に当該漁業者並びに関連事業者及び従業者に対し総合的な対策を講ずる「国際漁業再編対策について」が閣議了解されたところでございます。
 この閣議了解に基づきまして、本法律の特定漁業に係る減船が北洋サケ・マス漁業、遠洋マグロはえ縄漁業などで行われ、その結果、平成元年から平成十三年までの減船隻数は九百二十八隻となっておりまして、これに伴う離職者は一万二千四百九十人発生しているところでございます。なお、平成十四年以降につきましては減船の実施はございません。

山本博司君 ありがとうございます。こうした状況とともに、我が国の水産物の消費が減少する中で、沖合・遠洋漁業は今後も大変厳しい状況に置かれていることと思います。
 そこで、これまで特定漁業に従事していた人が、離職をして漁業以外の職業への転職を希望した場合の具体的に地域のハローワークではどのような支援を行うのでしょうか。お答えいただきたいと思います。

政府参考人(太田俊明君) 今お尋ねありましたように、漁業離職者のうち陸上の仕事への就職を希望する者につきましては、これはハローワークでこの離職者の求職手帳を発給いたしまして、職業転換給付金、各種の手当を支給しながら就職に向けた支援を行うこととしているところでございます。
 具体的には、定期的に来所日、来ていただく日を決めてハローワークに来ていただきまして進路選択とか就職活動に関する相談を行った上で、各人の状況を踏まえて求人開拓とかあるいは職業紹介を行ったり、そういうことも行った上で、さらには必要に応じて面接の受け方とか履歴書の書き方とか、そういうことも含めて相談、指導を行ってきたところでございます。
 今後、漁業離職者が発生した場合には、各人それぞれの状況に的確に対応したきめ細かい職業相談、指導、さらには必要に応じて職業訓練なども行って就職の促進に努めていきたいと考えているところでございます。

山本博司君 いずれの法案も単なる期限の延長ということではなくて、国の政策によって離職を余儀なくされているというそれぞれの事情を十分に考慮した上で、大臣におかれましては万全の対策を講じていただきたいとお願いを申し上げます。
 最後に舛添大臣の御見解をお聞きして、質問を終わりたいと思います。

国務大臣(舛添要一君) 駐留米軍関係の離職者、漁業離職者、これはきめ細かいやっぱり再就職支援ということを厚生労働省としてもきちんとやっていきたいと思います。
 それとともに、特に米軍の離職者については、我々はやっぱり政治家としてこれからの日米関係をどうするのか、日本の安全保障政策、外交政策をどうするのか、そういう国の根幹にかかわる問題について、独立した主権国家の政治家としてきちんと議論をする必要があるということを申し述べておきたいと思います。

山本博司君 どうもありがとうございました。
 以上で質問を終わります。