公明党 参議院議員 山本ひろし

公明党

厚生労働委員会

第170回国会 厚生労働委員会 第2号
平成二十年十一月十三日(木曜日)


山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、大臣の所信に対する質疑ということで、厚生労働行政全般について幅広くお伺いをしたいと思います。
 九月二十四日に麻生内閣が発足をし、舛添大臣には引き続き厚生労働行政の重責を担っていただくことになりました。大変に御苦労さまでございます。
 この麻生内閣がまず初めに取り組んでいるのが景気対策であります。我が党も連立与党の一翼としてしっかりと支えて、この難局を乗り越えていきたいと考えております。
 緊急経済対策として十月十六日に成立した第一次の補正予算と併せて十月三十日に取りまとめられた生活対策では、国民の不安感を払拭するためにも様々な施策が講じられております。また、これから第二次の補正予算の成立を経て実施されるものもございますけれども、きめ細やかな対応を行うためにも、まず初めにこの生活対策の厚生労働分野の施策の主要な内容について、まず大臣から御説明をいただきたいと思います。

国務大臣(舛添要一君) 生活対策の中身でございますけれども、例えば、雇用については非正規労働者の雇用安定対策の強化、それから介護につきましては介護従事者の処遇改善と人材確保、それから出産、子育て支援につきましては出産、子育て支援の拡充、例えば安心こども基金を創設する、それから懸案でありました妊婦健診、これまで五回しか無料じゃありませんでしたが、十四回全部無料化すると、こういうことを推進したいと思います。それから、障害者の支援策の拡充、それから新型インフルエンザ対策の強化、年金記録問題への対応など盛り込まれておりまして、本当に暮らしの安心が実現できるように努力してまいりたいと思います。

山本博司君 ありがとうございます。
 今の生活対策の具体的な内容に関しましてこれから質問をしてまいりたいと思います。
 まず、この生活対策に盛り込まれております妊婦健診についてお伺いをしたいと思います。今大臣も先ほどの無料化に関しましてのことでお話がございました。この生活対策の中でも、「妊婦健診の無料化等に向けた取組の推進」と、こう記載がございまして、現在五回程度の妊婦健診の無料化を、受診が望ましいとされる十四回分、拡大するということでございます。こうしたことが実現をできますと、経済的理由で健診を受けなかった妊婦が受診するため、ハイリスク妊娠、今問題となっておりますけれども、こうした早期発見とか、また、妊婦健診を受けないことによりましてのデータがないまま出産をする飛び込み出産、こうした減少にも通じてくると、こういう効果が期待ができると思います。国また社会が子供を産むことを支える大きなメッセージになると考えます。
 公明党もこの十四回の無料化、ずっと訴え続けてまいりました。この妊婦健診の公費負担の拡大について、大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。

国務大臣(舛添要一君) 今いみじくも委員おっしゃいましたように、私が昨年着任して、奈良の妊婦の、高槻まで十回以上いわゆるたらい回しということがあった事件がありました。あの方は健診を一度も受けていなかったという報告を聞いております。
 やはり、きちんと十四回健診していただけば、途中で異常が発見されたりということもありますし、本当にそのことともに、やはりお金がないから健診に行かないという理由は多いんですね。今大体五千円から一万円、九千五百円ぐらい東京だと掛かると思います、一回。そうすると、丸い数字で一万円だと。それで十四回行けば十四万掛かりますから、やはり経済的理由で行かないという、そういうことがあってはいけないというふうに思いまして、何とかこれを実現したいということで、公費負担で十四回までということで、これは皆さんに大変喜んでいただいていると、いろんなところで私に対してこれは有り難いという声を聞いておりますので、これをきちんと実現して、まさに少子化対策、赤ちゃんが生まれなきゃ少子化対策にならないわけですから、まず妊娠して健やかに母子共に育っていただく、そのために必要な健診はすべて公費で賄うと、そういう体制をきちんとやるという決意でございます。

山本博司君 ありがとうございます。
 この妊婦健診の費用ということでいいますと、今回、国だけでなく地方自治体も負担することになるわけでございます。やはり地方、特に財源の厳しい、私は中国・四国地域を回っておりますけれども、様々な形で、今五・五回でございますけれども、その格差もございました。今回、十四回無料ということに関して、地方も含めて大丈夫なのかどうか。具体的な財政措置、このことに関しましてどのように考えていらっしゃるのか。地方の負担はどのようになるのか、このことをまずお聞きをしたいと思います。

政府参考人(村木厚子君) 妊婦健診に対する財政措置でございます。
 現在は五回分、最低限必要な五回分を基準としまして、地方財政措置により公費負担をしております。この度、生活対策において十四回分すべてを無料でということでございますので、残っている九回分につきまして、国庫補助それから地方財政措置、それぞれ二分の一ずつで支援をするということにいたしたいと考えております。
 こうした財政措置をとり、厚生労働省と自治体が連携をすることによってしっかりと十四回受診をしていただけるようにしたいと考えているところでございます。

山本博司君 ありがとうございます。
 是非ともこの地方の負担、十四回無料がきちっと徹底できるような形でお願いを申し上げたいと思います。
 続きまして、この妊婦健診に関します内容でございますけれども、自治体のこうした財政状況ございます。例えば、この健診項目が市によって違いがあるということは、これはとんでもないことでございます。無料で行える健診項目ということが自治体によって違うということは、これはあってはならないことでございますけれども、地方の自治事務ということで難しい点もあるかも分かりませんけれども、地域の格差が起こらないようにしていく、このために国として何らかのガイドライン、こういったことが必要ではないかと思いますけれども、この点はいかがでございましょうか。

政府参考人(村木厚子君) 現在、先生御指摘のように、妊婦健診そのものは母子保健法に基づきまして市町村がそれぞれの地域の実情に応じて実施をするものではありますが、最低限必要な五回分につきましては、私ども今、実際に実施をする時期それから内容について通知で実はお示しをしているところでございます。
 これから十四回分について公費負担を拡充をするわけでございますので、その際には必要な健診の時期や内容については国として何らかの形でお示しをするという方向で検討をしたいと考えております。

山本博司君 それともう一つは、この妊婦健診に関しまして、どこでも受診が無料になっていくということが理想だと思います。特にふるさとで出産をするという里帰り出産、こういうケースも多いと思います。こういった場合でも健診の無料化が図られるのかどうか。是非ともその推進をしていただきたい。
 そしてまた、助産師等の出産もあるかと思います。こういった場合のやはり差もなくなるようにするということも大事じゃないかと思います。この点、いかがでございましょうか。

政府参考人(村木厚子君) いわゆる里帰り出産でございますが、現在は、償還払いのような形でしっかりそうした分の公費を見ている自治体と、それから、里帰り出産の場合は公費負担をしないというようなことで、各自治体取扱いがばらばらになっております。
 こうしたことから、せっかく今回、公費負担の拡充をするわけでございますので、里帰り出産の場合にもしっかり公費負担ができるような体制の在り方について検討してまいりたいと思っております。
 また、助産師の活用、大変重要なことでございますので、これもしっかりと視野に入れて検討をしたいというふうに考えております。

山本博司君 是非とも、先ほど大臣からも、この妊婦健診を含めた大事な部分でございますので、是非とも検討を推進をしていただきたいと思います。
 続きまして、今度、産み育てやすい社会を築いていくためにも大きな役割を果たしております出産育児一時金に関しましてお伺いを申し上げたいと思います。
 午前中の論議にもございました、来年一月から産科医療補償制度、これがスタートいたします。これは午前中もお話がございましたけれども、分娩に関連して発症した重度の脳性麻痺のお子様とかその御家庭の経済的負担を速やかに補償するとともに、紛争の防止とか早期解決、産科医療の質の向上、これに資するものであり、患者の方たちとか産科医の方たちから制度の創設が求められておりました。
 そこで、この保険料三万円、これが出産育児一時金を現在の三十五万円から引き上げて対応することになっておりますけれども、まず、この制度の概要につきまして分かりやすく御説明をいただきたいと思います。

政府参考人(外口崇君) 産科医療補償制度は、安心して産科医療を受けられる環境整備の一環といたしまして、分娩にかかわる医療事故により脳性麻痺となったお子さんやその御家族の方の経済的負担を速やかに補償し、併せて事故原因の分析を行い、将来の同種の事故の防止に資する情報を提供することなどによりまして、紛争の防止や早期解決、産科医療の質の向上を図ることを目的として創設するものであります。
 この制度は、通常の妊娠、分娩にもかかわらず脳性麻痺となったお子さんに分娩機関が補償金を支払い、その支払を民間の損害保険により担保するものであります。また、事故の原因については医学的観点から事例を分析し、結果をお子さんや妊産婦、分娩機関の双方に伝えることとしております。この制度の創設に伴いまして分娩料の引上げが見込まれますことから、当該制度に加入している医療機関等において出産した場合に、出産育児一時金等の支給額を従来の三十五万円から三十八万円に見直す方向で検討しているところでございます。

山本博司君 この制度に加入している医療機関、今実態はどのぐらいでしょうか。

政府参考人(外口崇君) この制度への加入に当たり全都道府県で説明会を実施し、調査をしております。十一月十一日現在の加入状況は、病院、診療所が九六・八%、助産所が八七・二%、合計で九五・五%となっております。

山本博司君 今九五%ということで、来年の一月一日から実施をするわけですから、当然このまだ加入をしていない医療機関、助産施設、どのように加入を求めていくのか、この加入促進策、このことに関しましてお話をしていただきたいと思います。

政府参考人(外口崇君) 加入促進の取組といたしましては、都道府県がホームページ等を通じて行います医療機能に関する情報提供の項目と病院等における広告が可能な項目に本制度への加入の有無を追加する改正を十一月四日付けで行っております。また、啓発、広報活動も進めてまいります。
 現時点で加入していただいていない分娩機関については、この制度による補償が受けられないお子さんが生じてしまいます。本制度の趣旨を御理解いただけるよう、引き続き加入促進を図ってまいりたいと考えております。

山本博司君 ありがとうございます。
 続いて、この補償対象者の範囲、今回、通常の妊娠、分娩にもかかわらず重度の脳性麻痺となった者と、このように今回範囲が指定されておりますけれども、脳性麻痺以外の医療事故があった場合にはどのように対応していくのか。また、この補償対象の拡大ということに関しましても考え方をお聞きをしたいと思います。また、見直しということに関しましては今後どのように行っていくお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。

政府参考人(外口崇君) この産科医療補償制度におきましては、まずは制度の早期実現を図る観点から、分娩にかかわる医療事故により脳性麻痺となったお子さんを補償の対象としているところであります。補償の対象も含めた制度の在り方については、遅くとも五年後を目途に制度の見直しを行うこととしておりますが、さらに必要な場合にはこの五年を待たずに制度を見直すことも考えたいと思っております。

山本博司君 今回、先天性や未熟児の脳性麻痺の方は対象外になっているかと思いますけれども、これはどういう理由からでしょうか。

政府参考人(外口崇君) この場合は、まずこの制度、分娩にかかわる医療事故により脳性麻痺となったお子さんを補償の対象として早期実現を図る観点から行っておるわけでございます。そして、実際には未熟児の方あるいは先天性の染色体異常を持たれる方とかの場合には、この場合原因が明らかでございますので、今回のこの通常の分娩における脳性麻痺といった対象から離れているわけでございます。
 ただ、この三十三週以上、二千グラム以上という規定のもう少し下のボーダーラインのケースであっても、これは審査の段階で必要な場合にはそれも含めるといったことも行うわけでございまして、御指摘の補償の対象について、先ほども申し上げましたけれども、五年後の制度の見直しについてはこれはよくよく検討していきたいと考えております。

山本博司君 今回のケース、五年ということなく、もっと早い段階での見直しということも必要であれば検討していただきたいと思います。
 そして、今回の補償制度、金銭的な補償制度をつくるということではなくて、事故を減らすための医療技術の開発とか産科医の研修制度の充実とか、実質的な医療事故を減らすための取組もこれは並行して強化をすべきと考えますけれども、この再発防止に関しましての取組に関しましてお答えをいただきたいと思います。

政府参考人(外口崇君) 原因の分析、また再発防止につきましては、この産科医療補償制度の運営組織であります日本医療評価機構におきまして、産科医、助産師、弁護士さん、学識経験者の方等を中心に構成する原因分析委員会、また、産科医、小児科医、助産師、患者の立場の有識者、学識経験者、関係団体等により構成する再発防止委員会をそれぞれ設置して取り組んでいくこととしております。
 全般的な医療事故の再発防止につきましては、医療機関における医療安全体制の確立、医師不足等の対策や臨床研修制度の見直し等、全体の医療の質の向上を図ることにより取り組んでまいりたいと考えております。

山本博司君 ありがとうございます。
 次に、大臣にお伺いをしたいと思います。出産育児一時金の引上げに関してでございます。
 現在、地域によっての出産費用五十万近くになる地域もあると言われております。出産育児一時金の引上げが求められているかと思います。子育ての基本的な負担というのは社会全体でしっかりと支えて、個々の家庭の負担を軽減をしていく、そして過大な負担を求めないようにするには出産育児一時金の実情に合わせた引上げが必要であるかと思います。
 また、日本産婦人科医会の調査では、出産費の未収が公的病院を中心に多発していることが判明をしております。十二億円とも言われておりますけれども、この医療機関の未収金をなくするためにも出産育児一時金を直接医療機関に支払うべきとの考え方もございますけれども、こうした点に関しまして大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

国務大臣(舛添要一君) 今委員おっしゃいましたように、出産一時金三十五万円ですけれども、東京のように恐らく五十万円近く掛かっているところもあれば、地域によっては三十五万円以下で済んでいるところもあります。ですから、地域の実情に応じた額をきちんと払うという方向で一つは変えたい。
 それから、今おっしゃいましたように、直接保険者から医療機関に支払うということであれば、未収の問題もありませんし、今手元にお金がなくても安心して出産できる。まあほとんどがもうそういう形、そういう形というのは、直接払う形になっておりますけれども、そうじゃないところももちろんあって、建前はまず三十五万円払って、出産費払って、後で出産の証明書をもらってお金をいただくという形になっていますから、先ほどの妊婦健診の無料化もそうですけれども、手元にお金がなくても安心して妊娠し、健診を受け、出産できる、こういう体制を早急に整えたいと思って、その方向で今努力を重ねております。

山本博司君 是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 続きまして、周産期の救急医療体制に関しましてお聞きを申し上げたいと思います。今日も午前中からずっと論議のある点でございます。
 病院たらい回しという痛ましい問題が重なっておりますけれども、一番体制の整備が進んでいるというこの東京において発生をしたということが問題の深刻さ、本当に深いものであるというふうに思います。この問題をなくすためにも、救急医療と周産期医療の連携強化、これが欠かせないと思います。
 今回の事故を教訓として、周産期の救急医療体制をどのように整備するお考えなのか、まず大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。

国務大臣(舛添要一君) 周産期医療と救急医療、これの連携をいかに確保するか。これは今、専門家を集めて検討委員会を設けておりまして、十二月ぐらいを目途にこの提案をいただきたいというふうに思っています。それから、これは国も地方自治体も医師会も皆が連携してやるべき課題でありますので、このこともきちんと手当てをしたい。そして、何といっても医師不足というのが背景にありますから、この医師不足に対して中期、長期、短期、こういう政策を取っていきたいと思っております。それは医師だけじゃなくて看護師についても言えるわけです。
 今回の事案につきましても、墨東病院の件、それから杏林病院の件についても、その受入れを拒否した病院を含めて、都と協力して徹底調査を行うと。そして、その中からどういう問題が浮かび上がってきているかということについてもこれはきちんと把握しないといけない。そういう中で、情報システムの問題もありましたから、経済産業省と協力して、モデル病院をつくり、情報システムをIT化する、活用する、最新鋭のものにすると、そういう方向でこの努力をしていきたいと思います。
 そういうことで、二度とこういう問題が起こらないように更なる施策を続けてまいりたいと思います。

山本博司君 是非よろしくお願いいたします。
 じゃ、具体的な点についてお伺いを申し上げたいと思います。
 オンライン上の手術の可否、また空床情報、これをリアルタイムで表示をする救急医療情報システム、また周産期医療情報システムにつきまして、これまでまだ未整備の地域もある、こういうことがあるとのことでございますけれども、現在の都道府県のこの整備状況、このことに関しましてお答えをいただきたいと思います。

政府参考人(外口崇君) 救急医療情報システムについては、現在コンピューターシステムによる設置県が四十三県となっております。また、周産期の救急情報システムについては、現在コンピューターシステムによる設置の県が三十八、ファクスや電話等を利用したシステムを設置している県が七となっております。この救急医療情報システムと周産期救急情報システムの間で連携をしておりますのは二十一でございます。

山本博司君 まず、基本的にこういった整備が重要かと思います。ただ、今回、東京でこういうケースが発生をしたということは、かなりシステムとしては使っていた形だと思いますけれども、先日、先ほども大臣言われましたけれども、この情報伝達システム、即座に把握をしていくという意味で経済産業省との共同で進めていくというふうなことがございました。
 このシステムの概要と今後の見通しに関しまして教えていただきたいと思います。

国務大臣(舛添要一君) これは、月曜日に大臣とお会いして直ちに指示をそれぞれの省に下しまして、既に作業を開始しております。幾つかのモデル病院をピックアップしてそこで実際に実験をやっていく。そして、様々なIT技術があるわけですから、どういう形でやっていくかということが非常に重要だと思いますので、これを早急に固めたいと思います。
 ただ、今回の墨東病院の事案で、私はずっとまだ調査をしていますけれども、この中にお医者さん、何人か委員の方おられますけれども、恐らく五の橋の病院の産科の先生から墨東の周産期の産科の先生に行って、産科のネットワークでやり取りして、周産期のセンターからほかの周産期という形でやったそのルートもありますけれども、東京の緊急システムに入って、まあ消防ですね、そこからやれば緊急の方に入ったんではないかということもあるんです。
 ですから、本当に多くの不幸が重なって、産科の先生方も悪気でやったわけじゃなくて、まさにネットワークでつながっているから、顔見知りでもあるし、何とかといったのが裏目に出た面もあると思います。ですから、こういうIT技術を使ったシステムの、技術を使った制度のことも改革もやりますけれども、今言った周産期のネットワークと救急医療のネットワークを人的な要因を加えてどうするかという視点も欠かしてはならないので、この点も忘れなくやりたいと思っております。

山本博司君 ありがとうございました。
 今大臣御指摘ありました、人的な部分のことも含めてということでございましたけれども、私、先日、茨城県の土浦協同病院を訪問をした、小児救急の現場でございましたけれども、見させていただきました。ここで、小児救急の拠点病院オープンシステムということで、地域の医師会所属の小児科医の専門医師と協力をしながら連携をして時間外診療、こういうことが実施をされておられて、大変すばらしい取組が行われていた実感がございました。
 こうした制度といいますかシステムといいますか、この周産期医療にも生かすべきであるというふうな実感をしたわけでございますけれども、こうした地域の救急医療体制を守るために、開業医の救急医療への積極的な参加、これが重要ではないかと思います。この地域基幹病院と協力して開業医が救急医療に参加できる体制の整備、これをどのように考えていらっしゃるか、お答えをいただきたいと思います。

政府参考人(外口崇君) 救急医療につきましては、近年、軽症の患者さんを中心に救急の利用が大きく増加し、受入れ能力に限界ということも指摘されております。本年六月の安心と希望の医療確保ビジョンにおきましても、夜間、休日等における開業医の外来診療の推進など、地域の開業医に救急医療に参画してもらうことが重要な課題となっております。
 このため、厚生労働省といたしましては、二十年度診療報酬改定におきまして、時間外の軽症の救急患者を診療所で受け止める体制を推進するため、診療所での夜間、早朝等の診療を新たに評価したほか、御指摘の診療所の医師が二次救急の医療機関に参加する体制の、それを応援するための予算を二十一年度の概算要求でもお願いしているところでございます。
 救急患者の受入れが確実に行われるよう、地域の診療所のお医者さん方の参画を推進するなど、救急医療体制の整備を進めてまいりたいと考えております。

山本博司君 ありがとうございます。
 続きまして、若年者雇用という観点からお聞きを申し上げたいと思います。
 本年四月からジョブ・カード制度、スタートをしております。このジョブ・カード制度、労働市場のインフラ整備ということで大変重要な役割を担っていると思いますし、しっかりと定着をさせていかなければならないと思います。
 このジョブ・カード制度が発足をしてから半年が経過をしました。制度の利用状況に関しまして御説明をいただきたいと思います。

政府参考人(草野隆彦君) ジョブ・カード制度は四月からスタートしたわけでございますが、厚生労働省では、初年度の目標といたしまして、ジョブ・カード取得者を十万人、それから職業訓練受講者数を五万人程度とする目標を設定しております。
 制度の利用状況でございますけれども、まずジョブ・カード取得者数ですが、これは年間十万人に対しまして、十月末現在、累計で二万七千人ということで、やや出足が鈍いわけでございますが、月を追うごとに増加のペースが増しておりまして、十月の一か月間で約八千人が新たにカードを取得したという状況でございます。
 それから、職業訓練受講者数ですが、これは年間五万人計画でございますが、十月までに約二万一千人となっております。その内訳でございますが、まず、年長フリーターなど、すぐには企業に雇用されにくい方に対する訓練を専修学校などに委託して行っております日本版デュアルシステム、これが約二万人でございます。それから、主として新規学卒者を企業が雇用した上で現場の中核人材を育成するための訓練を行う実践型人材養成システム、これが一千人でございます。それから、フリーターなどの正社員経験が少ない方につきまして、三か月から六か月程度の間、企業との雇用関係の下で実践的な訓練を行う有期実習型訓練、これが七十名というふうになっております。

山本博司君 今、現状のお話ございました。まだ始まったばかりの制度ですからまだまだこれからの対応もあると思いますけれども、例えば、今、有期実習型訓練、年度目標一万人に対しまして現在七十人と言われてまだまだ浸透していないというのが現状じゃないかと思います。これは多くの企業の参加がやっぱり必要であると思います。こうした企業に対しての具体的な呼びかけ、これはどのように行っていらっしゃるんでしょうか、お答えをいただきたいと思います。

政府参考人(草野隆彦君) おっしゃいましたように、有期実習型につきましては立ち上げ期におきまして制度の周知とか体制整備、こういったところに問題があってなかなか十分進まなかったというふうに考えております。
 その後は、地域ジョブ・カードセンターでありますとかあるいはハローワーク、こういったところが中心となりまして事業主向け説明会の開催でありますとか財界、業界団体などへの戸別訪問などをやっております。その結果、九月末までに約一千社の企業から今後、有期実習型訓練を活用したいとの申出があったところでございまして、こうした企業では、一定の準備期間を経て年度後半以降順次訓練に取り組んでいただけるものというふうに考えております。
 また、このほか制度の活用が進まなかった主な要因としまして二つ考えておりまして、第一はオフJTの実施要件が厳しくて社内の人材を指導員として活用しにくいといった制度上の問題もございました。このため、本年十月から社内人材による円滑なオフJTの実施が可能となるよう要件の見直しを行ったところでございます。
 それから第二に、フリーターなどの正社員経験の少ない方、こういう方を直接雇用することへ企業側がなかなかためらう、ちゅうちょするという傾向もございます。このため、企業内で既に働いているパートあるいはアルバイトなどの非正規社員の方、こういった方を対象とした訓練、いわゆるキャリアアップ型と申しておりますが、そういう方も本格実施に推進しているところでございます。さらに、今般の生活対策におきまして、企業が有期実習型訓練を活用するインセンティブを一層高めるため、訓練経費などの助成拡充を盛り込んだところでございます。
 これらによりまして、引き続き有期実習型訓練の活用実績が向上するよう全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。

山本博司君 続きましてこのジョブ・カードに関しまして、求職者、利用者の方の負担があるのではないかということでの質問でございます。
 具体的に職歴を記入する際、在職証明書などの資料を添付しないといけない規定があるということもなかなか利用者には大きな負担となっているというふうにも考えられます。また、今後ジョブ・カード制度を普及促進させるためにはこういった点も含めて改善をしなくてはならないと、こう思いますけれども、この負担軽減策に関しましてお答えをいただきたいと思います。

政府参考人(草野隆彦君) お話がありましたように、ジョブ・カードの中には記載事項の証明確認欄というものがございますが、これは一部にこれらに係る証明書類が必要であるという誤解がございまして、これにつきましては可能な場合に限って提出いただくことで済むということで、そのことの周知徹底を図っているところでございます。
 それから、実際にジョブ・カードに求職者の方が記載していただく場合、ハローワークなどにおきましては専門資格を有するキャリアコンサルタントが記載内容や将来のキャリア形成などについてきめ細かい助言などの支援を行っていくこととしております。
 今後はこうした記載に当たっての留意事項の周知、誤解の排除、あるいはキャリアコンサルタントによる支援を更に徹底しますとともに、利用者の声やニーズも配慮しながらジョブ・カードをより活用しやすいものとするよう努力していきたいというふうに思っております。

山本博司君 ありがとうございます。
 また、今回の生活対策の中での訓練期間中の生活保障給付の返還免除対象者の拡大、これが実施をされることになっております。これまで訓練を受けてキャリアアップを目指したくても訓練期間中の生活ができなくなるために断念していた、この利用者にとっては積極的に活用できる好機であると思いますが、この生活保障給付の返還免除のねらい、またどれぐらいの対象者の範囲を拡大しようとしているのか、この辺の御説明をいただきたいと思います。

政府参考人(草野隆彦君) 返還免除制度のねらいでございますけれども、これは訓練期間中の生活保障給付ができる制度とすることによりまして、経済的な不安を抱かずに訓練の継続あるいは知識、技能の習得を促すことを目的としているものでございます。
 具体的な返還免除の対象者についてでございますが、平成二十年度補正予算におきまして、二十五歳から大体三十代後半の年長フリーターなどのうち、訓練の修了状況やその後の就職状況など一定の要件に該当する方を対象にしまして十万円を限度として免除することとしております。
 さらに、今般の生活対策におきまして、第一に、扶養家族を有する者に対する返還免除額の更なる引上げを行いますとともに、第二に、返還免除の対象者を四十歳以上の者に拡大することを盛り込んだところでございます。対象人数につきましては、先般の補正予算により約一千二百人としたところでございますが、生活対策におきまして更に拡大を図ってまいりたいと思っております。
 厚生労働省としましては、今後とも、正規雇用を目指す若者などに対してより一層効果的な支援ができるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。

山本博司君 今、若年者雇用ということでずっとお話をしてまいりました。九月二十九日の参議院の本会議の所信表明演説の中で、麻生総理が、「次代の日本を担う若者に希望を持ってもらわなくては国の土台が揺らぎます。困っている若者に自立を促し、手を差し伸べます。そのための、若者を支援する新法も検討します。」、こう述べておられました。こうした考えというのは、ニートの方々とか年長フリーターの方、こうした様々な困難に直面をしている若者たちの支援が進むことが期待をされ、積極的に進めていただきたいと思います。
 私も先日、愛媛県の新居浜市の大島の若者自立塾、ここに行ってまいりました。約三か月の合宿ということで、こうした方々が参加をされておりまして、中にはニートを一年ぐらい続けて、テレビのコマーシャルを見て、一期生の方の姿を見て私も参加をしようということで来られた方でございまして、非常にこうした働く意欲を持って参加をするということが大事なことだと思います。
 その意味で、今まで話してきました若年者雇用に対する舛添大臣の御決意をお聞かせをいただきたいと思います。

国務大臣(舛添要一君) 今おっしゃったような若年者雇用の推進につきましては、新雇用戦略におきまして、就職氷河期に正社員になれなかった若者につきまして早急に安定雇用を実現するということで、今後三年間で百万人の正規雇用化を目指すこととしております。
 また、平成二十年度において、年長フリーターに対する支援に重点を置いたフリーター常用雇用化プランの推進、さらに、先ほど話題になりましたジョブ・カード制度による若者への職業能力開発機会の提供、さらに、ニートなどの職業的自立支援の強化を図るために、地域若者サポートステーション事業の拡充、それから、今おっしゃった若者自立塾事業の実施というところに取り組んでおります。
 また、今般の補正予算におきまして、年長フリーターを重点に、トライアル雇用制度の活用など就職から職場定着までの一貫した支援の実施、さらに、職業訓練期間中の生活保障給付制度の創設、今これも議論になったことでありますし、ジョブ・カード制度の整備充実などを図ることにしております。
 さらに、十月三十日の生活対策におきましては、年長フリーター等を積極的に正規雇用する事業主に対して特別奨励金を創設し、三年間で集中的に実施すると、こういう取組を通じまして、新しい次の世代を担う若者が安定した職業に就けるよう支援をしてまいりたいと思っております。

山本博司君 是非ともよろしくお願いをしたいと思います。
 時間の関係で、最後に原爆症の認定問題だけ御質問をしたいと思います。
 この認定問題、本年の四月から与党のプロジェクトチームの提言も踏まえて、拡大された新しい認定基準による認定作業がスタートしております。半年間が経過をしましたけれども、その進捗状況、この件、御報告いただきたいと思います。

政府参考人(上田博三君) 原爆症の審査方針に関しましては、本年三月に新しい審査の方針を策定し、四月よりこれに基づく認定作業が進んでおります。本日までで、件数でございますが、一千五百五十七件、このような方々が認定をされまして、既に昨年度までの年間平均の十二倍以上の認定実績となっておりますが、今後とも迅速な審査に努めてまいります。

山本博司君 今ありました、十二倍以上に進展をしているということは大変喜ばしいことでございます。しかし一方、この申請の却下がなかったり総合判断での認定が少ないとのこうした指摘もございます。また、申請したにもかかわらずいまだ審査が行われていないケース、約六千件に及ぶとも言われております。中には、七十四歳の女性の方は、もう私たちは時間がないんだと、厚生労働省は残酷だと、こういった意見等もあって、こうした被害者団体協議会は、国の不作為に当たるということでの行政不服審査法に基づく異議申立てをする準備も進めているということもございます。この審査の更なる迅速が求められておりますけれども、このことに関しましてどう対応するか、教えていただきたいと思います。

政府参考人(上田博三君) 原爆症認定のための審査は、従来は原爆被害者医療分科会のみで審査を行ってきたところでございますが、本年四月以降はこの新しい審査の方針に基づく認定作業を迅速に行うということで、この分科会の下に四つの部会を設置をして迅速化を図っているところでございます。
 いずれにしましても、先ほど御説明したとおり、速やかに認定がされるよう可能な限り努力をしていきたいと思っております。

山本博司君 今本当に、私も中国、広島であるとか愛媛、また香川の原爆被爆者の方々、原告団の方、お会いをしました。やはり、もう時間がない、その思いの方々ばかりでございます。この迅速にということに関して、今言われた部分、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 それからもう一つ、この今の認定の中で、肝機能障害、また甲状腺機能低下症、このことに関しましては積極的認定の対象としていませんけれども、この被爆者援護法の趣旨とか原爆症認定訴訟の多くの判例から考えても、この第一認定疾病に追加すべきと考えております。これは与党のプロジェクトチームとしても提言していることでございますけれども、大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。

国務大臣(舛添要一君) 御指摘の肝機能障害及び甲状腺機能低下症につきましては、この十月に原子爆弾被爆者医療分科会において専門家の議論をいただいているところでございます。医療、放射線、司法などの専門家によってしっかりとした議論をしていただいて、その結論を待ちたいと思っております。

山本博司君 是非ともこういう形での肝機能障害を含めて、お願いをしたいと思います。
 今現在、原爆症の認定集団訴訟、全国の裁判所で行われておりますけれども、原告の勝訴、国は負け続けております。十二連敗でもございます。本当に原告の方々、高齢化が進んで亡くなっている方もたくさんいらっしゃいます。一刻も早く解決をすべき問題であると思いますけれども、このことに関する大臣の所見を教えていただきたいと思います。

国務大臣(舛添要一君) 大変御高齢であることを踏まえて、とにかく迅速な審査をやっていきたいということでこれまでもその方針を貫いてまいりました。先ほど局長からありましたように、昨年の十二倍の実績、千五百五十七件の認定をすることができました。今後とも更にこの認定を急がせたいというふうに思っております。
 そして、先ほどの例えば肝機能障害にしても、これは総合的に判断する道が残されておりますので、一つ一つのケースについて個別に判断していくということで、冒頭申し上げましたように御高齢であることにかんがみて、迅速なる認定作業を行いたいと思っております。

山本博司君 以上で終わります。ありがとうございました。