公明党 参議院議員 山本ひろし

公明党

厚生労働委員会

第171回国会 厚生労働委員会 第13号
平成二十一年六月四日(木曜日)

 

山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、前回に引き続き、国民年金法の一部改正案についてお聞きをしたいと思います。
 前回の議論の際にも触れさせていただきましたけれども、年金制度に対する不安感や不信感が高まっておりますけれども、今重要なのは信頼をされる持続可能な年金制度を確立することであり、そのためにも、参加しやすい年金制度となるよう様々な改善、見直しを行う必要があると思います。
 そこでまず、未納問題や無年金、低年金問題など、課題に関しまして本日はお聞きを申し上げたいと思います。
 昨年十一月二十七日に社会保障審議会年金部会における議論の中間的な整理という取りまとめが発表されました。これは、サブタイトルを年金制度の将来的な見直しに向けてという題でございまして、無年金、低年金問題を始めとして、利用しやすい年金制度とするために将来的に見直すべき様々な課題につきまして議論を行っているわけでございます。
 そこで、この社会保障審議会年金部会でどのような課題について議論が行われてきたのか、まずその概要を御説明いただきたいと思います。

政府参考人(渡邉芳樹君) お答え申し上げます。
 社会保障審議会年金部会の中間的な整理、昨年の十一月に行われたものにおきましては、平成十六年改正後の残された課題として、低年金・低所得者に対する年金給付の在り方など八つの検討項目を立てて熱心な御議論をいただき、中間的な整理をいただいておるものでございます。サブタイトルにありますように、将来の見直しに向けての整理という位置付けがなされております。
 その八つの項目でございますが、具体的には、低年金・低所得者に対する年金給付の在り方。それから、基礎年金の受給資格期間二十五年の在り方。三番目には、二年の時効を超えて保険料を納めることのできる仕組みの導入について。四番目には、国民年金の適用年齢の見直しについて。五番目は、パート労働者に対する厚生年金の適用拡大等について。六番目は、育児期間中の者の保険料免除等について。七番目が、在職老齢年金の見直しについて。八番目が、標準報酬月額上限の見直しについてという八項目でございます。
 とりわけ、低年金・低所得者に対する年金給付の在り方については各方面から様々な御提案がなされていることも踏まえ、それらを取り込んで整理して、選択肢としてそのメリット、デメリットについても整理をしていただいているというものでございます。

山本博司君 ありがとうございます。
 今お話がありましたように、年金給付の額や受給期間の見直し、保険料の納め方の見直しなど、納付率の向上に向けた様々な課題について議論がされているわけでございます。そこで、具体的な課題についてお聞きをしたいと思います。
 まず、無年金、低年金の方への対策につきましてお聞きを申し上げたいと思います。
 今日的な年金改革の課題として、無年金、低年金の方の所得保障をどのように行うのか、そして、明らかに生活保護に比べて低い老齢基礎年金の給付水準をどう見直すのかが大きな課題となっております。今回の改正案でも、基礎年金の最低保障機能の強化等に関する検討を進め、制度として確立した場合に必要な費用を賄うための安定した財源を確保した上で、段階的にその具体化を図るものとすると、検討規定を設けておるわけでございます。
 厚生労働省の国民生活基礎調査によりますと、高齢者世帯の年間の所得分布はおよそ六世帯に一世帯が百万円未満となっております。また、百万円から二百万円未満は約四分の一となっており、実に四割強の高齢者世帯が二百万未満の所得で生活をしているわけでございます。特に、高齢の女性単独世帯の所得の低さは際立っており、三世帯に一世帯は年間所得が百万円未満であるとの統計が出ているわけでございます。所得が十分でないために生活保護を受ける高齢者が増えており、日本の年金制度が高齢期の貧困を防ぐという意味において十分に機能していない実態があると思うわけでございます。
 公明党としても、昨年、年収二百万未満の人を対象に、満額で六万六千円の老齢基礎年金を八万三千円に増額する提案をしているわけでございますけれども、高齢期の所得保障を充実させる観点から、一定の所得水準以下の方に対し、税財源で基礎年金に一定額の給付を上乗せをする加算年金を創設するのが最も実現可能性が高い年金改革であると考えたからでございます。基礎年金の最低保障機能の強化は大変に重要な課題であると思いますけれども、この点についてどのような整理をしているのか、大臣にお答えをいただきたいと思います。

国務大臣(舛添要一君) 今六万六千円、これで生活できますかという話になるわけでありますけれども、社会保障審議会の年金部会が中間的な整理を昨年秋に行いましたけど、いろんなやり方があるだろうと。一つは、最低保障年金ということで、低年金者に対して、保険料を出しているか出していないかにかかわらず、一定のこの額を保障するというやり方があります。それから、今度は拠出したときの所得に応じて保険料を軽減していく、そして軽減された保険料納付を求める一方、今度、軽減分を公的に支援するという形での保険料軽減の支援制度、これがもう一つのやり方でありますし、それから、基礎年金の額が満額であるか否かにかかわらず、著しく所得の低い単身の高齢者等の基礎年金に今おっしゃったような加給金の加算を行う、これを単身低所得高齢者等加算という方式もあるというふうに思いますし、さらに、すべてを税で、基礎年金は税にしましょうという全額税方式というのもありますので、こういう様々な既に提案が出ておりますので、こういうものについて幅広く国民的な議論をしていく必要があると思います。
 やはり、ここでもその財源の話がありますから、公平性ということも考えながら、どの方式が一番国民の納得をいけるものかという観点から更に議論を進めたいと思っております。

山本博司君 安定財源の確保、これは必要になるわけでございますけれども、真に必要としている方々への所得保障が賄えるような、そういう制度を検討していただきたいと思います。
 次に、基礎年金の受給資格期間の見直しに関しましてお聞きを申し上げたいと思います。
 我が国の現行制度では、二十歳から六十歳までの間に被保険者として四十年間の保険料納付義務が課されているわけでございますけれども、保険料の納付済期間や保険料免除期間等が二十五年あることが受給資格要件となっております。しかし、諸外国の状況と比較すると期間が長いのではないか、無年金者を減らすためにも受給資格要件を緩和すべきではないかとの意見があるわけでございます。
 この点につきましても、二十五年を十年程度に短縮をして年金の受給資格が確実に発生するようにすべきという提案もあるわけでございます。四十年納付した場合は満額六万六千円がもらえるのに対しまして、十年の場合には、そのまま当てはめますと一万六千円余りと、低額の年金者を増やすことにもなりかねないので、様々な検討を経て結論を出すべきと考えますけれども、そこで、この二十五年の受給資格期間を見直す必要性につきましてどのように考えているのか、お聞きをしたいと思います。

政府参考人(渡邉芳樹君) 今の二十五年の受給資格期間につきまして、いろいろな場所で大変大きな議論となっておるわけでございます。先ほど御紹介いたしました社会保障審議会年金部会における整理の中でも、正面からこの二十五年の見直しについて御議論をいただきました。
 もとより、この二十五年のルールというのはそれなりの意義、機能、歴史的な役割というものを持っておるわけでありまして、受給資格期間を満たさずに無年金になるのは相当長期にわたる未納、十五年以上がある場合にほぼ限定されるという評価をこの審議会の報告でもいただいておりますが、併せてこの審議会での御議論は、御紹介いたしますと、この受給資格期間は一定の年金額を保障するという最低保障的な機能があるものの、納付した保険料はできる限り年金給付に結び付けられるようにすべきであるという国民意識の高まりを踏まえ、無年金者対策として思い切った短縮を検討すべきであるとの要請が強まっていることについて認識する必要があると。この短縮については、滞納者を中心として保険料納付意欲の低下に結び付かないか、また、年金財政にどのような影響を与えるのかといった点に十分留意して判断する必要がある。仮に短縮するとしても、諸外国の例や六十歳の強制適用終了時点から最大十年間任意加入が可能であることなども踏まえれば、例えば十年程度とすることも考えられる。こういうような記述がされております。
 さらに、追加して、いずれにせよ年金制度は四十年加入が義務であり、年金加入が老後の生活保障にとって重要であることについて引き続き周知広報を図ることが重要であると、こういう記述がなされておりますので、非常に多面的な要素を持っておるわけでございますが、今日的な制度の信頼確保の重要性という観点から、審議会においても例えば十年程度に短縮することという大きな提言をいただいているものと理解しております。
 さはさりながら、そのための条件というのは様々に検討をしなければいけない、残った課題がある、懸念もある、こういった中でございますが、もっと幅広い突っ込んだ議論が必要であるというふうに考えておるところでございます。

山本博司君 ありがとうございます。
 もう一つ、現行制度で二年で消滅時効となっている保険料の追納期間の件でございます。
 これも、二年ではなくて五年程度に延長をして受給権が得られる人たちを増やすべきだと、こういう意見もございますけれども、この点につきましてはどのように議論がされているんでしょうか。

政府参考人(渡邉芳樹君) 現行の国民年金制度では、保険料を徴収する権利は二年で時効により消滅するために、これより前の保険料は被保険者が納付しようとしても納付できないという状況にございます。これは、他の社会保険制度の保険料と同様、短期間で債権債務関係を確定し、法的関係の早期安定を図る必要があるという一般的な要請によるものでございます。
 しかしながら、御主張のように、保険料を納めやすくすることにより無年金、低年金を防止するとの観点から、納付意欲への影響などを考慮しながら、事後においても保険料納付することができる事後納付の仕組みを検討すべきではないかという指摘があり、審議会においてもそういうことから御検討をいただいたところでございます。
 ただ、保険料をいつ納めてもよいということでありますと、保険料納付期間が短く、結果として低年金者を増やすことにならないか、あるいは、そもそも世代間の支え合いという年金制度の趣旨との整合性が取れるか、長期間にわたって保険料を納付できるのは高所得者に限定されるということにならないかといった御指摘もありますが、審議会においてもこの点について、例えば事後納付の期間を十年程度に設定するということも打ち出されておりますので、更にこれも議論を深めてまいる必要があると考えております。

山本博司君 ありがとうございます。
 また、所得が少ないなどで保険料を納付することが経済的に困難な場合には本人の申請に基づいて保険料を免除又は猶予する制度が設けられております。この免除制度には所得によって全額、四分の一、二分の一、四分の三の四種類の保険料免除があり、制度を利用することで受給資格期間、年金額に反映されますので大いに活用すべきと思います。また、このほかにも、三十歳未満の方には若年者納付猶予制度とか、学生の方には学生納付特例制度などがあり、こうした制度の周知が年金制度の理解につながると思うわけでございます。
 そこで、こうした保険料の免除制度等の利用状況、これはどのようになっているのか、御説明をいただきたいと思います。

政府参考人(石井博史君) お答えいたします。
 まさに、今先生からお話がございましたように、国民年金保険料の納付を要しない仕組みといたしまして免除や猶予という制度がございます。
 平成十九年度末現在における実績を御説明申し上げますと、まず申請免除でございますけれども、これ両方、全額免除、部分免除合わせまして二百五十五万人ということになってございまして、内訳的には全額免除の方が二百二万人、それから部分免除の方が五十四万人と、こういうことになってございます。それから、学生の方が利用なさる学生納付特例というものでございますけれども、こちらの方も百六十六万人という利用状況になっております。それから、三十歳未満の方の、学生ではない方についての制度でございます若年者納付猶予制度でございますが、これは新しい制度ということもございます、三十七万人というのが実績でございます。これらを合わせますと四百五十八万人の方々が免除あるいは猶予を御利用なさっていると。
 さらに、この外側に、いわゆる法定免除というものがございまして、これが百十三万人ということでございますので、これまで全部積み上げますと約五百七十万の方が免除ないし猶予ということでの御利用をなさっているという状況でございます。

山本博司君 ありがとうございます。
 例えば、この免除制度を知らなくて四十年間未納だった場合は一円ももらえないわけでございますけれども、免除申請をして、例えば四十年間全額免除だったと仮定をしますと、今回の改正が実現をしますと二分の一の国庫負担分の支給を受けることができますから、月額三万三千円の年金をもらうことが可能になるということでもあるわけでございまして、この差はとても大きいと思うわけでございます。そういう意味からもこの周知の徹底ということが大変大事になるわけじゃないかと思います。
 その意味で、平成十六年度のこの年金制度改革によりまして、社会保険庁が市町村から個人の所得情報を提供してもらえるようになったために、低所得者の保険料納付が行われていない実態を把握することが可能になったわけでございます。この免除制度につきましては、積極的に手続の勧奨を徹底すべきであると思います。
 この制度の周知、特に若い世代の方々への周知をしっかり行うべきである、こういう意見もございますけれども、この点につきましてどのように考えているか、お話をしていただきたいと思います。

政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、この免除制度を中心に周知徹底すべきというのはそのとおりでございます。このため、私ども、毎年発送いたしております納付書に免除制度を含む年金制度の周知用チラシを同封するとか、あるいは免除制度そのものについて詳しく記載したパンフレット、そういったものを社会保険事務所なり市町村の窓口に置かせていただくとか、それから社会保険庁のホームページそのものにも詳しい掲載をさせていただくなどして免除制度の周知を図っております。
 もちろん、今日の質疑でも出ておりますように、年金教育の一環として行っております大学生あるいは専門学校の学生さんに対するセミナー、なかなか普及状況は十分ではないわけでございますけれども、御要請を受けて、そういうものの開催を通じてこういう制度があることの周知も引き続きやっていかなければいけないというふうに思っております。
 それから、そういう取組と並行いたしまして、これは個別のまさに働きかけということになるわけですが、未納者の方々のうち、まさに今御指摘ございましたが、市町村から税情報を提供いただけるようになりましたので、それを踏まえまして、一定、負担能力が乏しいと、免除に該当すると思われる方につきましては個別に、まずはお手紙など文書でお知らせをいたしまして促します。それでも御対応がない場合には電話を掛けさせていただく。それでも反応がない場合などは戸別訪問をするというようなことをやることで、お届けをいただけるよう勧奨も進めているわけでございます。
 記録問題という作業の傍らでございますので、従前に比べますとこの面での制約も率直に言ってあるわけではございますけれども、現在の体制でしっかりやっていきたいというふうに思っております。
 それからあと、免除そのものの手続の簡素化というのも大切だというふうに思っておりまして、従来は、毎年、全額免除なり若年者猶予というのはやることになって、あったわけでございますが、平成十八年七月からは継続免除制度という仕組みが設けられました。
 これは、最初に免除なりをお受けになったときに、翌年度以降も所得要件が同じ場合には御利用なさいますかというふうなお尋ねをして、利用しますという場合には、これはもうあらかじめ申入れをいただいているということで、翌年度になってチェックして、所得要件をなお満たすという状態がある場合には引き続き申請書を御提出いただくことなく承認をさせていただくと、こういう仕組みでございます。これの普及なども含めて取り組んでいきたいというふうに思っております。

山本博司君 ありがとうございます。
 この免除制度の徹底、納付率の向上にも影響しますので、周知の徹底も含めて積極的に進めていただきたいと思います。
 さらに、納付率の向上には保険料を納めやすい環境をつくるということも求められていると思います。口座振替の推進とかコンビニ納付、インターネット納付、またクレジットカード納付等の導入などの様々な改善策が講じられておるわけでございますけれども、こうした改善策が納付率の向上に大いに役立っていると思いますけれども、これまでに納めやすい環境づくりをどのように行ってきたのか、また具体的な取組状況について御報告をいただきたいと思います。

政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 十六年の制度改正のときも含めて、本当にいろいろな措置を先生方には打っていただいたわけでございます。
 その状況でございますけれども、まず口座振替、これは市町村で保険料の徴収をしていた時代からじわじわと普及が進んできているものでございますけれども、直近のところ、平成十九年度末の利用状況は約四〇%、人数にいたしますと約六百万人の方々が御利用になっておられます。
 それから、平成十六年二月からはコンビニエンスストアでの納付が可能になってございまして、これも同じ十九年度一年間の利用件数は、これは八百七十四万件という数に上ってございます。
 それからさらに、十六年の四月からインターネットバンキングなどによる電子納付とか、それから平成二十年二月にはクレジット決済、これでも納付が可能になってございまして、インターネットバンキングについて申し上げれば十九年度の数字が三十一万人の御利用、それからクレジットカード決済、これは新しいので十九年度の数字は満年度ございませんで、二十年度の見込みとしては三十万件程度と、こういうような状況になってございます。
 今後とも、決済手段の多様化に対応しながら、更に納めやすい環境づくりというものを進めていきたいというふうに思っております。

山本博司君 さらに、社会保険庁改革の中で、悪質滞納者に対しましては国税庁に強制徴収を委託するということが可能になったわけでございます。これまでの国税徴収のノウハウが生かされることで納付率の向上が期待できるわけでございますけれども、この国税庁による強制徴収は具体的にどのように行われるのか、説明をいただきたいと思います。

政府参考人(薄井康紀君) 平成二十二年一月に日本年金機構が設立されるわけでございますけれども、まずは年金機構の方が、強制徴収を含めまして、厚生労働大臣からの委任を受けまして年金保険料、これは厚生年金、国民年金、両方ございますけれども、この保険料の徴収を行うこととなっております。一方で、厚生労働大臣は、財産隠ぺいが疑われるような特に悪質な事案につきましては、効果的な徴収を行う上で必要があると認めるときには、滞納処分等の権限を国税庁に委任することができることとされているところでございます。
 具体的な事務処理方法等につきまして、今後円滑に事務が行われるように検討を進めてまいりたいと考えております。

山本博司君 強制徴収は大変大きな権限を有していると思いますので、適切な対応ができるようにしっかりと仕組みをつくっていただきたいと思います。
 次に、前回もお聞きをしたわけでございますけれども、百年に一度とも言われる厳しい経済状況の悪化による非正規労働者の雇い止めの要因などから、今後も失業者の増加が予想され、それに伴い国民年金に加入しない、年金保険料の納付が滞るケースが増えてくると思うわけでございます。しかし、自身の受給権を得るためにはしっかりと年金制度に加入する、保険料の未納をしないということがとても重要になるわけでございます。失業した方には、失業手当の手続や求職のためにハローワークには行ったとしても、国民年金の加入のために市町村の窓口に行くまでなかなか分からない場合があると思います。
 先ほども伺いました保険料の免除制度なども活用してこの状況を乗り切っていただくことが大事であると思いますけれども、失業者への対策についてどのように対策を講じるおつもりなのか、お聞かせをいただきたいと思います。

政府参考人(石井博史君) お答え申し上げます。
 失業によりまして保険料を納付することが困難な場合でございますけれども、これは申請をいただければ前年の所得がどうでありましょうとも保険料の納付が免除される、そういう仕組みが、制度がございます。この免除制度を活用していただきまして年金受給権の確保につなげていただくこと、これが何より大切であるというふうに思っております。
 このために、失業者の方々にこの制度の周知を図ることが重要であるということからこれまで幾つかの対策を講じてきておりまして、一つは、ハローワークにおける雇用保険受給者への初回の説明会などにおいて免除などの申請書や制度周知用のチラシなどを配布するということや、それから国民年金の手続に関する説明などを実施するというようなことをやる。それから二つ目に、雇用保険の基本手当の支給にかかわる最初の認定日における来所のときに、免除のための申請書の提出を呼びかけるチラシをお渡しする、勧奨をする。それから、ハローワーク自体に、事務所内部ですけれども、チラシを備え付けるというようなことなど、ハローワークとも連携をしながら制度の周知を図っているところでございます。
 それから、昨今の経済状況の悪化、非正規労働者の雇い止めといった要因によりまして、今後も失業者の増加が一定程度予想されることから、引き続きハローワークとの連携を図るように社会保険事務局に指示をしてございます。同時に、市町村に対しましても、国民年金の加入手続に来所された失業者には免除制度の案内をしっかり行っていただくなど、更なる制度の周知もこの面でも行っているところでございます。
 今後ともハローワークなどとの連携を一層強化して免除制度の周知徹底を図ってまいりたいというふうに思っております。

山本博司君 これまで未納対策、また保険料の納付率の向上に向けた取組、こういうことに関しまして様々な点から確認をしてまいったわけでございます。
 国民年金の保険料を未納のまま放置すると、将来の老齢基礎年金やいざというときの障害基礎年金、また遺族基礎年金を受け取ることができない場合もあるため、こうした免除制度などあらゆる制度を活用して受給権を獲得できるようにすることが大変大事であると思います。
 ところが、現在、国民年金の給付率が六〇%強ということで、逆に言えば四割近い未納率になっているわけでございます。国民皆年金ということから考えれば、四割という未納率は大変残念な状況とも言えるわけであると思います。ある新聞の社説では、以前、この保険料の未納付増加で制度は破綻する可能性が大きい、こういう記述がございました。また、最近の別の新聞でも、財政検証のデータが示された際に、二〇〇四年に行った年金改革の破綻が現実のものになった、こう記されておりました。こうした記述を見ますと、年金制度に対する不安や不信感が国民の間に増していくと思うわけでございます。
 そこで、お伺いをいたしますけれども、昨年の社会保障国民会議でも試算されたと思いますが、未納問題が年金財政に与える影響、先ほども西島委員からもございましたけれども、どのぐらいあるのかお示しをいただきたいと思います。

政府参考人(渡邉芳樹君) 保険料の納付、未納、これは非常に社会保険制度として重要なことでございます。これを過小評価することはできないのですが、御指摘のように、それにより制度が財政的に破綻をするとか、そういう問題かどうかという点は冷静に考えていただきたいところでございます。
 国民年金は、いわゆる未納問題が指摘される一号被保険者だけではなく、サラリーマン、公務員などの被用者も含めた七千万人の公的年金加入者全体で支えられており、先ほど四割という納付月数の、未納の月数の指摘がございましたけれども、この七千万人の中に占める未納、未加入の方というのは十九年度末で三百二十万人ということで、約五%でございます。この五%の方が若干増える、減る、こういうような変化によって年金財政が大きく影響を受けることは全くございません。したがって、年金財政の持続性への影響というのは私どもとして大きくない、財政的にはほとんどない。それよりも経済の状況や少子化の方が大きな年金財政への影響をもたらすという、その大小感覚というものが非常に重要であると考えております。
 繰り返しになりますが、やはり社会保険制度はみんなで支えるということが基本でございますので、無年金、低年金の発生を防止するという観点からも、あるいは被保険者の負担の公平を図るという観点からも更に未納対策の強化が必須でございます。
 今、社会保障国民会議における試算の数字をというお話でございました。それを見てみますと、将来にわたって国民年金の納付率が一ポイント増加若しくは一ポイント減少した場合には最終的な所得代替率が〇・〇五ポイントから〇・〇六ポイント上下する程度の影響であるというふうにされております。やはり、こうした数字の持つ年金財政への影響というのは冷静に考える必要があるというふうに考えております。

山本博司君 ありがとうございます。
 四割が未納ということでもう大変じゃないかという、そういうふうに誤解をされている方々が多いわけでございますので、しっかり周知をしていただきたいと思います。
 ただ、いずれにしても、こうした信頼されるこの年金制度、持続可能な制度にすることが大事でございますので、不断の改善が求められると思います。
 そこで、大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、今までお話をしてまいりましたこの国民年金保険料の納付率向上に向けた大臣の決意をお伺いをしたいと思います。

国務大臣(舛添要一君) 何度も申し上げますけれども、これは民間の生命保険なんかに比べてはるかに有利であると、半分税金が入っているわけですから。ですから、きっちりと払っていただくということが必要になります。そのために、コンビニなんかを使って支払の便宜を図る、それから様々な免除措置がありますから、これについても周知徹底を図る。
 何よりも、私は是非メディアの皆さん方にもお願いしたいのは、先ほどありましたように、この年金は破綻している、こんなものやらない方がいいというような、これは非常に無責任ですね。ですから、これがみんなで自助、共助、公助という社会保障制度の根幹をなすものでありますから、やはり社会的連帯、みんなで助け合うんだと、そして社会全体で親の世代に仕送りをするんですよと、こういうことをもっと私も明確に今後とも言い続けますし、是非皆さん方におかれても、先ほど、一昨日は赤旗の話をいたしましたが、公明新聞におかれても是非そういうキャンペーンを張っていただければと思います。

山本博司君 ありがとうございます。
 それでは、最後になりますけれども、今日午前中からずっと出てまいりました年金教育のことで少し触れたいと思います。
 二十歳から納付義務があるということを考えますと、この年金制度の仕組み、中学校、高校生の段階から知ってもらうことの重要性、もう十分お話がございました。今各地で、社会保険事務局で、各学校に訪問をして年金制度について詳しく説明する年金教育事業を実施していると思います。予算規模から各地の学校を網羅する状況には余りないと思いますけれども、この事業に関しまして、実施状況、また必要性に関しましてお聞きをしたいと思います。

委員長(辻泰弘君) どなたがお答えになりますか。石井運営部長。

政府参考人(石井博史君) どうも失礼いたしました。
 年金教育に関するお尋ねでございます。
 今日の質疑でも繰り返し取り上げられてございますけれども、将来にわたり年金制度を安定的に運営していくためには、やはり生徒、学生のときから年金制度の大切さ、その役割の重要性を理解していただくことが大変重要というふうに思っております。このために、中学生及び高校生に対しては、年金制度の仕組み、その必要性、基本理念、そういったものを正しく理解してもらうことを目的として、平成五年度から学校教育の場において年金教育を実施してございます。
 具体的には、地方社会保険事務局長が委嘱しました年金教育推進員や学校の先生が副読本を活用いたしまして、社会科等の授業において年金セミナーを実施しているわけでございます。それから、十八年度からは、間もなく社会人となる大学生の皆さんに対しましても、年金制度への参加意識を醸成を図るということで、御要請のあった大学において年金セミナーを開催してございます。
 なお、年金教育の実施状況でございますけれども、中学生、高校生を対象とした年金セミナーは十九年度において四千五百九十八校で実施してございまして、全国の中学、高等学校の総数のうち二八・三%、そういうような数値になってございます。
 他方、大学生を対象とした年金セミナーの方でございますけれども、取りかかったのが早いということとか、先ほど申し上げましたように、最低五十人の集まりが必要というような前提を置いているということもございまして、平成十九年度における実績は二十五大学で実施していると、こういう状況になってございます。
 今後とも適切な年金教育を実施していきたいというふうに思っております。

山本博司君 ありがとうございます。
 それでは、最後に大臣、先ほどの広報のところでもう一度御説明いただきたいと思いますけれども、今ずっとお話しした部分の中で、大変年金制度は難しくて、理解がなかなか難しいという面があると思います。もっとテレビとかラジオの広報とか分かりやすいパンフレットの作成とか、今まで以上にこうした広報活動、大変重要であると思いますけれども、この年金制度の広報の充実という点でもう一度最後にお話をいただきたいと思います。

委員長(辻泰弘君) 舛添厚生労働大臣、簡潔にお願いします。

国務大臣(舛添要一君) 教育を含め広報が非常に必要だということはそのとおりであります。最大の課題は国民に読んでいただけるもの、分かりやすいもの、こういうものをやりたいと思いますけれども、何といってもテレビのワイドショーなんかできっちりと反論すべきは反論する。毎日のように私、見ていて、出れたら出たいなと思いながら、私は忙しくて出れませんので、是非皆さん方に御活躍願いたいと思います。

山本博司君 以上で質問を終わります。
 ありがとうございました。