公明党 参議院議員 山本ひろし

公明党

少子高齢化・共生社会に関する調査会

第169回国会 少子高齢化・共生社会に関する調査会 第3号
平成二十年二月二十七日(水曜日)



山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 三人の参考人の皆様、大変貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。そこで、何点かお聞きを申し上げたいと思います。三人の方にお聞きをしたいと思います。
 まず、井口参考人にお伺いをしますけれども、論文の東アジア共同形成と人の移動という部分、読まさせていただきまして、それに関連をする部分ですけれども、日本が外国人から魅力ある労働市場と、こう見てもらうためには、ほかの国と比較して何が一番アピールできる優位な点であるのかという、そういう点をちょっとお聞きをしたいと思います。高い賃金とかそういうものではなくて、技術とか知識とかそういった習得できるような研修制度の充実というのが非常にアピールできるのではないかと思っておるんですけれども、その点の御意見をお聞きをしたいと思います。
 それから次に、立花参考人にお聞きをしたいと思います。
 外国人の方々を積極的に受け入れるという御提言の部分、大変参考になりました。その中で、私は四国の出身でございまして、地方の活性化という意味で、特に過疎集落等も大変多い地域で、大変厳しい実態がございますけれども、そういう外国人労働者が単なる労働力の補充要員ではなくて、地方に、地域に大きな貢献ができるのではないかなというふうに私も考えておりますけれども、特に農業の分野での参入ということに関して具体的にお聞かせいただければと思います。その点でございます。
 最後に、川田参考人に二点だけお聞きしたいと思います。
 アイシン精機様の取組というのは、共生社会実現ということで大変先駆的な取組だと思っております。ほかの企業のモデルケースにもう十分なっていくと思いますけれども、そういう中で、今外国人の方々千八百三十一名、正社員の方六十六名ということでございますけれども、今後どのぐらいまで正社員の方を増やそうとお考えなのか、その点と、また、こうした制度を他の企業がもし追随をしていくときに、多分いろんな御苦労があったんだろうと思いますけれども、どのような点に留意をしていったらいいのか、そういう助言的なことを教えていただければと思います。
 以上、よろしくお願い申し上げます。

参考人(井口泰君) 山本先生、御質問いただきましてどうもありがとうございます。
 私も、幾つかアジアの国々との間で、今、日本の地位というのがどこまで変わってきたのかということにつきましていろんな角度から検討をいたしております。
 先ほど研修生のことをおっしゃったので、まずそれについて申し上げておきますと、最近では、中国からおいでになる研修生にいろんな質問やアンケートをした結果を見ますと、円が少し安くなっているせいもあると思うんですけれども、やはり月収十五万円くらいは欲しいという意見が強くて、実際にはそれほど実入りがないというのが現状ではないか。これは円がアジア通貨に対してやや弱含みになっているということの現れであろうかと思います。
 それから、日本に期待してきたものの中に、やはり日本人の勤勉さや職場の規律だとか品質の高さとかそういうものを学んで帰りたいという気持ちが依然として強いということは、まだ非常にうれしいことであります。しかし、現実にはそういった点につきましてもやや陰りが出てきているのではないかという点がございまして、実は先日、愛知県の豊田市では、この町を世界に誇れる国際都市にしようということで、私も若干協力をいたしました。
 日本のやはり持っている強み、先ほど申しましたモラルの高さというか、それから仕事に対する熱意とかそういったこともございますけれども、やはりその町が差別のない町であること、何かあったら助けてくれる、あるいはいろんな国の人たちが集うことができる、いろんな権利や義務関係がしっかりチェックできる、無年金とか無保険というような人を放置しないとか、そういったような事々を実際実現していきたいというふうに話し合っているわけでございます。
 今後、やはり日本全体を一度に変えるのは難しゅうございますけれども、そういったいろんな個別の地域で、日本の従来から持っているメリットと、新しい国際的に開かれた、外国人の方にウエルカムと言えるようなそういう地域をつくることがやはりアジアから今後来ていただくために非常に重要なんではないだろうかと考えております。
 特に外国人の方がただ働きに来るだけではない、やはり子供を育てる、あるいは奥様も来ていただくとか、家族で住むということになってくると、やはり教育の問題というのも、実はどこに行くか、どこに住むかという選択の際にそういう問題は重要性が上がってくる。決して所得だけではないということを考えながら、日本の今後の魅力というものを伸ばしていければいいなというふうに考えているところでございます。

参考人(立花宏君) 山本先生から私に対する御質問で、過疎地域での活性化ということで、単に労働力というあるいは補充要員ということじゃなくて、やはり地域に貢献する人材として受け入れるという、そういった発想といいましょうか、特に農業分野でその問題を一体どう考えるかという御質問だったというふうに考えますが、若干これちょっと私の個人的な意見ということで、組織とは離れての意見だということで、そういう前提でちょっと申し上げさせていただきますと、確かに、地域活性化の上でやっぱり外国人を受け入れるというのがこれは非常に手っ取り早いぞという意見を私も随分聞きます。ただ、それはもちろんきちっとした前提の下でというのがもちろんあるんですがね。
 実は、経団連がこの研修・技能実習制度の改善について提言を出した後、ある県の農協の方から私のところに連絡があって、経団連の意見は我々も非常に納得できる面があると。特に農業の場合には、例えば露地野菜というんでしょうかで、あれは研修、技能までは受け入れられたと思いますけれども、いわゆる水田の方は駄目なんですけれども、畑作の方で野菜なんかのところは受入れ認められるわけですが。
 ただ、その場合に朝早く、いわゆる朝取り野菜というんでしょうか、早取り野菜というんでしょうか、朝早く収穫してそれで市場に出荷すると、新鮮な形でですね。ただ、それはいわゆる正規の通常の時間から外れてしまうもんですから、そういう勤務は認めないという運用になっているけれども、是非それは農業の特殊性を考えて、別に無理やり奴隷みたいに酷使するわけじゃなくて、農業の生産パターンに合わせてやりたいんで、何とかそういうのがもうちょっと、朝から、早朝から働けるようなそういった枠組みができないだろうかという、そういった御注文もありました。
 それで、例えば、これは全く私の個人的な意見ですが、中国から、御案内のとおり、農薬で汚染されたギョーザの問題がありました。日本の企業が提携して向こうで、現地で作って日本に輸入するというそういうやり方がいいのか、それとも現地の人に日本に来てもらって、田んぼなり畑が空いていると、耕作放棄も目立つんであれば、きちっとした受入れ体制の下で現地の人たちに日本へ来て腕を磨いてもらって、また日本人のきちっとした、日本の法律の下で安全、安心なものを作ってもらうと、どっちがいいかですね。
 農薬で汚染された、なかなか相手国ですから全部が全部チェックできないという形で輸入する、これはこれで一つの形だと思いますし、そうじゃなくて、中国から場合によっては一定の要件の下で受け入れて、日本人のきちっとしたコントロールの下で働いてもらって安全なものを確認した上で流通させると、どっちがいいのかという判断があるんだろうとは思うんですね。
 私はその辺、今にわかにどっちがいいという判断はできませんけれども、今回の問題は、随分、やはり国民的にはこういう状況で今の食料自給率が三九%で非常に危ないじゃないかと。穀物だってどんどんどんどん二倍三倍、非常に輸出国は税金を掛けているということで、かつてのように金さえあれば買えるという状況じゃないぞという話をよく農業団体の方から伺うわけですが、確かにそういった状況変化があるんだろうと思いますので、そういうどっちのやり方がいいのか悪いのか、その辺はよくバランス感覚を持って検討していくことが非常に必要かなという感じはいたします。若干その部分は私の個人的な意見でございますけれども。

参考人(川田武司君) ちょっと初め、有期契約社員という中に外国人の方と日本人の方がお見えなんですね。それで、全体的に考えますと、有期契約社員の比率を何%にするかと、この辺でまず申しますと、先ほど少し説明しましたけれども、我々部品メーカーというのは非常に、今日百個作ろうかなと思ったら注文が百二十個来たとか非常に変動幅が大きい職種でございまして、そういう変動のある中で雇用をしっかり安定的にしていこうとしますと、その今の比率三〇%がマックスじゃないかなと。
 そのうち、じゃ外国人の比率をどうするかという話なんですけれども、これは特に外国人の比率をこうしたいとかああしたいとかいう話じゃなくて、本当は日本人の方が来ていただきたいんです、これは来ていただきたいんですね。それで、外国人の方で、先ほど申しましたみたいに、すぐ入れ替わりますよね。人事の担当者が保険の切替えからもう何の切替えから、えらいやっぱり時間が掛かるわけです。
 残念ながらなかなか、新入の高卒の方は二百名ぐらい採りますけれども、彼らは今度アイシンの学校に入るんですね。学校に入って一年間研修してから彼らは出していくわけです。もう直接現場に入っていただく方は本当になかなか採れない状態なんです。
 そういうことで、しかしそうはいっても人手がない。外国の方は今現在二千人近い方がいまして、また量が増えていきますと、なかなか日本人の方に来ていただけないとしますとまた外国の方がお見えになると。ただし、お見えになったからにはちゃんと現場で日本人と同じようにしっかり働いていただきたいということで、直接雇用、残業の管理、できる限りのことはしてあげようと、こういうことだと思うんですね。これがよそよりも進んでいるとは決して思っていないんですけれども、実はこういうことができるようになったのはやっぱり物づくりに対する構えの話だと思うんです。
 先ほど申しましたみたいに、八〇年代ぐらいから請負ということをやっていまして、請負のときに、その当時からブラジル人の方は結構お見えでして、請負をやっていました。ただ、請負というのはある程度信頼関係があって、これを渡します、ちゃんと仕事をしてくれたら請負が成立するんですけれども、なかなか物づくりはそれなりの、先ほど言いました技能とか技術とか要りますので簡単に人手の派遣じゃないんです。だから、そういう面で請負ができない。それで、請負しますといろんな問題が出てきてこれは大変だと。そういうことで、請負から何とかやるために、ただその人たちは、働いている方のその人たちは欲しいと。そういうことで直接、当時まだ製造業の派遣は認められてなかったと思うんです。そういうことで、うちに来てください、来る限りにはちゃんと頑張ってやってくださいよ、そこで直雇用を始めたと。
 これやってみますと、先ほど申しましたみたいに、ブラジルの方は回転率が速いんですね。だから、人事が今なかなか大変だなというところがありますけれども、ただ、幸いなことにリピート率という考えがあるんです。三年間働いて一年間は帰りました、また戻ってきます、是非ともアイシン精機にお願いしたいと、そういう方のリピート率が増えてきましてね。結構、そういう意味では一生懸命やっているというのか、それのかいがあったなというのが実感です。
 それで、もしほかの方に対して何かいい例があるかということなんですけれども、やっぱり当初のうちは不平不満がありました。組合さんとの間でもいろんな、ブラジル人の方はちょっと違うとか、社内でもいろんなけんかがあったといううわさは聞きました、言葉の壁とかですね。ただ、それは大分古い話でして、今は極力一緒になろうということで、やっぱり極力差別をなくすというのか、不平不満をなくすとか、今目安箱みたいなやつをやっておるんですね。大分もうそれも最近少なくなってきましたけれども、一時結構ありました。お互いに顔見てますと全く日本人ですから、もうお互いにやっぱり作業者同士、監督者同士、そこに信頼関係をいかに醸成していくかと、この辺に尽きるんじゃないかなと思います。