公明党 参議院議員 山本ひろし

公明党

厚生労働委員会

第171回国会 厚生労働委員会 第17号
平成二十一年六月十八日(木曜日)

 

山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 国民年金法等の一部改正案につきまして、麻生総理及び舛添厚生労働大臣にお聞きを申し上げたいと思います。
 これまで当厚生労働委員会や財政金融委員会との連合審査会などで議論してまいりましたように、この改正案は、平成十六年の年金制度改革において残された課題として、基礎年金の国庫負担を二分の一へと引き上げ、世代を超えた相互扶助という年金の基本的な仕組みを維持するとともに、年金財政の長期的な安定を図るために大変重要な改正であるわけでございます。また、財源につきましても、平成二十一、二十二年度の二年度につきまして財政投融資特別会計の繰入金で引上げを行うこととしており、現在の厳しい財政状況の中におきまして、平成十六年改正当初に考えられておりました年金改革が実現をすることは大いに評価をしたいと思うわけでございます。
 我が国の年金制度は、加入者約七千万人、また年金を受け取る方々は三千四百万人を数えております。また、給付総額は約五十兆円にも上り、世界に比類ない制度の確立があるわけでございます。この公的な年金制度を今後も維持発展することが大変重要であるわけでございます。
 まず最初に、麻生総理にこの公的年金制度の意義につきまして御見解をお聞かせいただきたいと思います。

内閣総理大臣(麻生太郎君) 現在、高齢者世帯というものの所得のうち、約七〇%、約七割の問題が公的年金というものが占めておりますのはもう御存じのとおりです。また、高齢化率の高い四十七の県の中では、住民の家計消費の約二割を年金給付が支えておるということも数値として上がってきております。
 こういった意味では、この公的年金制度というものは、日本の国民の老後の生活の安定といったようなものにおいては、安心と経済社会の活力と両方だろうと思いますが、そういったものを基盤としていく上においては、これは欠くことのできないものだというのは、これ公的年金制度の一番の根幹にあると、私はそのように理解をしています。
 そして、こういった意義というものがこれ正しく理解をされていないと、これはなかなか、何となく公平だ、不公平だというような話ばかりがここに出てきてみたりしておりますけれども、私どもとしてはこの意義が一番大事なところなのであって、こういったものが今後とも持続可能なものにしていくためにいかにするかというのが一番の関心事ということであろうと考えております。

山本博司君 今、大変大事であると思います。この年金制度を維持発展をさせていくためにも、財源の確保が大事であるわけでございます。
 本法案では、平成二十三年度以降は消費税を含む税制の抜本的な改革で安定的な財源を確保していく、こうございます。しかし、税制の抜本的な改革までの間は臨時の措置で財源を確保すると、こうなっておりまして、年金制度の長期的な安定を図るためにはこの二分の一をしっかりと恒久化していかなくてはならないと思います。
 その上で、平成二十三年度以降の財源確保策に関しまして、総理はどのようにお考えでしょうか。そのことをお聞きしたいと思います。

内閣総理大臣(麻生太郎君) 先ほど同僚の衛藤議員の方からお話があっておりましたように、平成十六年度に今日を予測して我々としてはいろいろなことをやってきたというお話だったと思いますが、その中において、所要の安定財源を確保した上で二分の一を恒久化するということになっておりますのは御存じのとおりです。
 そこで、これを現実問題としていくためには、所要の財源というものをやるに当たっては財源が要る、新たな財源が要るということを考えなければならぬわけですけれども、御存じのような経済状態の中において、ここにおいて新たに税によって財源を増やすというのは非現実的、景気のパイを小さくしかねないと思いますので、そういったものでは、今一般会計の特例的な繰入れ等々によって今年度を賄っておるわけです。しかし、今おっしゃいましたように、これが平成二十四年度以降、この二分の一を恒久化していくためには、我々としては二分の一の負担がやれるようにするために、今の状況とは違って恒久的なものをつくらねばならぬというのが基本的な考え方にあります。
 そこで、年末の話で申し上げましたように、消費税を含みます税制の抜本改革というものについては、税制改正法の附則において、我々としては、経済状況というものがその段階である程度好転していると、好転させなければいかぬのですけれども、そういったものを前提として遅滞なく、遅れることがなく、これを段階的に実施していくという必要がある。我々としては、消費税を上げる等々を一つの例に引いておりますけれども、こういったものをやらせていただく場合には、そのものを社会保障とか、こういった基礎年金とか、そういった部分にきちんと充てるということにして、我々としては景気回復をまず最優先に行った上でというように考えておるところであります。

山本博司君 ありがとうございます。
 安定財源の確保、大変大事でございますので、この大事な年金制度でございますので、どんな状況になろうともこの二分の一は堅持していくという、この強い決意で臨んでいただきたいと思います。
 続きまして、高齢者の所得保障に関しましてお聞きを申し上げたいと思います。
 今日的な年金改革の課題といたしまして、無年金の方、低年金の方々の所得保障をどのようにしていくのか、また、明らかに生活保護の方に比べまして低い老齢基礎年金の給付水準をどう見直していくのかというのが大きな課題でございます。本法案の附則でも、この基礎年金の最低保障機能の強化に関しましての検討規定が設けられているわけでございます。
 厚生労働省の国民生活基礎調査によりますと、高齢者世帯の年間の所得分布は、およそ六世帯に一世帯が百万円未満となっております。また、百万円から二百万円未満は約四分の一となっており、実に四割強の高齢者世帯が二百万未満の所得で生活をしているわけでございます。大変苦しいわけでございます。特に、高齢の女性単独世帯の所得の低さは際立っておりまして、三世帯に一世帯は年間所得が百万円未満であるとの統計が出ております。
 所得が十分ではないために生活保護を受ける高齢者が増えております。日本の年金制度が高齢期の貧困を防ぐという意味におきまして、まだまだ十分に機能をしていない実態があるわけでございます。
 公明党は、こうした年収二百万未満の人々を対象に、満額で現在六万六千円の老齢基礎年金を八万三千円に増額をする提案をいたしております。高齢期の所得保障を充実させる観点から、一定の所得水準以下の方に対して税財源で基礎年金に一定額の給付を上乗せをする加算年金を創設することが最も現実的な年金改革であると考えたからでございます。(発言する者あり)

委員長(辻泰弘君) 御静粛にお願いします。

山本博司君 こうした基礎年金の最低保障機能の強化、大変重要であると思います。舛添大臣の、この取組に関しましてお示しをしていただきたいと思います。

国務大臣(舛添要一君) 社会保障審議会の年金部会の中間的な取りまとめ、先ほども御紹介申し上げましたけれども、幾つかあります。とにかく基礎年金、もう低年金者に何があろうとこの一定額を保障するということを決めてしまう。そうすると、ただ問題は、納付意欲がなくなってしまうということをどうするかということがあります。
 それで、保険料軽減支援制度というのは、これは今の所得に応じて、今大変保険料負担がほかの社会保険料も含めて多いですから、これを軽くしてあげると、その分は税金で公的に見るというのがあります。それから、今即効性があって、一番問題になっているのは六万六千円ですから、単身者の基礎年金、この人たちに加算をするというのが一つあります。だけど、これもまた様々な問題点がある。
 それから、先ほど来申し上げているように、総理が御提言、中央公論になさったような、全額税方式というのがあります。今五〇%まで上げました。これを五割、六割、七割に上げていったら究極は十割ということになりますけど、保険料方式の良い点をどう考えるのかという問題もあるので、これは若干中期的な議論が必要だと思います。

山本博司君 ありがとうございます。是非とも前向きに進めていただきたいと思うわけでございます。
 更に大変な方々というのは、障害者の方々でございます。私のふるさとの四国、中国地域、障害者の方々、多くの方お会いをしてまいりました。作業所で一生懸命働いても工賃が月一万円未満という方がたくさんいるわけでございます。そして、そうした方々は、障害者の二級であれば六万六千円、大変そういう中で生活をするということは困難な方々がいらっしゃるわけでございます。
 こうした方々にとりましても、公明党は障害者基礎年金の引上げを提案をしております。二級の六万六千円を一級並みの八万三千円に、また一級の八万三千円を十万円程度にということを目指しているわけでございます。こうした点は、財源も含めまして、社会保障制度改革の中で論議をすることになると思いますけれども、舛添大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

国務大臣(舛添要一君) 年金というのは働けなくなった、例えば御高齢になって、そういう方に支払うということですから、障害のある方というのは、まさにそのお年を召されたのと同じ状況が来たという形で整理をしてあります。そういう意味での老齢年金と同じ扱いをしていますから、両者のバランスを取らないといけない。だから、障害年金だけを引き上げるというのはなかなか難しいのと、あと財源をどうするかと、こういう問題がありますけれども、これは国民的な議論をして、基礎年金の最低保障機能を引き上げるとともに、まさに障害年金の保障額というのを上げるという形での方向というのは、これは議論していい話だと思っております。

山本博司君 次に、社会保障費の抑制策についてお伺いを申し上げたいと思います。
 二〇一一年のプライマリーバランスをゼロにする、そのために社会保障費を五年間で一兆一千億円、二千二百億円の自然増を抑制していくという方針について様々な議論がこれまで行われてきております。この抑制は限界に近いと思うわけでございまして、舛添大臣、この二千二百億円の抑制策についてどのようにお考えなのか、見解をお聞きしたいと思います。

国務大臣(舛添要一君) 一貫して申し上げておりますように、セーフティーネット機能をきちんと拡充していくと、そして社会保障制度を本当に国民が安心できるようなものにしていくというために、もはやこれは限界に来ていると。ですから、そういう観点から今年度も骨太の、昨年度、つまり二十一年度について昨年議論しましたけれども、そのときも骨太の中では社会保障、医師不足、こういうことは例外として扱ってきましたから、来年度の今議論をしていますけれども、同じ方向で政府として取りまとめていけるように、厚生労働大臣として努力をしているところでございます。

山本博司君 ありがとうございます。
 しかしながら、今回の骨太の方針二〇〇九の原案の中に抑制策を堅持するとも取れるような方向性が示されているわけでございます。
 そこで、麻生総理にお伺いをいたしますけれども、今我が国における経済、また社会の状況を考えますと、この抑制策については弾力的に対応すべきと考えますけれども、この社会保障費の抑制策につきまして麻生総理の見解を伺いたいと思います。

内閣総理大臣(麻生太郎君) 二〇〇六の一番最後のところを読んでいただきますと、最後の行のところにきちんと書いてあるのは御存じのとおりだと思いますので、あえてこれを申し上げるつもりもありませんけれども、今策定作業を進めているところでもあります。少なくとも経済危機の克服という話と、それから安心社会の実現の問題と、この二つは最優先課題なんだと基本的に思っておりますので、重点的にめり張りを付けて対応をするように指示をしたところでもあります。
 今の社会保障費の具体的な取扱いというものにつきましては、これはいわゆる概算の要求基準というものの策定過程で検討していくことになるんだと思いますが、いずれにしても、社会保障費が大幅に増大する傾向にあるということはもうはっきりいたしておりますので、この財源確保の話と並行して社会保障機能の強化というものを図るということで、当然のこととしてコストを削減するとか、また重点化して更に効率を深めるというのを考えるのは当然ですけれども、その上で我々としてはきちんとしたものを、やっぱり削減できるところはできるというので、もうこれ何もしなくていいという話にはならぬと思っておりますので、するべきところはする、きちんと重点化していかなきゃならぬところはするという話を先ほど舛添大臣の方から答弁を申し上げたとおりであります。

山本博司君 以上で質問を終わります。